58 / 63
第5章 ゴッデス大陸
第56話 ダンジョンから出て
しおりを挟む
自分ばかり働かせ宴会を開いていた兄たちを叩き潰したアースは一人地上へと戻っていた。
「まったく! 信じらんないな! 俺が八股大蛇と戦っている間に宴会とか!」
アースは兄たちにダンジョンで一から鍛え直すように告げた。その際自分に勝つことができたら許すとも。これであの三人も真面目に働くだろう。
地上へと戻ったアースは今、獣人の町と人間の町の中間地点に立っていた。その地点からはすでに各都市に向かい街道が通っている。
「さてと……、スタンピードの心配もなくなったし、本来の目的に戻るとしますかね」
本来の目的、それはこの場所を人間と獣人がお互いに差別される事なく楽しく暮らせる町を作る事だ。そして願わくばこの地の全てがそうなって欲しいとアースは考えている。獣人側からしたらここはかつて自分達が追いやられた地であり、それでも一から開墾し、生活出来るようになった地でもある。今さら自分達を追いやった人間が何をと言わん気持ちもわからないでもない。
しかしそれではお互いいつまで経っても相手を認める事はないだろう。筋から言えば獣人の味方をして当たり前だが、出来るなら全員が仲良く暮らして欲しい。
そう言う思いでアースは動いていた。中には愚かな者もいるだろう。だがそれで種全体に悪印象をもっては醜い戦が止まらなくなり、結果星は死んでしまうだろう。 それでは神から転生させてもらった意味がなくなってしまう。
ここは今一度広い視野を持ち、どうすれば世界が真の平和を得られるか、そろそろこの問題に取り組むべきなのかもしれない。
アースは人と獣人、その両方の特性を受け入れられる町作りを始めた。
まず、基本この地に住居は設置しない。全ての民がこの場に地に来て楽しむ事だけを目指す。
「作るのは飲食街、宿泊地、観光街、自然特区かな。町は円形にして四つ、いや中心地にコロシアムを作って五つにわけよう」
このコロシアムでは様々な大会を催せる他、問題が起こった際はお互いの矜持をかけて一対一で戦い白黒をつけさせると言う目的もあった。その際はコロシアムを結界で覆い、仮に致死ダメージを受けても命に別状がないように工夫をこらす。お互いに全てを吐き出しあえば遺恨はなくなるだろうと踏んでいる。
まずは飲食街。ここは人間の料理と獣人の料理を楽しめる場所にする。最初は自分らの料理しか食べないだろうが、その内相手側の料理とはどんなものか気になり、お互いに足を運ぶようになるかもしれない。それが進めばお互いの料理が融合した新しい料理もできるかもしれない。これが純粋に楽しみだ。
宿泊地は言わずもがな宿泊する場所だ。獣人と人間の町からはそれほど離れてはいないが、どうしても泊まりでゆっくりしたいという客もいるだろう。従業員探さなきゃな。
次は観光街だ。ここは観光というよりは娯楽に溢れた場所にする。まぁいわゆる夜の街だ。酒はトラブルも多いが上手く使えば本音で話し合えるようになる魔法のツールでもある。これで上手くいってくれたらありがたい。
そして最後は自然特区だ。ここには芝生を敷き花壇や噴水、足湯等を用意する。日々の仕事や喧騒から離れ、四季の景色を楽しめる場所にする。疲れや苛立ちは争いに繋がりやすい。その疲れをここでゆっくり過ごし癒してもらう事が目的だ。
「一先ずこんな所かな。後はこれをガラオンとライハに伝えて完成だ。各地からここで働けるキャストを送ってもらえないか聞いてみよう」
魔法とは本当に便利な物だ。特にアースの持つ土魔法は便利で、土をあらゆる形に変えたり、大地にある命を操作する事ができる。建物も魔法で成分を弄りコンクリートに似た壁にし、ガラスも作り出せる。わずかでも土にその成分が入っていれば魔力でその質量を増やす事ができる。事開発に至ってはアースの持つ土の力は絶大な効果を示すのである。
アースはまずガラオンの所に向かった。
「中間地点に町……ですか」
「うん、そう。人間と獣人が交流するための町を作ったんだよ。まだ家はないんだけどね。店舗や施設はもう作ってあるんだ。そこで働ける者がいないかなと」
ガラオンはアースの提案を承諾する。
「酒場と食堂、それに宿で働く者でよろしいかな?」
「うん、まずはその辺りで。後々新しい商売とか始めたい者を送ってくれても構わないよ」
「わかりました。すぐに選定し向かわせましょう」
「よろしくね~」
ガラオンから承諾を得たアースは次にライハの所へと向かう。
「あそこに町を……。なるほど、目的は交流かな?」
「そうですね。作ったばかりでまだ働き手がいないんですよ。あそこはいずれ人間と獣人が一緒に暮らせる町にする予定です。なので今はまだプレオープンのような感じですね」
「そうか。話はわかった。働きたい者がいたら送ろう。アースはその町にいるのか?」
「そうですね。しばらくは様子を見たいかなと」
「わかった。アースがいるなら問題が起きても大丈夫だな。明日から向かわせるとしよう」
何か利用されそうな気もするが人を送ってくれるなら首を縦に振るしかない。
そして数日後、やはり問題が起きた。
「だからここは俺達獣人が先に店を開いたんだって言ってるだろ!」
「先に声が掛かったのが獣人らしいじゃないか! そんな立地の良い店舗ばかり押さえやがって!」
「早い者勝ちだろうが。後から来たお前らが悪い」
「なにおうっ!」
たまらずアースが止めに入る。
「ちょっと待て。店舗は道を挟んで人間と獣人で分けたはすだ。なんで争ってんだ? 条件は同じだろ?」
「あ、アースさん! 聞いて下さいよ。獣人の奴ら……先に来て歓楽街側の店舗を押さえてたんです!」
「……それの何が悪い?」
「悪いでしょ!? 食べたら遊びに行きたくなるのが普通です! 対してこちら側は公園しかないじゃないですか!」
アースは人間にこう告げた。
「よく考えてくれ。食べてすぐ遊ぶなんて身体に悪いだろ? 食べたらゆっくり休みたくなる。昼なら芝生に寝転んだりして休みたくならないか?」
「……あ」
「ここはそれぞれが楽しく過ごすための町なんだ。中には食べてすぐ遊びに行く者もいるだろう。だがな……そんな若者だけが来るわけじゃない。日々の疲れを癒しに来る者も一定数いるはずなんだよ。特に足湯なんかは足の疲れを癒してくれるし、自然豊かな公園はゆっくり話をしたい恋人たちの憩いの場になる。俺はどこに店を構えても上手く回るように設計したつもりなんだけどな」
「……す、すみません……。目先の利益だけにとらわれていました。そうですよね、なにも客全員が遊びのために来るんじゃなかった。その辺りをもう少し考えてみます……」
「そうしてくれ」
まだオープン前だと言うにも関わらず問題ばかりのスタートだ。それほど人間と獣人の仲は悪い。アースは大きな争いにならぬよう気を配るのであった。
「まったく! 信じらんないな! 俺が八股大蛇と戦っている間に宴会とか!」
アースは兄たちにダンジョンで一から鍛え直すように告げた。その際自分に勝つことができたら許すとも。これであの三人も真面目に働くだろう。
地上へと戻ったアースは今、獣人の町と人間の町の中間地点に立っていた。その地点からはすでに各都市に向かい街道が通っている。
「さてと……、スタンピードの心配もなくなったし、本来の目的に戻るとしますかね」
本来の目的、それはこの場所を人間と獣人がお互いに差別される事なく楽しく暮らせる町を作る事だ。そして願わくばこの地の全てがそうなって欲しいとアースは考えている。獣人側からしたらここはかつて自分達が追いやられた地であり、それでも一から開墾し、生活出来るようになった地でもある。今さら自分達を追いやった人間が何をと言わん気持ちもわからないでもない。
しかしそれではお互いいつまで経っても相手を認める事はないだろう。筋から言えば獣人の味方をして当たり前だが、出来るなら全員が仲良く暮らして欲しい。
そう言う思いでアースは動いていた。中には愚かな者もいるだろう。だがそれで種全体に悪印象をもっては醜い戦が止まらなくなり、結果星は死んでしまうだろう。 それでは神から転生させてもらった意味がなくなってしまう。
ここは今一度広い視野を持ち、どうすれば世界が真の平和を得られるか、そろそろこの問題に取り組むべきなのかもしれない。
アースは人と獣人、その両方の特性を受け入れられる町作りを始めた。
まず、基本この地に住居は設置しない。全ての民がこの場に地に来て楽しむ事だけを目指す。
「作るのは飲食街、宿泊地、観光街、自然特区かな。町は円形にして四つ、いや中心地にコロシアムを作って五つにわけよう」
このコロシアムでは様々な大会を催せる他、問題が起こった際はお互いの矜持をかけて一対一で戦い白黒をつけさせると言う目的もあった。その際はコロシアムを結界で覆い、仮に致死ダメージを受けても命に別状がないように工夫をこらす。お互いに全てを吐き出しあえば遺恨はなくなるだろうと踏んでいる。
まずは飲食街。ここは人間の料理と獣人の料理を楽しめる場所にする。最初は自分らの料理しか食べないだろうが、その内相手側の料理とはどんなものか気になり、お互いに足を運ぶようになるかもしれない。それが進めばお互いの料理が融合した新しい料理もできるかもしれない。これが純粋に楽しみだ。
宿泊地は言わずもがな宿泊する場所だ。獣人と人間の町からはそれほど離れてはいないが、どうしても泊まりでゆっくりしたいという客もいるだろう。従業員探さなきゃな。
次は観光街だ。ここは観光というよりは娯楽に溢れた場所にする。まぁいわゆる夜の街だ。酒はトラブルも多いが上手く使えば本音で話し合えるようになる魔法のツールでもある。これで上手くいってくれたらありがたい。
そして最後は自然特区だ。ここには芝生を敷き花壇や噴水、足湯等を用意する。日々の仕事や喧騒から離れ、四季の景色を楽しめる場所にする。疲れや苛立ちは争いに繋がりやすい。その疲れをここでゆっくり過ごし癒してもらう事が目的だ。
「一先ずこんな所かな。後はこれをガラオンとライハに伝えて完成だ。各地からここで働けるキャストを送ってもらえないか聞いてみよう」
魔法とは本当に便利な物だ。特にアースの持つ土魔法は便利で、土をあらゆる形に変えたり、大地にある命を操作する事ができる。建物も魔法で成分を弄りコンクリートに似た壁にし、ガラスも作り出せる。わずかでも土にその成分が入っていれば魔力でその質量を増やす事ができる。事開発に至ってはアースの持つ土の力は絶大な効果を示すのである。
アースはまずガラオンの所に向かった。
「中間地点に町……ですか」
「うん、そう。人間と獣人が交流するための町を作ったんだよ。まだ家はないんだけどね。店舗や施設はもう作ってあるんだ。そこで働ける者がいないかなと」
ガラオンはアースの提案を承諾する。
「酒場と食堂、それに宿で働く者でよろしいかな?」
「うん、まずはその辺りで。後々新しい商売とか始めたい者を送ってくれても構わないよ」
「わかりました。すぐに選定し向かわせましょう」
「よろしくね~」
ガラオンから承諾を得たアースは次にライハの所へと向かう。
「あそこに町を……。なるほど、目的は交流かな?」
「そうですね。作ったばかりでまだ働き手がいないんですよ。あそこはいずれ人間と獣人が一緒に暮らせる町にする予定です。なので今はまだプレオープンのような感じですね」
「そうか。話はわかった。働きたい者がいたら送ろう。アースはその町にいるのか?」
「そうですね。しばらくは様子を見たいかなと」
「わかった。アースがいるなら問題が起きても大丈夫だな。明日から向かわせるとしよう」
何か利用されそうな気もするが人を送ってくれるなら首を縦に振るしかない。
そして数日後、やはり問題が起きた。
「だからここは俺達獣人が先に店を開いたんだって言ってるだろ!」
「先に声が掛かったのが獣人らしいじゃないか! そんな立地の良い店舗ばかり押さえやがって!」
「早い者勝ちだろうが。後から来たお前らが悪い」
「なにおうっ!」
たまらずアースが止めに入る。
「ちょっと待て。店舗は道を挟んで人間と獣人で分けたはすだ。なんで争ってんだ? 条件は同じだろ?」
「あ、アースさん! 聞いて下さいよ。獣人の奴ら……先に来て歓楽街側の店舗を押さえてたんです!」
「……それの何が悪い?」
「悪いでしょ!? 食べたら遊びに行きたくなるのが普通です! 対してこちら側は公園しかないじゃないですか!」
アースは人間にこう告げた。
「よく考えてくれ。食べてすぐ遊ぶなんて身体に悪いだろ? 食べたらゆっくり休みたくなる。昼なら芝生に寝転んだりして休みたくならないか?」
「……あ」
「ここはそれぞれが楽しく過ごすための町なんだ。中には食べてすぐ遊びに行く者もいるだろう。だがな……そんな若者だけが来るわけじゃない。日々の疲れを癒しに来る者も一定数いるはずなんだよ。特に足湯なんかは足の疲れを癒してくれるし、自然豊かな公園はゆっくり話をしたい恋人たちの憩いの場になる。俺はどこに店を構えても上手く回るように設計したつもりなんだけどな」
「……す、すみません……。目先の利益だけにとらわれていました。そうですよね、なにも客全員が遊びのために来るんじゃなかった。その辺りをもう少し考えてみます……」
「そうしてくれ」
まだオープン前だと言うにも関わらず問題ばかりのスタートだ。それほど人間と獣人の仲は悪い。アースは大きな争いにならぬよう気を配るのであった。
2
あなたにおすすめの小説
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる