クソッタレ人生を薔薇色に

夜夢

文字の大きさ
5 / 68
中学校編

01 入学式

しおりを挟む
    入学式当日、悠真は真新しい制服に身を包み、同じく真新しい制服を纏った遥と学校に向かって歩いていた。

「朝見たら新しいお家出来てるんだもん、びっくりしたよ!」

「ああ。前の家は色々と不便でさ。一から作った方が速かったからね。明日からは新しい方に来てくれるかな?」

「うん。けど…悠真くんってお金持ちさんだったんだね~。直ぐに新しい家を作っちゃうなんてさ~。」

「まぁ…ね。っと、着いたね。このまま教室に行くの?」

    遥はがっしりと悠真の腕に抱きついて離れなかった。その光景を数人の知らない生徒に見られたが、知らない相手なので特に気にする事も無かったが。

「当然だよ~。だって…私達もうあんな事やこんな事いっぱいしちゃった仲なんだし♪それに悠真くんは私のだって皆に見せておかないと!あ…でも悠真くんが迷惑だって言うなら離れるけど…。」

「いや、迷惑なんかじゃないけど。遥が良いなら僕は構わないよ。」

「うんっ♪じゃあこのまま行こっ♪」

    それから2人はくっついたまま教室へと入った。 

「おはよ~。」

「あ、遥おは…え?誰?」

    教室には既に他の生徒が全員集まっていた。

「如月悠真くん。私の彼氏♪」

「「「「え…えぇぇぇぇぇっ!?」」」」

    生徒達は一斉に立ち上がり2人を取り囲んだ。

「遥!か、かか彼氏って…!…やったの?」

「うん♪いっぱいしたよ♪」

「良いなぁ…。えっちに全く興味無かった遥にこんな格好良い彼氏が…。」

    今気付いたが、教室には女生徒しか居ない。

「なぁ、遥さんや。」

「なぁに?」

「僕以外に男は?」

「え?居ないよ?」

「は?マジで?じゃあ…他の皆がえっちしてた相手って?」

    その問いに女生徒達はこう答えた。

「「「「全部妄想です。」」」」

「え?は?じ、じゃあ…。」

    1人の女生徒が悠真に言った。 

「全員処女だよ。だって…村には歳の近い男の子なんて居ないし、居てもかなり年上か精通もまだな男の子しかいないし。」

「は、遥ぁぁっ!騙したな!?」

「え~騙してないよ?だって皆毎日1人え…」

「「「「こらぁぁぁぁっ!何言おうとしてんのっ!?」」」」 

    遥は皆に口を塞がれていた。

「皆元気が良いねぇ…。」

「あ。ごめんごめん。これから3年間宜しくね、えっと如月くん?」

「ええ、宜しくお願いします。」

    挨拶していると教室に結城先生が入ってきた。

「は~い、皆着席して~。出欠取ったら体育館に移動するわよ~。」

「「「「は~い。」」」」

    皆は素直に着席し、出欠確認に応じる。生徒数は10名。名前を覚えるのも簡単だった。

「【新木唯】さ~ん。」

「は~い!」

    新木唯。彼女は黒髪をサイドにちょこんと結っている可愛らしい女子。先程挨拶してきてくれた女子だ。

「【飯田愛菜】さ~ん。」

「はぁ~い。」

    飯田愛菜。髪は茶髪で腰まである。体型は…遥と同じ歳とは思えない程発達していた。

「【北野美咲】さ~ん。」

「はい!」

    北野美咲。村長の娘。黒髪ショートボブで眼鏡を掛けている。真面目そうな感じがする。

「【佐藤瑞希】さ~ん。」

「うぃ~。」

「こぉら!返事ははいでしょ!」

「…はいはい。」

    佐藤瑞希。いきなり制服を改造してる様な子。先程遥と僕の経験に一番食い付き気味で来た子だ。短いスカートからはチラチラと下着がご挨拶していた。ギャルまでいかない女の子。

「高木遥さ~ん。」

「は~い。」

    高木遥。言わずもがな隣に住む女の子。今の所唯一の非処女。体型はまぁ…見た限りでは一番小さい。

「【新山菜月】さ~ん。」

「…ん。」

    新山菜月。あまり明るくはない。先程も少し離れた場所で聞き耳を立てていた位だ。容姿は悪くない。性格に難ありと見た。

「【野口真歩】さ~ん。」

「はいっ。」

    野口真歩。黒髪ポニテの女の子。背筋がピンッと伸びて声に張りもあった。武道か何かをやっているのだろうか。凛としている。

「【広瀬祈莉】さ~ん。」

「はい…。」

    広瀬祈莉。真面目そうな女の子。文系女子だろうか。三つ編みがよく似合っている。

「【森加那】さ~ん。」

「はいはぁ~い!」

    森加那。元気な女の子だ。スポーツ少女だろうか。膝に絆創膏を張っている様な活発さだ。

「じゃあ最後にこのクラス唯一の男子。如月悠真くん。」

「はい。」

    新木、飯田、北野、佐藤、高木、新山、野口、広瀬、森、そして僕。この10人でこれから3年間学ぶ事になる。

「全員出席ね。ではこれから入学式に移りますので、皆さんは体育館に移動して下さいね。」

「「「は~い。」」」

    それから体育館で入学式が執り行われた。やたらと長い校長の話を聞き、再び教室へと戻った。

「はい、今日の行事はこれでおしまい。明日は身体測定と体力測定があります。皆さん、明日もちゃんと来る様にね?では…起立!礼!」

「「「ありがとうございました~。」」」

    入学式は昼で終わった。 

「明日は体力測定かぁ~。楽しみ!」

「森さんは運動好きなの?」

「うんっ!難しい勉強してるより身体動かしてる方が好きかな。あ、ボクの事は加那で良いよ。ボクも悠真って呼ぶから。」

    そう言って、加那は悠真の腕に抱きついてきた。

「こらこらこらぁっ!加那!悠真くんは私の!」

「あ、遥ちん。良いじゃん、少し位~。」

「だめ!悠真くん、もう帰ろ?此処は危険よ!」

「危険て…。皆友達じゃないの?」 

    遥は加那を引き剥がしながら言った。

「友達だけど、皆飢えてるから。此処は野獣の檻の中と変わらないわ!」

    そこに村長の娘である北野さんがやってきた。

「失礼ね。誰も取らないわよ。でも…如月くん?」

「はい?」

    北野さんはいきなり悠真に抱きつき口唇を重ねた。

「なっ!?」

    北野さんはゆっくりと口唇を離し、ぺろっと舐めて見せた。

「み、美咲!何してんの!?」

「味見♪如月くん?遥に飽きたら何時でも言ってね?私なら今直ぐにでもオッケーだから♪」

「こ、こらぁっ!誘惑するなぁぁぁっ!」

「きゃっ♪怖いわぁ…♪じゃあね、悠真♪」

    いきなり名前呼びに変わっていた。

「やっぱり危険だわ!悠真くん、もう行こ!」

「あ、ああ。」

    悠真は遥に引き摺られ教室を出た。

「うぅ~!いきなり人の彼氏とキスするとか!美咲ったら!」

「なら遥もする?祖父母宅なら誰も居ないし、今から行こうか。」

「え?あ…うんっ♪行くっ♪」

    この後、悠真は夕方になるまで遥と時間を過ごすのであった。

「んふ~っ♪今日もご馳走様でしたっ♪」

「いえいえ。遥となら何時でも。さて、送るよ。」

「はぁ~い♪明日も迎えに行くねっ♪」

「了解です。」

    こうして入学初日は過ぎていったのであった。

しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?

無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。 どっちが稼げるのだろう? いろんな方の想いがあるのかと・・・。 2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。 あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。

処理中です...