職業『精霊使い』に覚醒したら人類圏から追放されました(完結)

夜夢

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第3章 打倒、聖フランチェスカ教国編

04 闇金業者と父親

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 取り巻きが去るとカウンターの中にいた女性が喜びを露にし、カウンターから飛び出しアーレスに抱きついてきた。

「凄いっ! あいつらを追い返しちゃうなんて!」
「凄い? 別に大して強くもなかったし余裕だろ」
「そんな事ないよ! さっきの人ね、実はこの王都の裏組織全部をまとめてる怖い人なの!」
「……は?」

 女性はアーレスに抱きつきながら白いスーツの男について話し出した。

「あいつは【サウス・シルヴァ】って言って貸金業だけじゃなく、悪い事ならなんでも請け負う闇ギルド【シルヴァ商会】の頭目なの!」
「は? 頭目自ら取り立てに出てんのか?」
「うん。なんでも取り立てが生き甲斐らしいよ」

 どうやらとんでもない悪人を床にめり込ませてしまったようだと、アーレスは頭を抱えた。そもそも長居する気はなかったため、自分の行動でさらに事態が悪化した状態を見過ごす事ができない。

「アーレスちゃん? そろそろ町出よっか」
「母さん……それはさすがに鬼畜過ぎじゃ……」
「うぅぅ、今あなたに見捨てられたら……ぐすっ」

 女性は涙目で行かないでと訴えてきた。

「わ、わかってる。見捨てたりしないから一旦離れてくれ!」
「わっ」

 アーレスは女性の肩を押し身体を引き離した。

「あいつは俺の胸ぐらを掴んだ。これは許されざる愚行。誰の胸ぐらを掴んだか思い知らせてやらなければな。店主、あんた名前は?」
「あ、私は【ランカ】って言います! 歳は十──」
「歳はいらん。それから……空き部屋はあるか?」
「ア、アーレスちゃん?」

 ヘラはアーレスの行動に驚いていた。そもそもアーレスは人間を嫌っているはずであり、ましてや人間を助ける事などしないはずだ。

「部屋ならあります! 行方をくらました父の部屋ですが……」
「そこで良い。奴らが身の程を知るまで世話になる。食事を対価に奴らからここを守る。どうだ?」
「あ、はいっ! よろしくお願いしますっ!」

 そうしてアーレスの用心棒生活が始まった。

「く、くそがっ! 覚えてやがれよっ!」
「おお、次はもっと金目のモン持ってきな」
「はぁぁ、毎日毎日よくもまぁ懲りもせず……」

 サウス・シルヴァを床にめり込ませた翌日から一週間。毎日毎日飽きもせず荒くれ者がやってきてはアーレスに襲い掛かってくる。アーレスは倒した荒くれから所持金や金目の物を奪い、それを店の再建に回した。

「はわぁ~……! 私のお店だいぶ綺麗になりました!」
「ランカちゃ~ん、ちょっとこれ味見してもらえるかしら?」
「あ、は~い! ヘラさんの料理めちゃくちゃ美味しいから楽しみですっ! 今日は何ですか~?」
「ふふっ、今日はカレーです」
「あ! 良い匂いの元はそれでしたか!」

 ヘラは元々そんなに料理のレパートリーがない。そこで吸精と引き替えにヘルが異世界の料理に関するレシピを引っ張ってきていた。そのレシピをアーレスが受け取り、ヘラに再現させている。用心棒生活でヘラにはやる事がなかったため、料理を薦めてみた。

 ランカが皿に盛られたカレーを頬張る。

「う──うんまぁぁぁぁぁぁぁいっ! 昨日のラーメンってのも美味しかったし、一昨日のお好み焼きも! ヘラさんって本当に凄いですっ!」
「そ、そうかしら? ふふっ、ありがとうね」
「はいっ! あ、おかわり下さいっ!」
「はいはい」

 こうしてヘラにも役割を与えてみたが、意外にも本人が気に入り、料理の楽しさに目覚めたようだ。

 アーレスはヘラの作ったカレーを口にしながら呟いた。

「今日で一週間か。これまで何人倒したか……」
「百人から先は覚えてませんね~」
「やれやれ。とことん暇な奴らだな。いったい何人いるのやら」

 それからさらに一週間、連日襲撃は続いたがアーレスが負ける事などあり得るはずもなく、奪った装備やら懸かっていた懸賞金やらで懐がかなり潤っていた。

 しかし問題は未だ解決に至らない。

「はぁぁ、こんなに美味しい料理があるのに全然お客さんが来ないなんて……」
「仕方ないだろ。ここは今町で一番危ない場所なんだし」
「ぶぅ~。そんなのアーレスさんがいたら全部解決できてるじゃないですか」
「まぁな。だが自分から進んで危ない目にあいにくる奴はいないだろ」
「そうですけど~」

 そんな時だった。綺麗に直った店の扉が開き男が入ってきた。

「ランカ!」
「え? あぁっ! お、お父さん!?」
「なに?」

 店に入ってきたのは行方をくらませていたランカの父らしい。

「い、今さら何しに来たのよっ! こっちはお父さんのせいで大変な目にあってたんだからね!!」
「す、すまんっ! 俺があんな奴らに金を借りたせいで……! そ、それより母さんはどこだ? 姿が見えないが……」

 そう言われると母親の姿など一度も見た事がない。

「母さんは危ないから実家に帰らせてるわ」
「そ、そうか。実家か……。じ、じゃあまた来──」
「待て」
「うっ──」

 アーレスは入り口に向かう男を制止する。

「な、なにかな?」
「貴様、ランカの母親をどうする気だ」
「うぐっ! な、なんの事か……」

 男の目が泳ぎ始めた。額からは冷や汗がダラダラと垂れている。

「お前、奴らに見つかったな?」
「な、何を言って──」
「大方母親の身柄を引き渡し借金を帳消しに。それが叶わなかった場合はランカを売ろうとしてたんじゃないか?」
「そ、そそそそそんな事はっ!」

 アーレスは男の首を見る。

「隷属の首輪。奴らに嵌められたんじゃないのか?」
「そ、それは……っ!」

 男は首を隠すように手で覆った。するとランカが鬼のような表情に変わり、包丁を手にした。

「さ、最低……! 借金作って迷惑かけたばかりか……私とお母さんは売ろうだなんて!!」
「ま、待てランカ! 話せばわかるっ! 借金を返すためにはギャンブルに使う元金が必要で──」
「ふ……ふざけんなぁぁぁぁぁぁっ!」
「ひぃぃぃぃっ!?」

 ランカの投げた包丁が男の頬を掠め柱に突き刺さった。

「あんたなんかもう父親でもなんでもないっ!! もう顔も見たくないわっ!! 二度とこの店に近付くなぁぁぁぁぁっ!!」
「ひ、ひぃやぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 男は慌てて店を飛び出し地面に転がった。

「ん? あいつは……」
「久しぶりやのう、あんちゃん。ようやく首が治ったわ」
「あ、サ、サウスさん……!」

 男の背後に闇ギルドの頭目であるサウス・シルヴァが立っていた。

「おう、ワレェ……。女はどこや」
「そ、それが今ここにはいないようで……ぐぉっ!?」

 サウスは四つん這いになっていた男の腹を蹴りあげた。

「おうっ! 舐めたらあかんどっ! ワレが今すぐ金んなる女差し出すゆうからワシが出張ってきたんやないかい! それが何や、おらんやと!? 舐めとんのかオォッ!?」
「す、すいませんすいませんっ!! い、居場所は聞き出しましたので!」
「さ、最低ね……」

 するとサウスはアーレスを見て嗤った。

「あんちゃん、ワシの部下が毎日勝手に来て悪かったのう」
「はぁ」
「ここにはもう近付けさせんよって……これまでの事はお互い水に流そうやないか」
「何言ってんだあんた」
「っ! あがっ!?」

 サウスは男の首を掴み持ち上げた。

「借金はこいつとその連れから搾り取るさかい、もうワシらに関わるなゆうとるんじゃ。ワレェ……大層ヤるようじゃがの……まだ死にとうないやろ」
「はぁ。なああんた」
「なんや」
「借金ならそいつからだけ搾り取れよ。ランカの母親は関係ないだろ」
「ほう? ワレェ……またワシに意見するんかい。舐めとったらあかんどゴラッ!」

 いい加減旅を再開したいアーレスはいよいよもって痺れを切らした。

「舐めてるのはお前だ」
「なっ!?」

 アーレスは深淵魔法で影から人の形をした何かを生み出して見せた。

「な、なんじゃこれはっ!」
「深淵魔法【シャドウドール】だ。こいつは使い勝手が良くてな。こんな事もできる」
「うぐっ!?」

 サウスの影からシャドウドールが現れ、首筋に鋭い爪を添える。

「ワ、ワレェ……ッ!」
「大人しくそいつだけで退け。もしランカやその親類に手を出すようなら今度はこちらから攻める。お前らが何人いようと一瞬で壊滅させてやるぞ?」
「ぐっ、く、くそがっ!! わかったからこの気色悪いのどうにかせぇっ!」
「わかってくれてありがたい」

 アーレスはシャドウドールを消した。

「じゃあ復唱だ。借金は?」
「……このボケから全て回収したる」
「ランカとその親類には?」
「こ、こっちからは近付かん。ワシの命に賭けて誓う」
「それで良い。わかったらその男を持って消えろ」
「……ああ。おうっ、ワレは強制労働場送りじゃ! 死ぬまでこき使ったるわっ!!」
「そ、そんなぁぁぁぁっ!?」

 こうしてサウスはランカの父親をカタに嵌め、借金の件が解決となった。そしてそれから数日後。

「し、少々お待ちくださぁ~いっ!」
「こっちのカレーまだ!?」
「私の頼んだオムライスは~?」
「お、お母さぁぁぁぁん」
「はいはい只今お持ちします~!」

 借金の件が片付いた事でランカは母親を呼び戻した。そして用心棒中に食べた料理を再現し宣伝したところ、店は連日超満員で賑わっていた。

「これでもう問題はないだろ。ヘラ、俺達はもう行こうか」
「そうですね。もう大丈夫そうですし」
「アーレスさんっ!」
「ん?」

 店を去ろうとした時、ランカの母親がアーレスを呼び止めた。 

「なにか?」
「あ、あのっ! また来て下さいね!」
「はあ?」
「その……私……アーレスさんの赤ちゃんできたみたいで……」
「「はぁっ!?」」

 ランカとヘラが驚きアーレスを見る。

「な、何を……」
「アーレスさんっ!? お母さんともしてたんですかっ!?」
「え? アーレスちゃん……まさかランカちゃんとも?」

 アーレスはフッと視線を外した。

「いや……その……誘われたら断れなくて……つい」
「何でお母さんだけ……! 私も赤ちゃん欲しいのにぃっ!」
「お、お前は店を切り盛りしなきゃならんだろ! けど母親は……な」
「ぽっ」

 ランカの母親はあの父親にはもったいないくらいの美女だった。結局父親の件から一ヶ月世話になり、ランカにヘラが調理指導している隙に、アーレスは母親と蜜月を交わしていたのである。

「アーレスさんが残してくれた証……大事に育てますね! いつかこの子に会いに来て下さいねっ!」
「アーレスさぁぁぁん?」
「い、行くぞヘラ! じ、じゃあな二人ともっ!」
「あっ! 待てこらぁっ! 私にも赤ちゃん置いていきなさいよぉぉぉぉっ!」

 アーレスは慌てて店から逃げ出したのだった。  
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