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第2章 死の大地
第21話 甦る大地
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最初の大地が復活した。面積は一平方キロメートルと失われた部分に対しては微々たるものだが、確かに復活出来ると言う事がわかり、アースを含む全ての民が沸き上がった。
アースは次の部分を同じように区切り、砂を抜く。そしてフランが同じように土を出し、今度は魔族が大地を固めていった。
その間、アースは出来上がった大地を耕し、畑を作っていく。柵は土の柱を伸ばしてそのまま応用した。
「ほう、全て畑にするのか」
「うん。野菜全然足りてないでしょ?」
「まぁのぅ……。しかし……勿体無いのう……」
「なぁに、これからどんどん増やしていけば良いんだよ。それとリリス」
「なんじゃ?」
アースはリリスに自分の持つ食糧保存が出来る魔道具を渡し、ついでに食糧もほとんど渡した。
「これを渡しておく。だから少しの間フランを頼める?」
「む? 何を考えておる」
アースは言った。
「ちょっとこのままじゃフランの負担が大きすぎるからさ、次の大地が出来上がるまでダンジョンに籠って修行してこようかと」
「なにっ!? ダンジョンがあるのか!?」
「まぁね。三ヶ月だけフランを頼むよ。もしかしたらもっと効率良く大地を復活させられる手段が見つかるかもしれないしね。何せほら、俺って地の竜だし」
そこにフランがやってくる。
「ふぅっ、確かに私の魔力では時間がかかりすぎます……。アースさんが強くなる事で効率が上がるならその方が良いかと……」
「無理させて悪いね。少しの間離れるけど……無茶はしないようにね?」
「ふふっ、はいっ」
アースは大地の埋め立てをフランたちに任せ、再びダンジョンへと戻った。場所はしっかりと記憶してある。空から見れば入り口はすぐに見つかった。
「……よし! 三ヶ月間最下層で狩りまくるぞっ!」
アースは早速竜の姿に戻りダンジョンアタックを開始した。
「まだまだ俺は弱い……。今はちょっと強いだけのただの竜だ。地を司る竜なら大地くらい操れるようにならないとっ!」
アースはほとんど休まずに三ヶ月間ミッチリ最下層で修行を重ねた。ストレージの中身は魔王に渡した以上の食糧が溢れ、レベルもそこそこ上がった。
「う~ん……。そろそろ頭打ちかなぁ……。このダンジョンじゃ上がらなくなってきたな……。スキルも増えないし……。仕方ない、両親に相談しにいこう」
アースは一度ダンジョンを出て生まれた山へと向かった。
「父さ~ん、母さ~ん? あれ……奥かな?」
深い眠りに就いていた両親は入り口に張ってあった侵入者感知の結界に反応を感じ起きた。
「む?」
「あら?」
アースは奥に進み、十五年ぶりに両親と再会した。両親は眠そうにしながらもアースに来た理由を尋ねる。
「どうした、アースよ」
「うん、ちょっと相談が……」
アースは両親にこれまでの経緯を話した。
「なるほど。死の大地の復活か。これまた厄介な事に首を突っ込んだな」
「何とかならないかな? 今の俺じゃエルフと協力してちょっとずつしか生活圏を増やせなくてさ」
「ふむ。アース、レベルはいくつになった?」
「レベル? えっと999かな」
「なるほど。アース、後1レベル上げるのだ。レベルが1000に達すると竜はその属性がさらに強く現れるようになる。アースは地を司る竜だからな、恐らく次で【大地の息吹き】を覚えるだろう」
後1。それが途方もなく遠い。
「その1が中々上がらなくて……。ダンジョンでももう経験値が入らないんだよ」
「ふむ。ならば……我らと訓練するか?」
「……え?」
両親からとんでもない提案が出た。
「我らのレベルは万を超えておる。多少死ぬかもしれんが経験値はアホみたいに入るぞ?」
「多少死ぬって……意味わかんないよ!?」
「ふはははは。一応手加減はしてやる。それでもダンジョンで駆け回るよりは強くなれるぞ?」
「うぅ……。わかりました! やりますよ!」
「よし! では始めようか」
それから一ヶ月、アースの死に物狂いの修行が始まった。
「どうしたアース! お前の力はその程度かぁっ!」
「レベル万超えの奴が何言ってんだぁぁぁぁぁっ!?」
「ほらほら、足元が留守よ?」
「ふごぉっ!?」
両親はまさに鬼だった。アースはズタボロになりながら必死に己を鍛え上げた。目標だったレベル1000はあっと言う間に突破し、その力は兄らにぐんぐん近づいていった。
そして期限となる一ヶ月。
「よく耐えたな、アース。今のお前ならいくら人間が束になろうと勝てぬだろうよ」
「凄いわアース! 生まれて二十年ちょっとでここまで強くなるなんて!」
「……数回死にかけたけどね……」
アースは数回天に召されかけていた。その都度母が回復させ修行に引き戻す。スパルタにも程がある。しかもその目的が両親の破壊し尽くした大地を復活させるだ。アースは途中から何故自分がと自問自答するようになっていた。
「さあ行けアースよ。お前はもう立派な地竜だ。己の信じる道を歩むのだ」
「頑張ってね、アース。あと、たまに戻って来ても良いのよ?」
「誰が戻るかぁぁぁぁっ! 滅茶苦茶してくれて! この借りは絶対に返すからなぁぁぁぁぁぁぁっ!」
アースは叫びながらデモンパレスへと飛び去るのであった。
「……やりすぎたかの?」
「いやだわ、撫でてあげただけじゃない」
「借りは返すとか言ってたな。ならまだまだ死ねんな」
「ですね。ふふっ、あの子がどう成長するか楽しみだわ」
「うむ。成長速度で言ったら歴代の竜でも一番だからの。にしても……あいつ賢すぎないか? まさか一発もらうとは思わんかったぞ」
「あら? 老いたんじゃない?」
「ぬかせ。あやつは時々知らん技を使いおる。どこで覚えたか知らぬが……あれはまだまだ強くなるぞ」
「じゃあ……負けないように私達ももっと鍛えておかなきゃね?」
「うむ。自分の子には負けられんからな!」
こうしてアースは両親との修行で恐るべき力をつけ、五ヶ月ぶりにデモンパレスへと戻るのであった。
アースは次の部分を同じように区切り、砂を抜く。そしてフランが同じように土を出し、今度は魔族が大地を固めていった。
その間、アースは出来上がった大地を耕し、畑を作っていく。柵は土の柱を伸ばしてそのまま応用した。
「ほう、全て畑にするのか」
「うん。野菜全然足りてないでしょ?」
「まぁのぅ……。しかし……勿体無いのう……」
「なぁに、これからどんどん増やしていけば良いんだよ。それとリリス」
「なんじゃ?」
アースはリリスに自分の持つ食糧保存が出来る魔道具を渡し、ついでに食糧もほとんど渡した。
「これを渡しておく。だから少しの間フランを頼める?」
「む? 何を考えておる」
アースは言った。
「ちょっとこのままじゃフランの負担が大きすぎるからさ、次の大地が出来上がるまでダンジョンに籠って修行してこようかと」
「なにっ!? ダンジョンがあるのか!?」
「まぁね。三ヶ月だけフランを頼むよ。もしかしたらもっと効率良く大地を復活させられる手段が見つかるかもしれないしね。何せほら、俺って地の竜だし」
そこにフランがやってくる。
「ふぅっ、確かに私の魔力では時間がかかりすぎます……。アースさんが強くなる事で効率が上がるならその方が良いかと……」
「無理させて悪いね。少しの間離れるけど……無茶はしないようにね?」
「ふふっ、はいっ」
アースは大地の埋め立てをフランたちに任せ、再びダンジョンへと戻った。場所はしっかりと記憶してある。空から見れば入り口はすぐに見つかった。
「……よし! 三ヶ月間最下層で狩りまくるぞっ!」
アースは早速竜の姿に戻りダンジョンアタックを開始した。
「まだまだ俺は弱い……。今はちょっと強いだけのただの竜だ。地を司る竜なら大地くらい操れるようにならないとっ!」
アースはほとんど休まずに三ヶ月間ミッチリ最下層で修行を重ねた。ストレージの中身は魔王に渡した以上の食糧が溢れ、レベルもそこそこ上がった。
「う~ん……。そろそろ頭打ちかなぁ……。このダンジョンじゃ上がらなくなってきたな……。スキルも増えないし……。仕方ない、両親に相談しにいこう」
アースは一度ダンジョンを出て生まれた山へと向かった。
「父さ~ん、母さ~ん? あれ……奥かな?」
深い眠りに就いていた両親は入り口に張ってあった侵入者感知の結界に反応を感じ起きた。
「む?」
「あら?」
アースは奥に進み、十五年ぶりに両親と再会した。両親は眠そうにしながらもアースに来た理由を尋ねる。
「どうした、アースよ」
「うん、ちょっと相談が……」
アースは両親にこれまでの経緯を話した。
「なるほど。死の大地の復活か。これまた厄介な事に首を突っ込んだな」
「何とかならないかな? 今の俺じゃエルフと協力してちょっとずつしか生活圏を増やせなくてさ」
「ふむ。アース、レベルはいくつになった?」
「レベル? えっと999かな」
「なるほど。アース、後1レベル上げるのだ。レベルが1000に達すると竜はその属性がさらに強く現れるようになる。アースは地を司る竜だからな、恐らく次で【大地の息吹き】を覚えるだろう」
後1。それが途方もなく遠い。
「その1が中々上がらなくて……。ダンジョンでももう経験値が入らないんだよ」
「ふむ。ならば……我らと訓練するか?」
「……え?」
両親からとんでもない提案が出た。
「我らのレベルは万を超えておる。多少死ぬかもしれんが経験値はアホみたいに入るぞ?」
「多少死ぬって……意味わかんないよ!?」
「ふはははは。一応手加減はしてやる。それでもダンジョンで駆け回るよりは強くなれるぞ?」
「うぅ……。わかりました! やりますよ!」
「よし! では始めようか」
それから一ヶ月、アースの死に物狂いの修行が始まった。
「どうしたアース! お前の力はその程度かぁっ!」
「レベル万超えの奴が何言ってんだぁぁぁぁぁっ!?」
「ほらほら、足元が留守よ?」
「ふごぉっ!?」
両親はまさに鬼だった。アースはズタボロになりながら必死に己を鍛え上げた。目標だったレベル1000はあっと言う間に突破し、その力は兄らにぐんぐん近づいていった。
そして期限となる一ヶ月。
「よく耐えたな、アース。今のお前ならいくら人間が束になろうと勝てぬだろうよ」
「凄いわアース! 生まれて二十年ちょっとでここまで強くなるなんて!」
「……数回死にかけたけどね……」
アースは数回天に召されかけていた。その都度母が回復させ修行に引き戻す。スパルタにも程がある。しかもその目的が両親の破壊し尽くした大地を復活させるだ。アースは途中から何故自分がと自問自答するようになっていた。
「さあ行けアースよ。お前はもう立派な地竜だ。己の信じる道を歩むのだ」
「頑張ってね、アース。あと、たまに戻って来ても良いのよ?」
「誰が戻るかぁぁぁぁっ! 滅茶苦茶してくれて! この借りは絶対に返すからなぁぁぁぁぁぁぁっ!」
アースは叫びながらデモンパレスへと飛び去るのであった。
「……やりすぎたかの?」
「いやだわ、撫でてあげただけじゃない」
「借りは返すとか言ってたな。ならまだまだ死ねんな」
「ですね。ふふっ、あの子がどう成長するか楽しみだわ」
「うむ。成長速度で言ったら歴代の竜でも一番だからの。にしても……あいつ賢すぎないか? まさか一発もらうとは思わんかったぞ」
「あら? 老いたんじゃない?」
「ぬかせ。あやつは時々知らん技を使いおる。どこで覚えたか知らぬが……あれはまだまだ強くなるぞ」
「じゃあ……負けないように私達ももっと鍛えておかなきゃね?」
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※小説家になろう様にも掲載しています。
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