夢追い人~異世界に飛ばされた残念な男は気ままに暮らす~

夜夢

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第7章 戦争?いや蹂躙だ!

04 反乱軍結成!

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    愛斗はある計画を立て、実行しようとしていた。

「すいませ~ん。」

「いらっしゃい…。…金持ってるのかい?」

「たんまりとね。お忍びで来てるからさ、黙っててくれない?」

「ほうほう、何処ぞの坊っちゃんですか?」

「まぁそんなとこ。でさ、此処にリーゼロット、ガイアス、ヴェノムの元王族、それに連なる親類が落ちてきたって聞いてさ。」

    商人は口元を隠した。

「…へぇ。耳が早いですねぇ。確かに扱ってますよ。で、どいつをお買い上げで?」

「全部。」

「へ?」

「だから全部だよ。王族とかイジメてみたかったんだよね~。」

「ほっほっほ。良い趣味してますねぇ。では…どうします?そうだな、運ぶのは俺がやるから良いよ。取り敢えず先に支払い済ませちゃおうか。」

「へぇ、それが…。今一扱いに困ってましてね…奴等、何にも出来ないっすから。ほとんど価値が無いんすよ。なので…運賃無しで1人金貨1枚でどうですかね?取り敢えず100人は居るのですが。」

    愛斗は懐から袋を取り出した。

「安いな~。やっぱ国が無いと価値が無い奴等なんだよな。此方は安く買えたからラッキーだけどさ。ほい、金貨100枚。それと誰にも売れた事を言わないで欲しい。聞かれたら他の商人に流したと言ってくれ。それを守れるならもう300出そう。」

「誰が買ったかは秘密を守りますが、売れた事もですかい?」

「マイン王国に睨まれたくないからね。あ、何処か1ヶ所に集めてくれない?出来れば地下とかで。」

「…畏まりました。」

    商人は地下にある広い部屋に王族達を集めて詰め込んでいく。王族達は何事かと商人に噛みついていたが、商人は無視して一室に全員詰め込んだ。

「準備できました。これで全員です。」

「ありがとう、ここからは企業秘密だから上に行っててくれる?」

「へいへい、じゃ毎度あり。」

    愛斗は男に代金を支払い上に登ったのを確認してから王族達に告げた。皆これから何をされるのか不安そうにしていた。

「俺が今日からお前達の主だ。これからお前達をある場所に移す。マイン王国が憎い奴は俺と一緒に来てくれ。マイン王国を潰した暁には君達に国を返そうと思う。」

    そう言って愛斗はマジカルハウスを出した。 

「少しの間、この中に入っててくれ。直ぐに出すから。」

「貴方は一体…。」

「何、俺もマイン王国には恨みがあってね。丁度良いから反乱軍でも指揮しようかなぁってね?あ、戦うのは俺1人で十分なので。そこは安心して下さい。さ、マイン王国が憎い方は中へ。」

    王族達は次々と中へ入って行く。最後に何人か残った。歳は若く皆他とは違う気を放っていた。

「僕はガイアス帝国皇子です。両親の無念を晴らしたい。頼む、何でもするから、マイン王国を潰してくれ!この通りだ!」

「私はリーゼロット王国王女です。私も父と母を殺された。無念を晴らしたいです!力を貸して下さい!」

「私はヴェノム皇国皇女です。私も両親の無念を晴らしたい。頼む…!」

    愛斗は3人に言った。

「君達は他とは違うみたいだね。分かった、国を取り戻したら君達を新たな王としよう。中に居る奴等を纏めてくれ。」

「「「はいっ!!」」」

    3人も中に入った。

    愛斗はマジカルハウスをしまい、地下から上がって行った。

「じゃあ、また。」

「はい?あの…奴隷達は?」

「ああ、ある方法で運んでいるから心配ないよ。じゃあ、くれぐれも秘密にね?破ったら…殺すから。」

    そう言って愛斗は外に出た。商人は床に座り込んでいた。

「さてと…。マインが先に攻めるなら…俺は後ろから攻めますかね。ガラテアの城が丁度良いかな。彼処を拠点にしよう。」

    愛斗はガラテアへと向かった。

「おお~。懐かしい!ここは変わってないな!城まだあるかな?」

   愛斗は城に向かった。

「うげ、ボロいな。しかも売却済みだと?買い手は…冒険者ギルド?全て撤退した筈じゃ…。」

    愛斗は取り敢えず冒険者ギルドがあった場所に向かった。

「更地やんけ!?じゃ何?もしかして…俺の屋敷で反抗して殺られたの!?くそがっ!屋敷を汚しやがって!」

    愛斗は急いで屋敷に戻った。そして、屋敷全体を魔法陣で覆い、呪文を唱えた。

「【リペアー】【クリーン】【ピュリフィケーション】。」

    屋敷は一瞬で綺麗に元通りになった。ピュリフィケーションは念のためだ。アンデッドなんか居たら…嫌じゃん? 

    そんな事を思っていると中から人が出てきた。

「だ、だれですか貴方は?ここは冒険者ギルドが買った屋敷ですよ?直したところで住めませんよ?」

「あ、お前。確か…受付にいた男だな。俺の屋敷に何て事をしやがる!」

「俺のって…ここは元はマナト様の………マナト様?」

「…ああ、姿を変えてるから分からなかったか?」

    愛斗は更に変化を使い、人間だった頃の姿に変わった。

「ま、マナト様!!無事だったのですね!?良かった!!」

    受付にいた男は愛斗にしがみつき涙を流した。

「良いからよ、屋敷を返せ。金なら払うから。ここはこ
れから大事な拠点になる。お前は邪魔だからどっか行け。他にも誰か居るのか?」

「…いまは私しか居ません。ギルドもクビになりました。戦争に加担したとかで…。冒険者も1人、また1人と離れ…。マナト様は何をしに?」 

    愛斗は庭にマジカルハウスを出した。そして扉を開けた。中から王族達がゾロゾロて出てきた。

「こ、これは?一体…!?」

「潰された国の王族達だ。取り敢えず屋敷で匿う。最初は手を出すつもりは無かったんだけどさ。あまりに不憫でな。マイン王国には恨みもあるし、潰してやるよ。」

「れ、レジスタンスを作る気ですか?」

「いや、俺だけで十分だ。そうだ、お前さ、この王族達の世話してくんない?今フリーだろ?」

「…分かりました。マイン王国、潰しましょう!その為なら何でもしますよ!ははははは。」

「頼むわ。聞いた通りだ!皆、これからマイン国王を殺すまでこの屋敷で過ごしてくれ。足りない物があったらこの執事長に言ってくれ。それと、済まないが外出は禁止させて貰う。屋敷の敷地内で我慢してくれ。執事長は出入り自由だ。そう言う結界を今から張る。因みに許可なく結界に触れたら…死ぬからな?絶対に触れるなよ?」

    愛斗は再び屋敷の敷地を含め全体を魔法陣で覆い、結界を張った。

「これで良し。例え大賢者でもこれは解けないから安心してくれ。俺より魔力がある奴なら解除出来るが…そんな奴はいなさそうだしな。」

    愛斗は皇子達3人を集めた。

「数日でカタをつける。もし王族の中に邪魔になりそうな奴がいたらリスト化しておいてくれ。新しい国はクリーンな国にしたいからさ。頼むぜ?」

「「「分かりました!」」」

    こうして、愛斗は着々とマイン王国陥落の準備を進めて行くのであった。
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