クソッタレ人生を薔薇色に

夜夢

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小学校卒業編

04 メイド到着

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    もう直ぐ入学式。今日は遥に案内され、制服や教科書、その他授業に使いそうな物を購入しに学校に来ていた。

「あら?あなたもしかして…如月…悠真くんかしら?」

    大人の女性が2人に話し掛けてきた。

「はい、僕が如月悠真ですが。」

「やっぱり。初めて見る顔だから気になったのよ。あ、私はあなたの担任になる【結城明日菜】って言うの。今年の中学1年生は如月君を含めて10人だけだからね?悪い事したら直ぐ噂になるんだからね?」

    悠真はハッキリ言った。 

「悪い事なんてしませんよ。」

「そう?頼むわね?何か問題が起きたら全部私のお給料に響くんだからね?他の子達は皆知ってるから良いけど、如月君だけは初めてだったから一応忠告しておいたからね?」

「成る程。」

    どうやらこの結城明日菜と言う先生は事なかれ主義の先生らしい。

「悠真くん、悠真くん。」

「なに?」

「結城先生はね、全教科担当するんだよ。」

「…全教科?1人で?」

「うん。小学校時代からずっと私の学年を担当してるの。」

    確か僕も含めて10人しか居ないんだっけ。その10人の為に何人も教師を雇うのは非効率なんだろうなぁ。 

「分かった。では結城先生、これから宜しくお願い致します。」

「うん。宜しくね。じゃあ高木さん、後はお願いね?」

「はぁ~い。」

    そう言って結城先生は何処かに歩いて行った。

「えっと…必要になる物は全部買ったかな?」

「うん、この体育館にあるので全部だよ。」

「そっか。じゃあ…帰ろっか。」

「は~い。あぁ…明日から学校かぁ~。悠真くん、明日朝一緒に登校しようね!」

「うん。」

    2人は大荷物を抱えそれぞれの家へと戻った。

「ゆ、悠真さまぁぁぁっ!」

「ん?あっ!」

    家の前に女が立っていた。

「久しぶりだね。服どうしたの?」

「はい。仕事は辞めて来ました。私はもうメイドではありませんが…悠真様に仕える心までは辞めておりませんので!この【シルヴィア・ルーセット】、生涯悠真様を主と決めております故!」

    実は彼女、日本人ではない。顔立ちも日本人のそれとは違うし、髪も銀髪で一際目立つ。

「まさか僕の為に仕事辞めて来たの?」

「はい!新しい会長に色目を使われそうになったのでぶっ飛ばして辞めてきました!」

「そ、そう。大変だったね。」

    彼女は腕っぷしも強い。日本に来た際に様々な古武術を学び、自分なりに交ぜ合わせたオリジナルの技を持つ。決して逆らってはいけない相手の1人である。

「あ、荷物を此方に。間に合わなくて申し訳ありませんでした。」

「いや、自分の物だからね。でもシルヴィア、君はこれからどうするの?仕事じゃないなら給料も出ないでしょ?」

「御心配無く。セクハラかまして来た新会長をおど…いえ、穏便にお話ししてたんまり退職金をくすね…いえ頂いて参りましたので♪」

    一体幾ら剥ぎ取って来たのだろうか…。

「それより!悠真様。」

「なに?」

「これからは私が悠真様の保護者代理となりますので。」

「あ、ああ。迷惑掛けるね。」 

「違います!さあ、呼んで下さい!」

「…はい?」

    シルヴィアは悠真の肩をガッシリと掴み口を開く。

「呼んで下さい!お母さんと!」

「…は?待て待て待て!お母さん?シルヴィアを?無理だよ!だってシルヴィアはそんな歳じゃないだろう!?」

「しかし悠真様。それでは私達の関係が…。」

「今まで通りで良いじゃないか。無理に関係を変える必要なんて無いから。今度は僕が君を雇うよ。改めて…保護者代理兼メイドとして僕に仕えて欲しい。それじゃダメかな?」

「…はい。畏まりました…。はぁ…。」

    シルヴィアはがっくりと落ち込んでいた。そんなに母と呼ばれたかったのだろうか。

「こほん。では改めまして、如月悠真様。私シルヴィア・ルーセットを宜しくお願い致します。」

「うん。宜しくね。じゃあ早速で悪いんだけど…シルヴィアには家の改装を手配して貰いたいんだ。」

「改装…ですか?」

「うん。まぁ…入れば分かるよ。」

    悠真はシルヴィアを家の中に迎えた。

「こ、これは…!な、何年前の家財道具ですか!?」

「酷いでしょ?取り敢えず…此処は残してさ、隣に最新式の家を一軒頼めるかな?満足にネットも繋がらないからネット環境も頼むよ。」

「はっ!直ちに手配致します。」

    シルヴィアはスマホを取り出し何処かに連絡した。すると、直ぐに数百人の技術者が空から降りて来て、家の隣に最新式の一軒家を作り上げ戻って行った。

「悠真様、支払いは如何なさいます?」

「幾ら?」

「…………でございます。」

「ん。僕の口座から出しておいて。」

「はっ。」

    シルヴィアは再びスマホを取り出し支払いを済ませる。

「悠真様、此方の屋敷はどうします?」

「う~ん…。僕には思い入れが無い物だけど、祖父母や親の思い入れはあると思うから、出来れば現状保存で。」

「畏まりました。では…新しい屋敷に参りましょうか。」

    2人は祖父母宅から隣の屋敷に向かう。新しい屋敷は最新式の家具、家電が揃っており、都会に居た頃と大差ない暮らしが出来る様になっていた。

「悠真様、明日は入学式でございますね。」

「うん。あ、そうだ。シルヴィア、明日からは歩いて通うから。それと、朝隣に住む女の子が迎えに来るから。」

「女の子?…悠真様、まさか…!」

「…うん。抱いた。此処に来てからずっとやってたかな。」

「な、なん…だと…!?」

「え?な、なに?」

    シルヴィアはおもむろに服を脱ぎ始めた。

「悠真様、久しぶりにお相手願いますわ。」

「い、いや、明日から学校が…。」

「手加減しますから!…お願い致します。私にも悠真様の愛を…!じゃないと…嫉妬でうっかり過ちを犯してしまいそうです。」

「シルヴィア、お前…。相変わらずな。分かったよ。だけど、先ずはご飯食べてからね?後、やるのは一回だけ!それで我慢してよね?」

「は、はいっ!では先ずはご飯にしましょう!」

    そう言って、シルヴィアは裸にエプロンを一枚羽織り調理に取り掛かった。正直…速すぎて見えない。どんだけ抱かれたいのだろう…。

    その後2人で夕食を取り、悠真はシルヴィアを抱いてやった。時刻は深夜0時、2人は同じベッドで抱き合っていた。

「素敵でしたわ、悠真様…♪」

「あ、ありがと。これ以上はダメだからな?」

「はい♪大満足ですっ♪」

    シルヴィアは艶々し惚けていた。

「明日から学校かぁ…。教科書みた限りじゃもうこの範囲は全部終わってるんだよなぁ。」

「悠真様は既に大学卒業レベルまで達してますものねぇ…。義務教育とは本当に無駄で御座いますね。」

「まぁ、学校は勉強だけする場所じゃないからね。仕方無いさ。シルヴィア、この家を頼むよ。此処から新しい如月グループを立ち上げる。君の力を僕に貸してくれ。」

「勿論です!」

    こうして、悠真の中学校生活がスタートを切るのであった。

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