魔族と組んで異世界無双 2

夜夢

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第1章 始まりの章

02 枢、デュランドの惑星神になる

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    宇宙神はお茶を啜りながら2人に尋ねた。

「さて、さっきは2人のどちらかにすると言ったけどね、現時点では枢君の方に傾いてるんだよね。」

    デュランが宇宙神に言った。

「…何か理由がおありで?」

「うん、デュラン…君の星はまだ問題がたっぷり残っている筈だよ?それらを解決しつつ、銀河全体を見る事が出来るかい?」

「それは……無理です。多少の問題なら何とかなりますが…。私の星の問題は少し私の手に余っていまして…。」

    枢はデュランに尋ねた。

「そんなに問題が多い星なのか?」

「枢君…。あぁ、僕じゃもうどうにもならないんだ。全ての種族が憎み合ってて…今にも戦争が始まりそうなんだよ。僕の星はレスティアの倍以上あってね…。住んでる種族も様々さ。そして、歴史はレスティアより古い。」

「それをお前1人で?大変なんだな。」

    宇宙神が何やら思いついた様子で、デュランに問い掛けた。

「デュラン君、君の星の問題…自力で解決出来そう?」

「…幾つかの種族が滅びれば何とか…。本当ならどの種族にも滅んで欲しくは無いのですが…。」

「今のまま解決するのは無理なんだね?」

「…はい。力が足りず…。」

「うんうん。ならさ、君銀河神やっちゃいなよ。」

「っ、は?」

「だからさ、君が先ず銀河神になるだろ?」

「え、ええ。」

「でだ、空いた【デュランド】を枢君に任せたら良いじゃない。」

「「はっ!?」」

    ハモった。綺麗にハモった。枢が慌てて宇宙神に尋ねた。

「俺に仲間と離れて他の星に行けって言うのか!?」

「だってさ、レスティアにはネーレスがいるじゃん?それに…レスティアはもう何の問題も無い筈だ。神が2人もいてさ、それを遊ばせておくなんて勿体無いじゃないか。このままデュラン君にあの星を任せていたら先ず真っ先に滅んでしまうのはどの種族かな?」

    宇宙神に問い掛けられ、デュランは重い口を開いた。

「…魔族…です。並んで獣人…次にエルフ…。」

「はぁっ!?ま、マジかよ!?」

    宇宙神はその話に飛び付く枢を見てニヤリと笑った。

「枢君…君の星にも居るよね?そして…君は魔族から惑星神まで登り詰めた。愛着…あるよね?魔族。別に枢君が銀河神になっても良いんだよ?でもさ、やる気無いでしょ?」

「む…?まぁ…無いな。銀河とかどうでも良いし。」

「だろ?だからさ、デュランドで一から救世…やってみない?レベルは1になっちゃうけどさ、スキルや知識なんかはそのまま引き継がせてあげるからさ、ね?」

    枢は迷った。

「迷ったでしょ?迷ったって言う事は…」

「あぁっ!もうっ!迷ったよ!確かに知らない奴等だけどさ、種族は同じだ。滅ぶとか言われて喜べる訳無いだろ!」

「枢…君…!」

    宇宙神は両手をパンッと打ち付け、2人に言った。

「デュラン君は銀河神、枢君はデュランドの惑星神をしつつ、魔族として惑星に降りる。そして、絶滅する恐れのある種族を救う…。これが一番良い解決方法だと思うんだけどなぁ~。」

    枢はデュランに言った。

「デュランはそれで良いのか?自分の星なんだろ?」

「本当は自分で何とかしたいんだけどね…。悔しいけど力不足なんだ…。幾つかの種族が滅べば平和になるかも知れない。僕にはそれが限界なんだよ。未熟だよね…。」

「…あぁっ!もうっ!デュラン!」

「は、はいっ!?」

「貸し1だからな?いつか返して貰うぞ?」

「枢君!それじゃあ…!」

    枢は椅子から立ち上がりデュランに言った。

「惑星デュランド、俺に任せておけ。どの種族も残して平和に導いてやるよ。お前は銀河神を頑張れ。俺は現場で暴れる方が好きなタイプだからさ。頭を使う仕事はお前にやるよ。」

「く、枢君っ!!」

    デュランは感動のあまり枢に飛び付き、抱きついた。

「は、離れろ!男に抱きつかれても嬉しくねぇっつーの!」

「え?僕…女だよ?あ、髪が短いし口調も男っぽいから勘違いしたのかな?」

「は?」

「デュランは惑星から取った字なんだ。名はハーレス。確かめてみるかい?」

    デュランは枢の手を取り、ズボンの中に押し込んだ。

「な、無い…。じゃあ…お前…本当に女?」

「言ったじゃないか。借り1だよね?僕の星を平和にしてくれたら…必ず返すと誓うよ。だからお願いだ…。デュランドを救って下さい!枢君っ!」

    宇宙神は黙ってそれを見ていた。

「…分かったよ。宇宙神、俺をデュランドに降ろしてくれ。それと、ネーレスに事情を説明しといてくれよな?」

「うん、それは任せて。宇宙神の依頼だって言えば片付くからさ。じゃあ…デュラン君は銀河神、枢君は惑星デュランドに魔族の姿でレベルのみ1に戻して、降ろす。これで良い?」

「は、はいっ!」

「あぁ。」

    宇宙神はニッコリと微笑んだ。

「じゃあ、デュラン君はこのままここで研修ね。枢君は…【レベルリセット】!」

「うぉっ!?」

    枢のレベルのみが1に戻される。

「大丈夫みたいだね。じゃあ…惑星デュランド、楽しんで来てね~?【転送】♪」

「ま、待て!デュランドの話をっ…うぁぁぁぁぁ………」

「あ。忘れてた。まぁ、何とかなるよね。枢君だし。」

    デュランは宇宙神に問い掛けた。

「枢君はそれ程までの神なのですか?」

「まぁね。あの邪神の1体を屠ったと言えば分かりやすいかな?」

「じ、邪神をっ!?す、凄い…。」

「彼には期待してたんだぁ。いずれはこの宇宙を任せても良いかなって思ってる。」

「う、宇宙を!?」

「うん。見込みはあるよ。君も…狙うなら今の内にね?手が届かなくなっちゃうよ?」

「お、お戯れを。私みたいな男女では似合いませんよ…。」

「そうかなぁ?彼…あの時結構喜んでたよ?指を動かすかどうか迷ってたなぁ。」

「っ!宇宙神様っ!」

「あははっ♪まぁ、先ずは銀河神を目指して頑張ってね?話はそれからだ。じゃあ、後は部下に聞いてね?バイバーイ。」

    宇宙神はその場から姿を消した。1人残されたデュランは枢の手の感触を思い出し真っ赤になっていた。

「…望みある…のかな。うんっ、頑張ろう!立派な銀河神になって枢君と…枢…君と……ブハッ…!い、いかん…鼻血が…。はぁ…格好良かったなぁ…。」

    デュランは頑張る目標を定め邁進する。後に偉大な銀河神と呼ばれるのはまだまだ先の話である。
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