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第5章 グラディオン大陸編
21 改革派
俺はまず救出した婦人達の案内で改革派のアジトのある町へと向かった。てっきり王都にあるものだと思っていたが違った。改革派のアジトはシュトラーゼ王国王都から東に行った先、東側の国が見える川沿近くにある町にあった。
「無事だったかっ! 迎えに行けなくてすまなかった!」
アジトに入り迎えてくれたのは公爵だった。
「……無事ではありませんでした。私も娘も守旧派の連中に汚されてしまいましたわ……。うっうっうっ……」
「な、なんだとっ!! お、おのれクソ外道がぁぁぁぁぁぁぁっ!! もはや許してはおけんっ!!」
「ごめんなさいあなたっ……。私達は汚れました。もうあなたの妻ではいられません。私は正妻の座を降り、娘とこちらのジェイド様にお世話になろうと思います……」
公爵がチラリとこちらを見た。
「すまない。もう少し早く現場に着いていたら守れたのだが……」
「いや、君のせいではない。悪いのは汚い手段を平気で使う守旧派の連中だ。私も立場があるのでな……。暴漢に襲われた妻や娘を受けておくわけにはいかんのだ。もし迷惑でなければ二人を頼みたいのだが。無論謝礼は出す。二人をもらってくれるか?」
「ああ。引き受けよう」
「すまないな……」
移動中に打ち合わせした通りになった。婦人と娘はもう俺の虜だ。二人とも俺なしじゃ生きていけなくなってしまっている。貴族ってのは見栄が大事だからな。だから守旧派も女を捕まえて言う事を聞かせようとしたのだろう。
「ところで……改革派のメンバーはこれで全員か? やけに少ないようだが……」
「う……む……」
アジトには数人の男しかいなかった。
「……やられたのだ。半々だったはずがな、他の改革派の妻らも移動中に人質となった。その者らは守旧派になってしまったのだ……」
「そうか。ずいぶん汚い手を使う奴らのようだな。人質の王だけじゃ足りなかったとでも?」
「兄は毎日地下牢で拷問されているらしい。何が守旧派だ! 奴らは自分が儲からないからと玩具の販売権を国が管理するべきだと言いおった! 民の暮らしが豊かになった方が国にとっては良い事だと言うにも関わらず……! 奴らは心底腐りきっておるっ! 殺れるものなら今すぐ殺りたいわっ!!」
なるほどなるほど。消しても問題はないと。
「公爵様、ジェイド様が手を貸して下さるそうですわ」
「ん?」
「ジェイド様は姿を消せる力をお持ちで、守旧派の雇った破落戸数人を一瞬で倒せる力もあります。私達は間に合いませんでしたが、これ以上被害を増やさないためにも頼ってはいかがでしょうか?」
「しかし……。国内のゴタゴタに誰とも知らぬ者は巻き込めん」
「ジェイド様はあのイージス大陸の覇者、邪神国国王様なのです」
「なっ!?」
公爵は慌てた様子でこちらに向き直り頭を下げてきた。
「これは御無礼をっ! 一国の王たるあなた様に私はなんという愚かな口を……!」
「いや、構わないよ。今俺は玉座に座ってないからな。今はただのジェイドだ。無礼とか気にしなくて良い」
「な、なんと器の大きな御方なのだ……! あのエンバッハ帝国のあった地を治めるだけはありますな。申し訳ないが……力を貸してもらえるだろうか。このままでは国民は守旧派の食い物にされてしまう!」
「ああ、任せておけ。俺に今ある情報を全てくれ。まずは王の一族を全て救出し、それから守旧派とやらを根絶やしにしてやろう」
「はっ! 皆集まれっ! 今ある情報を全てジェイド様に伝えるのだ!」
「「「「はっ!!」」」」
それから俺は改革派から守旧派メンバーの情報を集めた。守旧派の治める土地、屋敷のある場所、家族構成。そして王の一族の情報をまとめていく。
「この寝返った奴らはどうする?」
「もし改革派に戻りたいと願ったら助けたいと思いますが……」
「オーケー。んじゃ最初から守旧派の奴らは?」
「一族郎党皆殺しでお願いします!」
公爵は大分頭にきていたようだ。感情で皆殺しと言いきった。嫌いじゃないな、こういう奴は。
「皆殺しね、わかった。じゃあまず先に王達を救出してくるよ。連れてくる場所はここで良いか?」
「はい! 私達では力及ばず王都にも入れません。何卒宜しくお願いいたします!」
「ああ」
俺はその場で姿を消し、空を飛んで王都に入った。
「町の中は兵士たらけだな。せっかく娯楽を作ってやったと言うのに。まったく、これじゃ俺が悪いみたいじゃねーか。とりあえず……俺をコケにした奴らは皆殺しだな。ついでに財産も没収だ。さ、仕事するぞー」
時刻は深夜。城内は静まり返っている。城内を制圧しているからだろうか、巡回の兵士もいなかった。
「怪しいな。何してんだ兵士どもは……」
その時だった。兵士二人がズボンのベルトを締めながら酔った状態で歩いてきた。
「いやぁ~王女の身体は最高だったなぁ~」
「ああ。あの生意気な感じがそそるんだよなぁ~」
「明日は王妃にすっか。あのグラマラスなわがままボディも捨てがたいんだよなぁ~」
どうやら王は地下で拷問。王妃と王女は守旧派の玩具になっているらしい。とりあえず、俺は姿を消したまま二人の背後に近づく。
「じゃあな。【転送:オーククイーンの巣】」
「「……は?」」
そんなにグラマラスなボディとやりたいのか。ならと、俺は二人を丁度良い相手が待つ場所へと送ってやった。今頃楽しんでいる事だろう。
「さて、捕まってる部屋は……最上階の角部屋か。やたら人が集まってんな。どれ、助けてやりますかね」
俺はゆっくりと階段を上るのであった。
「無事だったかっ! 迎えに行けなくてすまなかった!」
アジトに入り迎えてくれたのは公爵だった。
「……無事ではありませんでした。私も娘も守旧派の連中に汚されてしまいましたわ……。うっうっうっ……」
「な、なんだとっ!! お、おのれクソ外道がぁぁぁぁぁぁぁっ!! もはや許してはおけんっ!!」
「ごめんなさいあなたっ……。私達は汚れました。もうあなたの妻ではいられません。私は正妻の座を降り、娘とこちらのジェイド様にお世話になろうと思います……」
公爵がチラリとこちらを見た。
「すまない。もう少し早く現場に着いていたら守れたのだが……」
「いや、君のせいではない。悪いのは汚い手段を平気で使う守旧派の連中だ。私も立場があるのでな……。暴漢に襲われた妻や娘を受けておくわけにはいかんのだ。もし迷惑でなければ二人を頼みたいのだが。無論謝礼は出す。二人をもらってくれるか?」
「ああ。引き受けよう」
「すまないな……」
移動中に打ち合わせした通りになった。婦人と娘はもう俺の虜だ。二人とも俺なしじゃ生きていけなくなってしまっている。貴族ってのは見栄が大事だからな。だから守旧派も女を捕まえて言う事を聞かせようとしたのだろう。
「ところで……改革派のメンバーはこれで全員か? やけに少ないようだが……」
「う……む……」
アジトには数人の男しかいなかった。
「……やられたのだ。半々だったはずがな、他の改革派の妻らも移動中に人質となった。その者らは守旧派になってしまったのだ……」
「そうか。ずいぶん汚い手を使う奴らのようだな。人質の王だけじゃ足りなかったとでも?」
「兄は毎日地下牢で拷問されているらしい。何が守旧派だ! 奴らは自分が儲からないからと玩具の販売権を国が管理するべきだと言いおった! 民の暮らしが豊かになった方が国にとっては良い事だと言うにも関わらず……! 奴らは心底腐りきっておるっ! 殺れるものなら今すぐ殺りたいわっ!!」
なるほどなるほど。消しても問題はないと。
「公爵様、ジェイド様が手を貸して下さるそうですわ」
「ん?」
「ジェイド様は姿を消せる力をお持ちで、守旧派の雇った破落戸数人を一瞬で倒せる力もあります。私達は間に合いませんでしたが、これ以上被害を増やさないためにも頼ってはいかがでしょうか?」
「しかし……。国内のゴタゴタに誰とも知らぬ者は巻き込めん」
「ジェイド様はあのイージス大陸の覇者、邪神国国王様なのです」
「なっ!?」
公爵は慌てた様子でこちらに向き直り頭を下げてきた。
「これは御無礼をっ! 一国の王たるあなた様に私はなんという愚かな口を……!」
「いや、構わないよ。今俺は玉座に座ってないからな。今はただのジェイドだ。無礼とか気にしなくて良い」
「な、なんと器の大きな御方なのだ……! あのエンバッハ帝国のあった地を治めるだけはありますな。申し訳ないが……力を貸してもらえるだろうか。このままでは国民は守旧派の食い物にされてしまう!」
「ああ、任せておけ。俺に今ある情報を全てくれ。まずは王の一族を全て救出し、それから守旧派とやらを根絶やしにしてやろう」
「はっ! 皆集まれっ! 今ある情報を全てジェイド様に伝えるのだ!」
「「「「はっ!!」」」」
それから俺は改革派から守旧派メンバーの情報を集めた。守旧派の治める土地、屋敷のある場所、家族構成。そして王の一族の情報をまとめていく。
「この寝返った奴らはどうする?」
「もし改革派に戻りたいと願ったら助けたいと思いますが……」
「オーケー。んじゃ最初から守旧派の奴らは?」
「一族郎党皆殺しでお願いします!」
公爵は大分頭にきていたようだ。感情で皆殺しと言いきった。嫌いじゃないな、こういう奴は。
「皆殺しね、わかった。じゃあまず先に王達を救出してくるよ。連れてくる場所はここで良いか?」
「はい! 私達では力及ばず王都にも入れません。何卒宜しくお願いいたします!」
「ああ」
俺はその場で姿を消し、空を飛んで王都に入った。
「町の中は兵士たらけだな。せっかく娯楽を作ってやったと言うのに。まったく、これじゃ俺が悪いみたいじゃねーか。とりあえず……俺をコケにした奴らは皆殺しだな。ついでに財産も没収だ。さ、仕事するぞー」
時刻は深夜。城内は静まり返っている。城内を制圧しているからだろうか、巡回の兵士もいなかった。
「怪しいな。何してんだ兵士どもは……」
その時だった。兵士二人がズボンのベルトを締めながら酔った状態で歩いてきた。
「いやぁ~王女の身体は最高だったなぁ~」
「ああ。あの生意気な感じがそそるんだよなぁ~」
「明日は王妃にすっか。あのグラマラスなわがままボディも捨てがたいんだよなぁ~」
どうやら王は地下で拷問。王妃と王女は守旧派の玩具になっているらしい。とりあえず、俺は姿を消したまま二人の背後に近づく。
「じゃあな。【転送:オーククイーンの巣】」
「「……は?」」
そんなにグラマラスなボディとやりたいのか。ならと、俺は二人を丁度良い相手が待つ場所へと送ってやった。今頃楽しんでいる事だろう。
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