夢追い人~異世界に飛ばされた残念な男は気ままに暮らす~

夜夢

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第17章 魔王、探偵初めました。

05 次の依頼人現る。

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「あんっあっあっあっ♪魔王さまぁっ…またびゅ~ってしてぇっ♪早くぅっ♪」

「今くれてやるよ、キャメルっ!孕んじまえっ!」

「あっあっ♪孕むぅっ、魔王様の赤ちゃん孕みたいぃっ♪あぁぁぁぁっ♪」

    愛斗は朝からキャメルと身体を交えていた。因みにフリオはまだ休んでいる。ケリーは依頼人を探しに出掛けたままだ。

「ねぇ…ここ何日か私とずっとしてるけどさ…。仕事無いの?」

「…無いな。依頼人が来なきゃ仕事は無い。」

「忙しい身じゃ無かったっけ?」

「…忙しくなると思ってたんだよ。しかし…こんなにも魔界が平和だとなぁ…。」

    魔界は魔王の統治の下、平和な日々を送っていたのだった。犯罪は殆ど無い。もし犯罪を犯そうものなら魔王が厳しく取り締まると宣言しているからだ。来る依頼ときたら…ペット探しか浮気調査のみ。愛斗は探偵として行き詰まっていた。

「ふふふっ、でも…暇だからこうして毎日えっち出来る訳で…♪」

「…だな。そろそろ孕むか?フリオももう直ぐ復帰するだろうし。」

「あ、やっぱり何かしてたんだね!おかしいと思ったよ。こんなに毎日何回も膣内射精してるのに孕まないんだもん!」

「ははは、まぁ…直ぐに孕ませたら出来なくなるからな。で、どうする?孕むか?」

「ん~………まだ。もっとえっちしたい。」

「仕方無い奴だ。ならまだ孕ませないでおこう。さ、続きだ。次はお前が上の番な?」

「ふふっ、はぁ~い♪」

    こんな毎日を送っていた。それはフリオが職場に復帰しても変わらなかった。

「只今戻りました。フィオ、あれがパパよ?」

「きゃっきゃっ♪」

    フリオは腕に我が子を抱えて事務所にやってきた。

「名前はフィオか。元気そうな子だな。フリオ、よくやった。」

「はい♪魔王様、こちらの方は?」

「キャメルだ。お前と同じ被害者の1人で…マブチ組のお嬢様だ。今は俺の女として此処に置いている。」

「キャメルよ。お互い変な男に騙されて大変だったけど…これから宜しくね?あんっ…魔王様…やっぱり孕ませて♪あの子見たら私も赤ちゃん欲しくなっちゃった♪」

「了解だ。子宮壁に掛けたガードを解除してやる。」

「やっぱり!受精しても着床しなかったのね!卵に種が入った感じはあったのに!もうっ…なら次の卵が出来るまで孕まないじゃない。」

「はっはっは。受精…気持ち良かったろ?」

「うん…。あのちゅるんって入る感じ…病み付きになりそうだった。次はちゃんと着床させてね?」

「おう。次の卵ん時な?」

「私も二人目お願いしようかしら?」

    3人は事務所内で暫くイチャイチャしていた。

「あの…もう良いですかね?依頼人の方がいらっしゃってますが…。」

    ケリーはやれやれと言った顔で事務所入り口に立っていた。隣には依頼人と思われる男が1人立っていた。

「お、おう。依頼人が居たのかよ。お前達は下がっててくれ。ケリー、茶を頼む。」

「はい、只今。すみませんね、お待たせしてしまって。」

「い、いえ!とんでもない。依頼を受けて頂けるならいくらでも待ちますとも。」

    どうやらかなり切羽詰まっている様だ。愛斗は事務所の応接室に移動し依頼人を見た。

「所長の椎名だ。で?依頼は何だ?犯罪以外なら何でも受けるが?」

「は、はぁ…。そのですね…私実は会社を経営しておりまして…、ミナミ不動産…分かります?」

「さて…知らないな。ケリーは?」

「愛斗さん…、ミナミ不動産は池袋全体を取り仕切っている不動産屋ですよ?知らないんですかい?」

「…知らん。俺は魔王だからな。好きな場所に好きな建物を自分で建てるからな。そもそも…不動産屋を許可した覚えすら無い。お前…誰から土地を得た。話してみろ。」

「へ?ま、魔王様?椎名…って…魔王様!?ほ、本物!?」

「ああ、で?」

    依頼人は愛斗を見て興奮していた。

「い、いやぁ…本物の魔王様を拝見出来るとは…。驚きました。あ、そうでした。土地ですね。土地は新たに出来た時に魔王城から買い上げる仕組みとなっておりまして…。池袋は主に私の会社が買い上げました。魔王城にはきちんと金額をお支払した筈ですが…。」

「あ、あぁ。ミナミ不動産…お前が。うん、まぁ…知ってたよ。お前が本物か試したんだ。どうやら心配はいらんらしい。」

    知らない。そもそもそんな件は関わっていない。全て部下に丸投げしていた。

「成る程!流石魔王様です。感服致しました!」

「世辞は良い。そろそろ本題に入ってくれ。」

「あ、はい。それで依頼なのですが…。」

    男の依頼はこうだった。

    最近、会社の売上と帳簿の数字が違っている。確かに売上はある筈なのに、帳簿には低い数字が記載されている。このままでは税務署から莫大な追徴課税が来る恐れがある。誰かが会社の金を抜いているとしか考えられない。しかし、どの部門が抜いているのかは分からない。会社には、建設部門、資材管理部門、交渉部門、経理部門の4つがある。建設部門は主に家やビル等建物の建設を請け負う部門。資材管理部門は会社の建設機械や建設で余った資材を管理する部門。交渉部門は既に建設済みの他の不動産屋の土地を買い取る交渉をする部門。最後に、経理部門は各部門から運営費を挙げてもらい、それを精査し、適性な資金を提供する部門。

「どこも抜こうと思えば抜けるな…。」

「ええ、我が社の社員は下請けまで含むと二千以上…、最早誰が怪しいのか想像すらつかないのです。そこで、困っていた所をケリーさんに…。」

「成る程ねぇ…。ケリー、どう思う?ヤクザなら会社関係詳しいんじゃないか?」

「はぁ…。どうもこうも…情報が少な過ぎて…。話だけだと判断出来ませんね。」

    依頼人が2人に話し掛けた。

「…ですよね。申し訳ありません。この依頼は無かった事に…。」

    そこで愛斗が口を開いた。

「まぁ待て。解決してやろうじゃないか。」

「で、出来るのですか!?」

「ああ、全社員の名前と詳細が記載された資料を寄越せ。それだけで良い。資料が揃うまで何日掛かる?」

「1日あれば!社員データはデジタル管理しておりますので!明日持って参ります!」

「頼むよ。ケリー、外まで送って…いや、暫く警護を頼む。依頼された事を知った犯人が狙うかもしれん。そして、出来れば社内の人間を良く観察して来てくれ。おどおどしてる奴、急に羽振りが良くなった奴、そいつらをマークしてくれ。男女構わずにだ。狙われたら吐かせて連れて来ても良いぞ?」

「分かりました。では社長。暫くお願いしますね?」

「ぜ、是非!いや、助かります!魔王様、ではまた明日。」

「ああ、なるべく急げよ?マルサにバレる前にな?」

「はっ!」

    それから、社長はケリーと共に大急ぎで事務所を出て会社へと向かった。

「ねぇ、資料見ただけで犯人って分かるモノなの?」

「ははは、普通は無理だな。」

「なら…何で?」

「そりゃ…俺が普通じゃないからだ。まぁ…見てろよ。直ぐに片付けてみせるさ。椎名探偵事務所は即解決、安心安全がモットーだからな。ははは。」

「はぁ…。じゃあ…実力を見させて貰おうかしら。どうやって解決するのか楽しみね。」

    こうして、椎名探偵事務所は新たな依頼へと取り掛かったのであった。


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