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第1章 異世界らしい。

09 クエスト完了

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    生活魔法を習得した愛斗は、早速森に入りモンスター相手に無双していた。魔法を使って敵を倒す。愛斗はこれに憧れていた。

《職業:夢追い人がレベル6になりました。》

「はぁーっはっはっは!火に弱いだけあるなぁ…モンスターがまるでゴミの様だ!」

    倒したモンスターは既に100体を裕に超えていた。

「ただいま~。いやぁ…魔法っていいな!」

    アイシャが言った。

「生活魔法でモンスターを倒す人…初めて見た…。」

「?魔法は魔法だろ?何かおかしいか?」

「いえ…愛斗さんですものね…。これで本格的な魔法を覚えたらどうなるか…。」

    皆はうんうんと頷いていた。

「さて、昼も食ったし…まだまだ狩れるな。皆もまだ行けそうか?」

    アイシャはマナトに言った。

「な、何でそんなに元気なのです?」

「さぁ…。肉体レベルが上がっているからだと思う。やたら身体が軽いのよ。魔法を使っても全然疲れないしな。どうなってんのやら。」

「私はまだまだ戦れるぜ?マナト、2人で狩りに行かないか?」

「お、共闘か?良いね、連携も試してみたいし。行こうか。」

    愛斗はジルコと2人で狩りに出た。

「あの2人…元気すぎっすね…。」

「私はもう少し休みたいですぅ…。」

    それから2人で夕方までかけ、結構な数を討伐して戻った。

「マナト強いじゃん!私が足を引っ張っちまったみたいだねぇ。」

「いや、あそこはあれが最適だった。足を引っ張ったなんて事は無いから安心してくれ。」

「優しいねぇ。本気で惚れそうだよ。」

「ジルコみたいな美人にそう言われて光栄だが、パーティーを組んでいる内はダメだ。理由は分かるよな?」

「び、美人って。はいはい、分かってますよ。今は我慢するさ。」

    3日目の夜はアイシャとジルコだった。明日には町に戻るので、まだ一緒に寝ていない2人をカトラとリーリアが2人用に泊まる事で全員が愛斗と寝る様に裏で話し合いしていた様だ。

「クエスト最後の夜だねぇ。マナト、初クエストはどうだった?」

「ん?モンスターの事も色々分かったし、有意義な時間を過ごせたよ。何より、アイシャ達と仲良くなれて嬉しいよ。最初に会った時はこんな関係になるなんて思いもしなかったのにな。」

「それは私達もですよ。これが縁と言うものなのかもしれませんね。」

    真面目な話をしている筈なのに、腕に当たる膨らみが思考を邪魔してくる。カトラが下着姿で寝ていたのを聞いたアイシャとジルコは、なら自分もと、下着姿で愛斗に寄り添っていた。

「明日帰るんだっけ?起きたら直ぐ帰るか?」

「そうですね…。そろそろテントで寝るのも疲れてきましたし、朝になったら町に移動を開始しましょうか。明日は少しゆっくり起きても大丈夫と皆に言ってますので。」

「そか。ならゆっくり寝ますかね。」

    愛斗は両側に体温を感じたまま眠りに就くのであった。
   
    朝になりテントから出た愛斗は皆を集めて言った。

「森での狩りは終わりにしよう。討伐さえしたらクエストは完了なんだよな?」

「はい、これだけ狩れば十分でしょう。」

「そっか、なら帰ってギルドに報告しようか。」

「「「「はいっ。」」」」

    愛斗は全員引き連れて森を後にした。途中、やはりモンスターが現れたが、難なくこれを撃退しつつ、一行は半日と少しかけ、ガラテアへと帰還した。
    
    西の森から町に戻った一行は、まず冒険者ギルドにクエスト完了の報告をしに向かった。

「クエストお疲れ様でした。此方が討伐数による報奨金になります。」

    金貨が50枚だった。取り敢えず1人10枚ずつ分配した。

「マナトお兄ちゃ~ん♪」

    その声は…。

「ノーラか!」

「マナトお兄ちゃんのノーラだよぉ~♪頼まれてた屋敷が完成したよ~。今から行く?」

「勿論だ。」

    アイシャが愛斗に言った。

「あの、私達先に宿を引き払ってきますので。」

「ああ。ノーラ、彼女達に地図を書いて渡しておいてくれ。クエストから帰る際に、これから彼女達も屋敷に住まわせる事にした。」

「ん、良いよ~。サラサラサラ~…。はいっ。ま、地図なんか要らないと思うんだけどね。この町で1番デカイ建物だし~?ノーラ頑張ったのら♪」

「じゃあ、先に屋敷に行ってるわ。アイシャ、また後でな。」

「は、はいっ。」
    
    アイシャ達は急ぎ宿屋へと向かった。それと同時に、愛斗はノーラを連れ屋敷に向かった。到着して出来上がった建物をみた愛斗はノーラに言った。

「城…だなぁ。今更だが良いのか、勝手にこんなデカイ屋敷を建てちまって…。」

「良いのら♪お金は使うためにあるのら♪ちゃんと税金を納めれば問題ないのら♪」

「だな。じゃあ…ノーラ。先ずは屋敷の中を案内してくれ。」

    ノーラはぴょんっと愛斗の腕に抱きついた。

「うん!いっぱい見て欲しい所があるのら♪まだ花壇とかはお花咲いてないし、菜園は何も植えてないけど。」

 「それはこれから時間を見つけてやれば良いさ。別に急ぎでも無いしさ、慌てずのんびり行こうぜ。」

「うんっなのら♪あ、そう言えば…リリィは一緒に暮らさないです?」

「リリィか。俺は構わないが、いや…屋敷をゴミ屋敷にされそうだしな。汚さないなら来ても良いと伝えてくれ。んで、汚したら追い出すとも伝えてくれな?」

「直ぐに追い出される未来しか浮かばないのら。」

    ノーラと愛斗はアイシャ達が屋敷に来るまで中庭で待つのであった。
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