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第57話 シスター・レティア
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教会に着き目当てだったケーキを渡し話を進める。
「さて、じゃあ何から話そうかな。レティアは何から知りたいとかある?」
「このケーキはどこから仕入れたのでしょう! 凄く美味しいですっ」
「……僕を怪しんでいたんじゃないのか」
レティアはクリームまみれの指を舐めながら言った。
「食糧配給の様子を窺いながらあなたを監査してました。確かに怪しい人ですが悪い人には見えませんでしたのでもう良いかなと」
「それは僕を信用するって事?」
「そうですね。あなたが何者でもリーンウッドの住民に危害を加えないのであれば信用します」
「そっか。それはありがたいんだけど僕の目的をまだ言ってないよね」
「? リーンウッドを救うのが目的じゃ?」
「まぁ……それもあるんだけどね。一番の目的は神官、もしくはシスターなんだ」
レイの目的を耳にしたレティアは身構えた。
「わ、わわわ私が目的って! 私に何をする気ですかっ! ま、まさかあんな事やこんな事……そ、それ以上はダメですよっ!」
「何を考えているんだ君は」
レティアは妄想逞しいようだ。
「僕の目的は儀式を行える神官を迎える事だよ」
「え? あなたは領主かなにかなのですか? あはは、いくら私が優秀だとしても個人で迎え入れるなんて無理ですよ。私は教国の……」
「でも死んだ事になってるよね?」
「はうっ!? で、ですが一度教国に戻りさえすれば!」
「無理でしょ。一度死亡処理されたら戸籍は抹消される。ましてや届け出たのは君の父でしょう? 届け出はもう受理されて君は死人扱いになってる。違う?」
空になった皿にシフォンケーキを置くとレティアは元気なく食べ始めた。
「そうですね。多分私はもう死んだ事になっててどうやっても事実は覆らないでしょうね」
「うん。それから多分リーンウッドの住民達も同じく消されてる。ここに住む人達はもう世間では死んだ事なってるんだ」
レティアは最後の一切れを頬張りレイに言った。
「トンネルが崩されてここは孤立しました。国からしたら強力な魔獣がこの地域から出られなくなったからさぞ喜ばしいのでしょう。あなたの言う通りです。私達は仮にトンネルが開通した所で他に行き場所がない死人ですよっ」
「はい」
「でも私達はここで生きてます! 死人扱い? 関係ないですよっ。むしろ税金払わなくて良いから助かります」
「それだと国から支援受けられなくなるよね」
「元々国から助けてもらった事なんかないですから」
レティアは立ち上がり棚から瓶を取り出しそのまま中身を口にした。
「ぷはぁっ。私達はこれからも変わらず自分達の力で生きていきます! 私は皆を守るためにここを離れる気はありませんっ」
「そっか、わかったよ。じゃあ住民ごと移住する気はあるかな?」
「はい?」
レイは若干酒の匂いがするレティアに言った。
「別にここに住む事にこだわりはないでしょ? それともどうしてもここに住みたい理由とかある感じ?」
「い、いえ。特には。皆さんは父に無理矢理連れてこられただけですし。多分帰る場所ももうないからここにいるだけで……」
「そっか。じゃあ皆が移住するなら君も移住するんだよね?」
「そうですね。一人残っても意味がありませんし」
「わかった。じゃあ悪いけど明日の朝もう一度町の中心部に皆を集めてもらえるかな? そこで皆の意見を聞いてトンネルを直すか移住するか決めよう」
「? わかりまし……た?」
レティアは移住するためにもトンネルは修復しなければならないのではと考えたが口にしなかった。
そして翌朝、町の中心部にリーンウッドの住民全てが集められレイとの話し合いが始まった。
「朝早くからお集まりいただきありがとうございます。今日は皆さんに一つ確認してもらいたい件があって集まってもらいました」
レイは少し眠りそうになりながらも話を続けていく。
「確認してもらいたいってなにをだい?」
「はい。皆さんには今から案内する場所を見学していただき、移住するか定住するか決めていただきたいのです」
「「「「はっ!? なんだその扉!?」」」」
レイは説明しながら箱庭の入り口を出した。
「昨夜皆さんのために住む場所を急いで作りました。さあ、案内しますので僕に続いて中へどうぞ」
「ちょっと待った!」
レティアが中に入ろうとするレイを止める。
「それは何? 少しくらい説明して下さい」
「これは僕のスキル箱庭です」
「箱庭?」
「はい。ここには現在約六千人が暮らしています」
「は? ろ、六千!?」
「はい。あ、魔獣も含めてですが」
「魔獣!?」
「はい。箱庭の中にいる魔獣は決して人を襲いません。それと犯罪者は入れませんし、中で罪を犯すと強制排出されます」
その話を聞いた住民達は困惑しながら話し合っていた。
「今の話理解できたか?」
「まぁ、ようするにあの扉の向こうに住む場所があってだな、そこでは魔獣は人を襲わないし犯罪者もいない安全な場所だって事だな」
「なんだそりゃ。天国か? 騙されてんじゃ……」
「でも本当ならここよりはるかに安全よね」
「けどさぁ、そんな場所にタダじゃ住めないんじゃないか? ここは今領主がいないから税金もないし」
その話を聞いたレイは住民に言った。
「もちろん税金なんて取りませんよ。皆さんは箱庭の世界で自由に生きてくださって構いません。何か必要な施設や設備があれば可能な限り用意します」
「へぇ~。ま、そこまで言うならなぁ。ちょっと見させてもらうかぁ」
「そうね。嘘には騙されないわ」
「ケーキのお兄ちゃんは嘘なんてつかないもん! 私が一番に入るっ!」
昨日最後にケーキを渡した少女がレイの腕に抱きついた。
「この中にお菓子いっぱいあるんだよねっ? 私行くよっ」
「ははっ。お菓子も果物も果実水も沢山あるよ。それに君と同じくらいの子もいるしね」
「ほんと!? 友達になってくれるかなっ!」
「ああ、皆良い子ばかりだからすぐに仲良くなれるよ。じゃあ行こうか」
「うんっ!」
レイは扉を開きまず少女を箱庭の中に招くのだった。
「さて、じゃあ何から話そうかな。レティアは何から知りたいとかある?」
「このケーキはどこから仕入れたのでしょう! 凄く美味しいですっ」
「……僕を怪しんでいたんじゃないのか」
レティアはクリームまみれの指を舐めながら言った。
「食糧配給の様子を窺いながらあなたを監査してました。確かに怪しい人ですが悪い人には見えませんでしたのでもう良いかなと」
「それは僕を信用するって事?」
「そうですね。あなたが何者でもリーンウッドの住民に危害を加えないのであれば信用します」
「そっか。それはありがたいんだけど僕の目的をまだ言ってないよね」
「? リーンウッドを救うのが目的じゃ?」
「まぁ……それもあるんだけどね。一番の目的は神官、もしくはシスターなんだ」
レイの目的を耳にしたレティアは身構えた。
「わ、わわわ私が目的って! 私に何をする気ですかっ! ま、まさかあんな事やこんな事……そ、それ以上はダメですよっ!」
「何を考えているんだ君は」
レティアは妄想逞しいようだ。
「僕の目的は儀式を行える神官を迎える事だよ」
「え? あなたは領主かなにかなのですか? あはは、いくら私が優秀だとしても個人で迎え入れるなんて無理ですよ。私は教国の……」
「でも死んだ事になってるよね?」
「はうっ!? で、ですが一度教国に戻りさえすれば!」
「無理でしょ。一度死亡処理されたら戸籍は抹消される。ましてや届け出たのは君の父でしょう? 届け出はもう受理されて君は死人扱いになってる。違う?」
空になった皿にシフォンケーキを置くとレティアは元気なく食べ始めた。
「そうですね。多分私はもう死んだ事になっててどうやっても事実は覆らないでしょうね」
「うん。それから多分リーンウッドの住民達も同じく消されてる。ここに住む人達はもう世間では死んだ事なってるんだ」
レティアは最後の一切れを頬張りレイに言った。
「トンネルが崩されてここは孤立しました。国からしたら強力な魔獣がこの地域から出られなくなったからさぞ喜ばしいのでしょう。あなたの言う通りです。私達は仮にトンネルが開通した所で他に行き場所がない死人ですよっ」
「はい」
「でも私達はここで生きてます! 死人扱い? 関係ないですよっ。むしろ税金払わなくて良いから助かります」
「それだと国から支援受けられなくなるよね」
「元々国から助けてもらった事なんかないですから」
レティアは立ち上がり棚から瓶を取り出しそのまま中身を口にした。
「ぷはぁっ。私達はこれからも変わらず自分達の力で生きていきます! 私は皆を守るためにここを離れる気はありませんっ」
「そっか、わかったよ。じゃあ住民ごと移住する気はあるかな?」
「はい?」
レイは若干酒の匂いがするレティアに言った。
「別にここに住む事にこだわりはないでしょ? それともどうしてもここに住みたい理由とかある感じ?」
「い、いえ。特には。皆さんは父に無理矢理連れてこられただけですし。多分帰る場所ももうないからここにいるだけで……」
「そっか。じゃあ皆が移住するなら君も移住するんだよね?」
「そうですね。一人残っても意味がありませんし」
「わかった。じゃあ悪いけど明日の朝もう一度町の中心部に皆を集めてもらえるかな? そこで皆の意見を聞いてトンネルを直すか移住するか決めよう」
「? わかりまし……た?」
レティアは移住するためにもトンネルは修復しなければならないのではと考えたが口にしなかった。
そして翌朝、町の中心部にリーンウッドの住民全てが集められレイとの話し合いが始まった。
「朝早くからお集まりいただきありがとうございます。今日は皆さんに一つ確認してもらいたい件があって集まってもらいました」
レイは少し眠りそうになりながらも話を続けていく。
「確認してもらいたいってなにをだい?」
「はい。皆さんには今から案内する場所を見学していただき、移住するか定住するか決めていただきたいのです」
「「「「はっ!? なんだその扉!?」」」」
レイは説明しながら箱庭の入り口を出した。
「昨夜皆さんのために住む場所を急いで作りました。さあ、案内しますので僕に続いて中へどうぞ」
「ちょっと待った!」
レティアが中に入ろうとするレイを止める。
「それは何? 少しくらい説明して下さい」
「これは僕のスキル箱庭です」
「箱庭?」
「はい。ここには現在約六千人が暮らしています」
「は? ろ、六千!?」
「はい。あ、魔獣も含めてですが」
「魔獣!?」
「はい。箱庭の中にいる魔獣は決して人を襲いません。それと犯罪者は入れませんし、中で罪を犯すと強制排出されます」
その話を聞いた住民達は困惑しながら話し合っていた。
「今の話理解できたか?」
「まぁ、ようするにあの扉の向こうに住む場所があってだな、そこでは魔獣は人を襲わないし犯罪者もいない安全な場所だって事だな」
「なんだそりゃ。天国か? 騙されてんじゃ……」
「でも本当ならここよりはるかに安全よね」
「けどさぁ、そんな場所にタダじゃ住めないんじゃないか? ここは今領主がいないから税金もないし」
その話を聞いたレイは住民に言った。
「もちろん税金なんて取りませんよ。皆さんは箱庭の世界で自由に生きてくださって構いません。何か必要な施設や設備があれば可能な限り用意します」
「へぇ~。ま、そこまで言うならなぁ。ちょっと見させてもらうかぁ」
「そうね。嘘には騙されないわ」
「ケーキのお兄ちゃんは嘘なんてつかないもん! 私が一番に入るっ!」
昨日最後にケーキを渡した少女がレイの腕に抱きついた。
「この中にお菓子いっぱいあるんだよねっ? 私行くよっ」
「ははっ。お菓子も果物も果実水も沢山あるよ。それに君と同じくらいの子もいるしね」
「ほんと!? 友達になってくれるかなっ!」
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