115 / 227
第5章 グラディオン大陸編
26 平和
町を眺めながら俺は思い付いた。大切な一番盛り上がるだろうゲームの存在を。そのゲームは遊ぶために二人~四人。これを忘れたら賭博師とは呼べないゲーム。そう、麻雀だ。
ノートメア王国だけにゲームを贈るのもなと思った俺は早速シュトラーゼ王国の商人を探しだし麻雀を売り込んでみた。
「……悪いな、その牌……当たりだ」
「な、何ですとっ!?」
俺の前にあった牌がパタパタと倒れ衆目にさらされる。
「国士無双、十三面待ち。俺の勝ちだな」
「「「なにぃぃぃぃっ!? また役満っ!?」」」
集まったメンバーがガタッと席を立ち倒れた牌を確認する。
「くぅぅぅぅっ! 強いっ! また負けかっ! いや、しかし面白いなこのゲーム!」
「ああ。自分の手を作りつつ相手の待ちを読まなければならない奥深さ……」
「そして牌が揃った時の爽快感!」
「これは間違いなく売れる……! こんなゲームを作り出すなんて……あんた天才か!?」
卓上でジャラジャラと牌が舞う。
「まさか。俺は将棋や囲碁に負けない遊びをと思ったまで。で、どうします? 買います?」
「「「是非ともウチで扱いたいっ!」」」
「ありがとうございます。素材に拘らなければ安価で出せますし、逆に高級にする方法もありますからね。取り敢えずリーズナブルな物を一人につき千セットお渡ししましょう」
俺は【創造】で創り出した一般的な物を三人の商人に千セットずつ渡した。
「ち、ちなみにこれはいくらなのだ?」
「そうですね。安価な物は千ゴールドくらいですかね。後はこの消音マットがあればテーブルさえあればどこでも遊べます。マットとセットで千五百ゴールド。どうでしょう?」
「「「や、安いっ! 買うぞっ! マットも込みで全部買うっ!」」」
「契約成立ですね」
物は【創造】で創り出すだけ。それだけでボロ儲けだ。こんなチョロい稼ぎ方があって良いのか。笑いが止まらんな。
商人達は即金でマット込み千セットを購入し翌日市場に流した。売値は二千ゴールド。庶民でも普通に手が届く価格帯だ。
そして王都に麻雀ブームが巻き起こった。
「チー!」
「いただきっ! それロンだ!」
「なぁっ!? チキショー!」
「「「はははははっ!」」」
民は町の至る所で様々なゲームに興じていた。この世界ではこういった娯楽らしい娯楽がなかった。玩具を手に入れた人々は争う事も忘れ競う事に熱を入れていった。この麻雀はシュトラーゼ王国が発祥の地となり、世界に出回る事になる。
後でシーメルの代表にこう言われた。
「これ仕掛けたんジェイドはんやろっ!? なんでワイらに売ってくれんかったんやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
それほどまでに俺の流した様々なゲームは世界中で大ヒットした。ノートメアもシュトラーゼも玩具を量産するために沢山の新規雇用が生まれた。
こうしてただ品を仕入れるだけの二つの国は世界に類をみない程の大国へとのしあがっていった。シュトラーゼの王は俺が仕掛人だと気付き、また頭を下げてきた。
「さすがジェイド殿だ! まさか我が国がこれほど笑顔の絶えない国になるとは……!」
「同盟国だからな。気にしなくても良いぞ?」
「……ありがとう。もうジェイド殿には足を向けて寝られんな。感謝してもしきれんわい」
「ははは、いえいえ。ところで……跡継ぎはどうなりましたか?」
王は笑顔でこう言った。
「ははははっ、そちらも問題なしだ。まだどちらかはわからんが取り敢えず仕込むものは仕込んだからの」
「それはなによりです。これからも末永くお付き合いしていきましょう」
「それはこちらの言葉だ。こうして平和になったのもジェイド殿のお陰……。改めて礼を」
王は深々と頭を下げた。そんな王に俺は問い掛ける。
「王よ、他の大陸について何か知っている事はありますかな?」
「他?」
「はい。俺は今イージス大陸、シーガロン大陸、そしてこのグラディオン大陸を平和に導きました。ですが世界にはまだ問題を抱えている国もあるでしょう。そんな大陸がないか気になってましてね」
「ふぅむ……」
俺はまだ世界の三割しか知らなかった。この世界に十ある大陸の内ようやく三つを手にしたのである。
「西にある大陸、【ドラグナー大陸】は人が住める環境にはないからのう……」
「ドラグナー大陸?」
「うむ。大地は地面から沸く毒で腐り、山は毒性のガスを絶え間なく噴出するそうだ。腐った卵のような匂いがするらしい」
「腐った卵の匂い?」
それは火山があると言う事か。
「そこには人は住んでおらぬから……向かうなら東だな。なんでもそこには亜人が迫害されておる大陸らしい」
「亜人が……ですか」
「うむ。東にある【ナルニーア大陸】。陸地面積はここグラディオン大陸の東側くらいだな。国は二つ。人間の国【バロン帝国】に亜人の国【ブライト王国】。国力はバロン帝国が圧倒しており、ブライト王国は日々苦しめられておるそうだ」
亜人の国か。邪神教徒には亜人も多い。どうやらこの世界では亜人の扱いはあまり良くないらしい。イージス大陸では差別を禁じ、今でこそ亜人も普通に暮らしてはいるが、以前は貧しい暮らしを強いられていた。
「それは許せんな。王よ、俺はそこに向かおうと思う。行く手段はあるかな?」
「うむ。港からナルニーア大陸行きの船が出ておる。行き先はバロン帝国の港町【マーロウ】だ。そこから南下すると亜人国に入る為の国境がある。だが……亜人は人間を嫌っていて国境は現在閉鎖されておるのだ。行っても入れないと思うぞ?」
「なるほど。そこはまぁ何とかしてみる。この情報、ありがたくいただくよ」
「なに、これくらいはな。ではジェイド殿。また会おうぞ」
「ええ、ではお元気で」
こうしてグラディオン大陸を平和にし、ある程度働いた俺は次なる大陸、ナルニーア大陸へと向かうのであった。
ノートメア王国だけにゲームを贈るのもなと思った俺は早速シュトラーゼ王国の商人を探しだし麻雀を売り込んでみた。
「……悪いな、その牌……当たりだ」
「な、何ですとっ!?」
俺の前にあった牌がパタパタと倒れ衆目にさらされる。
「国士無双、十三面待ち。俺の勝ちだな」
「「「なにぃぃぃぃっ!? また役満っ!?」」」
集まったメンバーがガタッと席を立ち倒れた牌を確認する。
「くぅぅぅぅっ! 強いっ! また負けかっ! いや、しかし面白いなこのゲーム!」
「ああ。自分の手を作りつつ相手の待ちを読まなければならない奥深さ……」
「そして牌が揃った時の爽快感!」
「これは間違いなく売れる……! こんなゲームを作り出すなんて……あんた天才か!?」
卓上でジャラジャラと牌が舞う。
「まさか。俺は将棋や囲碁に負けない遊びをと思ったまで。で、どうします? 買います?」
「「「是非ともウチで扱いたいっ!」」」
「ありがとうございます。素材に拘らなければ安価で出せますし、逆に高級にする方法もありますからね。取り敢えずリーズナブルな物を一人につき千セットお渡ししましょう」
俺は【創造】で創り出した一般的な物を三人の商人に千セットずつ渡した。
「ち、ちなみにこれはいくらなのだ?」
「そうですね。安価な物は千ゴールドくらいですかね。後はこの消音マットがあればテーブルさえあればどこでも遊べます。マットとセットで千五百ゴールド。どうでしょう?」
「「「や、安いっ! 買うぞっ! マットも込みで全部買うっ!」」」
「契約成立ですね」
物は【創造】で創り出すだけ。それだけでボロ儲けだ。こんなチョロい稼ぎ方があって良いのか。笑いが止まらんな。
商人達は即金でマット込み千セットを購入し翌日市場に流した。売値は二千ゴールド。庶民でも普通に手が届く価格帯だ。
そして王都に麻雀ブームが巻き起こった。
「チー!」
「いただきっ! それロンだ!」
「なぁっ!? チキショー!」
「「「はははははっ!」」」
民は町の至る所で様々なゲームに興じていた。この世界ではこういった娯楽らしい娯楽がなかった。玩具を手に入れた人々は争う事も忘れ競う事に熱を入れていった。この麻雀はシュトラーゼ王国が発祥の地となり、世界に出回る事になる。
後でシーメルの代表にこう言われた。
「これ仕掛けたんジェイドはんやろっ!? なんでワイらに売ってくれんかったんやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
それほどまでに俺の流した様々なゲームは世界中で大ヒットした。ノートメアもシュトラーゼも玩具を量産するために沢山の新規雇用が生まれた。
こうしてただ品を仕入れるだけの二つの国は世界に類をみない程の大国へとのしあがっていった。シュトラーゼの王は俺が仕掛人だと気付き、また頭を下げてきた。
「さすがジェイド殿だ! まさか我が国がこれほど笑顔の絶えない国になるとは……!」
「同盟国だからな。気にしなくても良いぞ?」
「……ありがとう。もうジェイド殿には足を向けて寝られんな。感謝してもしきれんわい」
「ははは、いえいえ。ところで……跡継ぎはどうなりましたか?」
王は笑顔でこう言った。
「ははははっ、そちらも問題なしだ。まだどちらかはわからんが取り敢えず仕込むものは仕込んだからの」
「それはなによりです。これからも末永くお付き合いしていきましょう」
「それはこちらの言葉だ。こうして平和になったのもジェイド殿のお陰……。改めて礼を」
王は深々と頭を下げた。そんな王に俺は問い掛ける。
「王よ、他の大陸について何か知っている事はありますかな?」
「他?」
「はい。俺は今イージス大陸、シーガロン大陸、そしてこのグラディオン大陸を平和に導きました。ですが世界にはまだ問題を抱えている国もあるでしょう。そんな大陸がないか気になってましてね」
「ふぅむ……」
俺はまだ世界の三割しか知らなかった。この世界に十ある大陸の内ようやく三つを手にしたのである。
「西にある大陸、【ドラグナー大陸】は人が住める環境にはないからのう……」
「ドラグナー大陸?」
「うむ。大地は地面から沸く毒で腐り、山は毒性のガスを絶え間なく噴出するそうだ。腐った卵のような匂いがするらしい」
「腐った卵の匂い?」
それは火山があると言う事か。
「そこには人は住んでおらぬから……向かうなら東だな。なんでもそこには亜人が迫害されておる大陸らしい」
「亜人が……ですか」
「うむ。東にある【ナルニーア大陸】。陸地面積はここグラディオン大陸の東側くらいだな。国は二つ。人間の国【バロン帝国】に亜人の国【ブライト王国】。国力はバロン帝国が圧倒しており、ブライト王国は日々苦しめられておるそうだ」
亜人の国か。邪神教徒には亜人も多い。どうやらこの世界では亜人の扱いはあまり良くないらしい。イージス大陸では差別を禁じ、今でこそ亜人も普通に暮らしてはいるが、以前は貧しい暮らしを強いられていた。
「それは許せんな。王よ、俺はそこに向かおうと思う。行く手段はあるかな?」
「うむ。港からナルニーア大陸行きの船が出ておる。行き先はバロン帝国の港町【マーロウ】だ。そこから南下すると亜人国に入る為の国境がある。だが……亜人は人間を嫌っていて国境は現在閉鎖されておるのだ。行っても入れないと思うぞ?」
「なるほど。そこはまぁ何とかしてみる。この情報、ありがたくいただくよ」
「なに、これくらいはな。ではジェイド殿。また会おうぞ」
「ええ、ではお元気で」
こうしてグラディオン大陸を平和にし、ある程度働いた俺は次なる大陸、ナルニーア大陸へと向かうのであった。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
異世界修行の旅
甲斐源氏
ファンタジー
何事にも無気力な少年が雷に打たれて死んだ。目の前に現れた神様に奈落へと落とされてしまう。そこでの修行は厳しく、何度も死んでも修行は続いた。そして、修行の第1段階を終えた少年は第2段階として異世界に放り込まれる。そこで様々な人達と出会い、成長していくことになる。
姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?
果 一@【弓使い】2巻刊行決定!!
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨム・ノベルアップ+・ネオページでも公開しています。カクヨム・ノベルアップ+でのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。