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第1章 始まりの章
08 新たな集落
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枢は空中を凄まじい速さで飛び、新たな集落上空へと辿り着いた。途中ドラゴンの様な物体を轢いた気もするが気のせいと言う事にしておこう。枢はゆっくりと集落入り口へと降り立った。
「と、ととと止まれっ!お前っ、今空から来なかったか!?」
「あん?ああ、空から来たが…それがどうかしたか?」
「い、命が惜しくないのか!?空は危険なモンスターで溢れているんだぞ!?」
枢は何が危険なのかさっぱり理解出来なかった。もしかして、この星の魔族は総じてレベルが低いのかもしれないな。
「俺なら全く問題ないぞ。柔な鍛え方はしちゃいないからな。」
「ば、バケモンかよ…。で?そのバケモン様はこの集落に何の用があって来た?つか、何処から来た?」
「ふむ、此処から少し南に行った所にある小さな集落からだ。長に会いたい。通してくれるか?」
「南?あぁ、モンスターが多いが比較的弱い地域だな。集落が有ったのか。驚いた。悪事を働かないと誓うなら通してやろう。村での争い事は禁止だ。良いか?」
「ああ。」
「よし、通って良いぞ。長の家は村の中心だ。一番大きな家だから直ぐに分かるだろう。」
「すまんな、入るぜ。」
枢は門番に挨拶し、村へと入った。
「…此処も酷いな。」
村の中はお世辞にも綺麗とは呼べず、何とか暮らせる程度とだけ言えるだろう。民達も皆痩せ細っており、苦しい食料事情が窺われる。
「お兄ちゃん…何か食べるもの…持ってない?もう何日も碌に食べてないの…。」
「甘い物は好きか?」
「分からない…。食べた事無いから…。」
「くっ…!可哀想に…。ほら、これはシュークリームと言ってな、中に甘~いクリームが詰まっているお菓子だ。食べてみ?」
少女は枢の手からサッと奪い取り、勢い良くかぶりついた。
「っ!?…はぐっはぐっはぐっ…ごくんっ…。足りない…、もっと欲しい…。」
「腹減ってそうだからなぁ。ほら、これだけあれば足りるか?」
枢は箱ごと少女に手渡した。少女は地面に箱を抱える様に座り、両手にシュークリームを持ち、次々と平らげていった。10個入りの箱は瞬く間に空となり、少女は満足気な表情を浮かべお腹を擦っていた。
「初めて食べた。甘い物好きになった。ありがとう、お兄ちゃん♪」
「どう致しましてだ。お前、1人か?親はどうした?」
少女は顔を曇らせて下を向いてしまった。
「親は居ない。森で死んだ。私はそれから1人で暮らしている。空腹は水を飲んだり草を食べたりして凌いでいた。」
なんて不憫な…!
「誰も助けてくれなかったのか?」
「皆その日を暮らすので精一杯。他人に情けをかけている余裕は無い…って言ってた。」
「なら、何で俺には声を掛けたんだ?」
少女は再び此方を見ながら言った。
「お兄ちゃんは見た事無い顔だったから…。それに良い服着てるし…。裕福だと思った。それに…これは言わないでおいた方が良いかな?」
「何だよ?気になるから言ってみ?」
「良いの?じゃあ…お兄ちゃん、私みたいな女の子…好き…」
「ストーップ。それ以上はイケナイ。俺は只のイイ人。オーケー?」
「言えって言ったのに。お兄ちゃん、おかしい人。あはははっ♪」
少女が会ってから初めて笑顔を見せた。
「やっと笑ったな。やっぱり子供は元気な方が良い。」
「?子供じゃないよ?これでも成人済み。育つ為の栄養が足りてなかった。あ、子供だと思ってた?失礼。」
「不憫過ぎて何も言えねぇ…。栄養が足りてないとか…可哀想過ぎるっ!」
「そう思うのはお兄ちゃんが強いからだよ。皆お兄ちゃんみたく強くないから…。私達にはこれが日常なの…。」
私…達?
「ま、待て。もしかして…他にも居るのか!」
「孤児は少なくない。この周辺はモンスターもそこそこ強いから大人でも稀に死ぬ。」
「…案内してくれ。皆も腹空かしてんだろ?」
「…こっち。付いてきて。」
枢は少女に腕を引かれ、ボロボロの家へと連れていかれた。中に入ると少女と同じ位痩せ細った子供達が10人位、瞳から光を失った状態で座っていた。
「くっ!こんなになるまで…。」
「皆は本当に成人前の子供。皆モンスターに親を殺されている。」
「台所…錆びてて使えないな。仕方無い。物質創造【キッチン】。」
枢はボロボロのキッチンを退かしてから新品のシステムキッチンをそこに置いた。
「今パンケーキを作ってやるからな。生クリームとフルーツ、シロップをかけた甘~い食べ物だ。もう少しだけ待っててくれ。」
「ん。」
枢は超スピードでフルーツを刻み、パンケーキを人数分焼き上げる。それにトッピングを施しテーブルに並べた。
「どうせ足りないだろうから先にそれを食べながら待っててくれ。あ、飲み物はミルクで良いか?えっと…」
「【リナリア】。私が運ぶから、どんどん作って?」
「ああ、頼んだぞリナリア。」
枢はどんどんパンケーキを焼き上げていく。子供達は匂いに釣られたのか、一口口に含んだらもう止まらなくなっていた。
「美味しいっ!」
「あま~い♪ミルクも新鮮だよ~。」
「お、おかわり…。」
どうやら好評みたいだな。枢は皆がお腹一杯になるまで焼き続けた。
「「「「「ご馳走さまでした~。」」」」」
「お粗末様。腹は膨れたか?」
「うん!こんなの初めて食べたっ!温かい料理も久しぶり…だった。」
「よく頑張ったな。もう大丈夫だ。これからは俺の集落で面倒を見てやる。一緒に来るか?」
子供達は枢に群がって言った。
「毎日ご飯食べられるの?」
「ああ。」
「温かい布団もあるの?」
「勿論だとも。」
「皆優しい?」
「どうかな、俺の集落は此処と違って裕福だからな。心にゆとりがあるから優しいんじゃないかな。」
最後にリナリアが枢に質問した。
「一生面倒見てくれる?」
「自活出来る様になるまでな。孤児の為の家を作ろう。そこで共に学び生きる力を養うんだ。」
「ちぇっ。そこはうんって頷く所だよ?」
「頷いたらお前、一生付きまとう気だろ?」
「バレたか。でも…好きでし…」
「はい、ストップ。俺は正常だ。…多分な。」
「脈ありと見た。これからじっくり攻める。いつか落ちるのを待つ。」
「はいはい。じゃあ…先に俺の集落に行くか。お前達、全員手を繋げ。リナリアは俺に掴まってくれ。」
「こう?」
リナリアは枢に抱きついた。
「まぁ、いいや。全員繋がったか?」
「「「はいっ!」」」
「よし、じゃあ…手を離すなよ?【転移】!」
「「「「うわっ…………え?」」」」
子供達は目を開いて驚いていた。
「着いたぞ。此処が俺の集落だ。その内全然魔族が此処に集まる予定だ。」
「凄い綺麗な町…あ、畑…。」
「知ってるのか?さて、孤児院だったな。場所は…空いてる所で良いかな。少し歩くぞ~。」
枢は子供達を引き連れ、空き地へと向かった。そして、適当な場所を見つけ巨大な孤児院を建てた。
「いきなり建て物が出た…。どうなって…。」
「俺の力だよ。凄いだろ?」
「凄すぎて理解に困る。中に入っても良い?」
「どうぞ。」
リナリアは子供達を連れて中に入った。
「うわっ!凄い!すきま風が入って来ないよ!?」
「何か…お城みたい。」
「部屋がいっぱいあるよ~!」
「おう、好きな部屋を使え。1人1部屋でも良いし、何人かで使っても良い。好きに使ってくれ。」
「「「「わ~いっ!」」」」
子供達はそれぞれ部屋に消えていった。リナリアだけが残り枢に言った。
「貴方が来なければ私達は死んでたかもしれない。感謝。」
「気にするな。餓死が一番辛い死に方だからな。見ていられなかっただけだ。これから世話人を探してくるよ。良い子で待っててな?」
「む、そこまで子供じゃない。証明する?」
「…元気に育ったらな。じゃあ、少し行ってくるわ。」
「残念。…いってらっしゃい。」
枢はリナリアに見送られ長の家に向かった。
「ふむ、北にそんな集落がの…。で、子供達は?」
「何とか息を吹き返したよ。今は孤児院に居る。誰か世話人が欲しいんだが、頼めるか?」
「任せておけ。集落に居る民から世話好きな奴等を向かわせるとしよう。」
「助かるよ。これは1年分の食料を詰めた魔法の袋だ。これで子供を頼むよ。」
長は袋を受け取り枢に言った。
「最早何があろうと驚かんわい…。不思議な奴よ…。」
「お、成長したじゃねぇか。じゃあ…俺はもう一度あの集落に行ってくるから、後を頼んだぞ。」
「うむ、気を付けての。」
「あいよっ。」
こうして、枢は先ず子供達を救い、再び集落へと向かうのであった。
「と、ととと止まれっ!お前っ、今空から来なかったか!?」
「あん?ああ、空から来たが…それがどうかしたか?」
「い、命が惜しくないのか!?空は危険なモンスターで溢れているんだぞ!?」
枢は何が危険なのかさっぱり理解出来なかった。もしかして、この星の魔族は総じてレベルが低いのかもしれないな。
「俺なら全く問題ないぞ。柔な鍛え方はしちゃいないからな。」
「ば、バケモンかよ…。で?そのバケモン様はこの集落に何の用があって来た?つか、何処から来た?」
「ふむ、此処から少し南に行った所にある小さな集落からだ。長に会いたい。通してくれるか?」
「南?あぁ、モンスターが多いが比較的弱い地域だな。集落が有ったのか。驚いた。悪事を働かないと誓うなら通してやろう。村での争い事は禁止だ。良いか?」
「ああ。」
「よし、通って良いぞ。長の家は村の中心だ。一番大きな家だから直ぐに分かるだろう。」
「すまんな、入るぜ。」
枢は門番に挨拶し、村へと入った。
「…此処も酷いな。」
村の中はお世辞にも綺麗とは呼べず、何とか暮らせる程度とだけ言えるだろう。民達も皆痩せ細っており、苦しい食料事情が窺われる。
「お兄ちゃん…何か食べるもの…持ってない?もう何日も碌に食べてないの…。」
「甘い物は好きか?」
「分からない…。食べた事無いから…。」
「くっ…!可哀想に…。ほら、これはシュークリームと言ってな、中に甘~いクリームが詰まっているお菓子だ。食べてみ?」
少女は枢の手からサッと奪い取り、勢い良くかぶりついた。
「っ!?…はぐっはぐっはぐっ…ごくんっ…。足りない…、もっと欲しい…。」
「腹減ってそうだからなぁ。ほら、これだけあれば足りるか?」
枢は箱ごと少女に手渡した。少女は地面に箱を抱える様に座り、両手にシュークリームを持ち、次々と平らげていった。10個入りの箱は瞬く間に空となり、少女は満足気な表情を浮かべお腹を擦っていた。
「初めて食べた。甘い物好きになった。ありがとう、お兄ちゃん♪」
「どう致しましてだ。お前、1人か?親はどうした?」
少女は顔を曇らせて下を向いてしまった。
「親は居ない。森で死んだ。私はそれから1人で暮らしている。空腹は水を飲んだり草を食べたりして凌いでいた。」
なんて不憫な…!
「誰も助けてくれなかったのか?」
「皆その日を暮らすので精一杯。他人に情けをかけている余裕は無い…って言ってた。」
「なら、何で俺には声を掛けたんだ?」
少女は再び此方を見ながら言った。
「お兄ちゃんは見た事無い顔だったから…。それに良い服着てるし…。裕福だと思った。それに…これは言わないでおいた方が良いかな?」
「何だよ?気になるから言ってみ?」
「良いの?じゃあ…お兄ちゃん、私みたいな女の子…好き…」
「ストーップ。それ以上はイケナイ。俺は只のイイ人。オーケー?」
「言えって言ったのに。お兄ちゃん、おかしい人。あはははっ♪」
少女が会ってから初めて笑顔を見せた。
「やっと笑ったな。やっぱり子供は元気な方が良い。」
「?子供じゃないよ?これでも成人済み。育つ為の栄養が足りてなかった。あ、子供だと思ってた?失礼。」
「不憫過ぎて何も言えねぇ…。栄養が足りてないとか…可哀想過ぎるっ!」
「そう思うのはお兄ちゃんが強いからだよ。皆お兄ちゃんみたく強くないから…。私達にはこれが日常なの…。」
私…達?
「ま、待て。もしかして…他にも居るのか!」
「孤児は少なくない。この周辺はモンスターもそこそこ強いから大人でも稀に死ぬ。」
「…案内してくれ。皆も腹空かしてんだろ?」
「…こっち。付いてきて。」
枢は少女に腕を引かれ、ボロボロの家へと連れていかれた。中に入ると少女と同じ位痩せ細った子供達が10人位、瞳から光を失った状態で座っていた。
「くっ!こんなになるまで…。」
「皆は本当に成人前の子供。皆モンスターに親を殺されている。」
「台所…錆びてて使えないな。仕方無い。物質創造【キッチン】。」
枢はボロボロのキッチンを退かしてから新品のシステムキッチンをそこに置いた。
「今パンケーキを作ってやるからな。生クリームとフルーツ、シロップをかけた甘~い食べ物だ。もう少しだけ待っててくれ。」
「ん。」
枢は超スピードでフルーツを刻み、パンケーキを人数分焼き上げる。それにトッピングを施しテーブルに並べた。
「どうせ足りないだろうから先にそれを食べながら待っててくれ。あ、飲み物はミルクで良いか?えっと…」
「【リナリア】。私が運ぶから、どんどん作って?」
「ああ、頼んだぞリナリア。」
枢はどんどんパンケーキを焼き上げていく。子供達は匂いに釣られたのか、一口口に含んだらもう止まらなくなっていた。
「美味しいっ!」
「あま~い♪ミルクも新鮮だよ~。」
「お、おかわり…。」
どうやら好評みたいだな。枢は皆がお腹一杯になるまで焼き続けた。
「「「「「ご馳走さまでした~。」」」」」
「お粗末様。腹は膨れたか?」
「うん!こんなの初めて食べたっ!温かい料理も久しぶり…だった。」
「よく頑張ったな。もう大丈夫だ。これからは俺の集落で面倒を見てやる。一緒に来るか?」
子供達は枢に群がって言った。
「毎日ご飯食べられるの?」
「ああ。」
「温かい布団もあるの?」
「勿論だとも。」
「皆優しい?」
「どうかな、俺の集落は此処と違って裕福だからな。心にゆとりがあるから優しいんじゃないかな。」
最後にリナリアが枢に質問した。
「一生面倒見てくれる?」
「自活出来る様になるまでな。孤児の為の家を作ろう。そこで共に学び生きる力を養うんだ。」
「ちぇっ。そこはうんって頷く所だよ?」
「頷いたらお前、一生付きまとう気だろ?」
「バレたか。でも…好きでし…」
「はい、ストップ。俺は正常だ。…多分な。」
「脈ありと見た。これからじっくり攻める。いつか落ちるのを待つ。」
「はいはい。じゃあ…先に俺の集落に行くか。お前達、全員手を繋げ。リナリアは俺に掴まってくれ。」
「こう?」
リナリアは枢に抱きついた。
「まぁ、いいや。全員繋がったか?」
「「「はいっ!」」」
「よし、じゃあ…手を離すなよ?【転移】!」
「「「「うわっ…………え?」」」」
子供達は目を開いて驚いていた。
「着いたぞ。此処が俺の集落だ。その内全然魔族が此処に集まる予定だ。」
「凄い綺麗な町…あ、畑…。」
「知ってるのか?さて、孤児院だったな。場所は…空いてる所で良いかな。少し歩くぞ~。」
枢は子供達を引き連れ、空き地へと向かった。そして、適当な場所を見つけ巨大な孤児院を建てた。
「いきなり建て物が出た…。どうなって…。」
「俺の力だよ。凄いだろ?」
「凄すぎて理解に困る。中に入っても良い?」
「どうぞ。」
リナリアは子供達を連れて中に入った。
「うわっ!凄い!すきま風が入って来ないよ!?」
「何か…お城みたい。」
「部屋がいっぱいあるよ~!」
「おう、好きな部屋を使え。1人1部屋でも良いし、何人かで使っても良い。好きに使ってくれ。」
「「「「わ~いっ!」」」」
子供達はそれぞれ部屋に消えていった。リナリアだけが残り枢に言った。
「貴方が来なければ私達は死んでたかもしれない。感謝。」
「気にするな。餓死が一番辛い死に方だからな。見ていられなかっただけだ。これから世話人を探してくるよ。良い子で待っててな?」
「む、そこまで子供じゃない。証明する?」
「…元気に育ったらな。じゃあ、少し行ってくるわ。」
「残念。…いってらっしゃい。」
枢はリナリアに見送られ長の家に向かった。
「ふむ、北にそんな集落がの…。で、子供達は?」
「何とか息を吹き返したよ。今は孤児院に居る。誰か世話人が欲しいんだが、頼めるか?」
「任せておけ。集落に居る民から世話好きな奴等を向かわせるとしよう。」
「助かるよ。これは1年分の食料を詰めた魔法の袋だ。これで子供を頼むよ。」
長は袋を受け取り枢に言った。
「最早何があろうと驚かんわい…。不思議な奴よ…。」
「お、成長したじゃねぇか。じゃあ…俺はもう一度あの集落に行ってくるから、後を頼んだぞ。」
「うむ、気を付けての。」
「あいよっ。」
こうして、枢は先ず子供達を救い、再び集落へと向かうのであった。
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