シンジュウ

阿綱黒胡

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第1章

<47話>前日

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「・・・ええと、着替えに歯ブラシ。
バスタオルにハンドタオル。

うん、OK。
あとはお金と・・・。

ああ、そうだ。
僕達は懐中電灯がいるんだっけ。
あ、いけね、
スタッフの帽子忘れるとこだっ・・・。

ゴホゴホゴホ!」

8月9日、キャンプ前日の午前11時。
僕は家で、
明日のキャンプの支度に追われていた。

『おいおい、大丈夫かよ、赤斗。
めっちゃ咳してんじゃん。』
フセが横から声をかけてくる。
「・・・まあ、大丈夫でしょ。
別にそれ以外は
しんどくもなゴホゴホ!いし、
最悪ちゃんと休むかゴホゴホ!ら。

・・・え~と、後はあれか、
シャンプーとボディーソープか。

お母さん、レジャー用の
ポケットサイズのやつ無い?」
すると下の階にいる母から、
「無いわよー!

切らしてるから買っときなさいって、
何度も言ったでしょー!」
「あ、忘れてたー!

・・・というわけだ、

ゴホゴホゴホゴホ!
・・・フセ、買いに行くぞ。」
『何なんだよ君は・・・。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「えっ、先輩、遅れるんですか?」
「うん、用事と重なっちゃってね。
夜までには合流するから。」

キャンプ前日、私、斯波葉月は、
あの一件以来親しくなった、
田沼先輩の家にお邪魔していました。

「あっ、そうだ。
前、葉月ちゃんが言ってた
柴犬のシンジュウの男の子って、
一体どんな子なの?」
「あ、はい。
何というか、ボサボサ髪の、
パッとしない男の子です。」
「・・・それ、貶してない?」
「そうですか?
あ、でも、
すっごくいい人なんですよ!

あと名前が面白くって、
義経赤斗君って言うんです!」
「・・・ギケイセキト?
なんだか、すごい名前だね。

うちの中学校に、
そんな名前の子いたっけ・・・?」
「ああ、ウチの生徒じゃなくて、
天原の子なんですよ。」
「ああー、なるほどね!
じゃあ南の方に住んでるのかな。

北の公立なら、天岩戸だもんね。」
「みたいですよ、
前に話した時も、
だいぶ南の端っこに家があるって
言ってましたし。」

お家の中では、
先輩は憑依を解いて白髪です。

横では、ピノとハピが、
仲良くお菓子を食べています。

『おい、てめぇ!
その栗まんじゅう、僕のだろ!』
『は!?アタシのだし!
アンタもう2個食べたでしょ!
自分の食べた個数も覚えてないとか、
マジありえないでしょ!』
『ふざっけんな!
2個食べたのはチョコパイだ!
取っといたんだよ!』
『結局アンタもオーバーしてんじゃん!
チョコパイ葉月ちゃんの分まで
食べたんなら、そのチビな体格なら
もう腹いっぱいでしょ!』
『やかましい!
鹿は鹿らしく、煎餅でもかじってろ!』
『そういうアンタも、
人参でもカリカリしてれば?』

・・・仲良く。
「「ちょっと静かにして!!」」

2人して騒音の根源を怒鳴りつけ、
話を戻します。
「もう用意は終わったの?」
私は頷きます。
「はい、終わりました。
荷物が着替えくらいしか無いので、
軽くていいですね。」
「ほんとにね、
まあ、所詮は2泊3日だからね。

場所も滅茶苦茶近いし。
あとは、体調管理くらいかしら。

・・・体調といえば、
葉月ちゃんも憑依型よね、
大変だったでしょ、。」
「あー・・・。」

私達は苦笑いをしながら、
まだお菓子の取り合いを続ける
兎と鹿に目を向けました。

「私の時は発熱だったなぁ。
40度近くがずっと続くんだもん
本当にこのまま死ぬんじゃ無いかって
思ったなぁ・・・。

葉月ちゃんはどうだった?」
「私は頭痛ですね。

しかも、初めての憑依から
1ヶ月近く経ってから、
いきなりですよ!

何で時間差なんですかねぇ・・・。」
「あー、わかるわかるそれ!

でも、唸ってたら急に眠くなって、
寝て起きたら治ってるんだよね。」
「そうなんですよ!

あれ、何でなんでしょうね・・・。」

おそらく皆さんの頭の中には、
この会話によって「?」マークが
頭中を飛び回っていると思うので、
説明しましょう。

叔父さんからの受け売りも含みますが、
憑依型は大抵の場合、
慣れるまでは、憑依をすると
体に何らかの不調をきたすそうです。

現実問題、憑依型は異能単体型よりも
体力消費の燃費が悪いですし、
(そのかわり、
『例え自分が気絶していようと、
憑依さえさせてしまえば動ける』
というメリットはあるのですが)
まあ、言ってしまえば
身体に異物質が入ってくる訳ですから、
早い話、を起こします。

慣れてしまえば
せいぜい疲労くらいで済むのですが、
それまでは違法薬物もびっくりの、
副作用てんこ盛りなのです。

咳やら鼻水やらは序の口で、
頭関節骨内臓、
あらゆるところが痛くなるし、
吐き気に熱、目眩にダルさと、
もうなんでもござれです。

流石に幻覚幻聴は、
まだ見たことがありませんが、
ひょっとしたらそういう症状の方も
いらっしゃるのかも知れません。

しかもたちが悪いことに、
これが
くるんですからたまりません。

5月に憑依した分の皺寄せが、
6月に頭を割るような頭痛で来た、
なんてのも、ままありました。

ただ、大抵は、寝てしまえば治ります。

泣くぐらい痛かった突発性頭痛が
いきなり来たのだけれど、
無理矢理寝て、起きたら治ってた、
なんてのが当たり前です。

おねいちゃんに聞いてみても、
今のところ副作用で
お亡くなりになった人は
いらっしゃらないみたいですし、
経験上、3回くらいで無くなるので、
命の心配まではしなくても
いいみたいなのですが・・・。

「いやー、慣れてよかったよねぇ。」
「本当ですよ、
もうあんな思い、
2度としたくない・・・。」
私達は笑い合いました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ゲホッ、ゴホゴホ、ゴホ!
誰か僕のこと、
好きって言ってんのかなぁ・・・。」
『君のは咳だし、今のは4回だ。
夢見てんじゃないよ。』
「はいはい・・・ゴホゴホ!」

シャンプーとボディーソープを買い込み
僕達は帰路についた。

「しかし赤斗殿、
体調は大丈夫なのでござるか?

拙者に実体が有れば、
お荷物を
お持ちするのでござるが・・・。

あ、そうだ、平五郎、
赤斗殿のお手伝いをいたせ。」
『え、嫌でヤンス。
おいらは力仕事が、
狸汁の次に嫌いなのでヤンス。』
「い、いや、大丈夫だよ、
咳だけだし・・・ゴホゴホゴホ!」

うるせぇ、連れてくるんじゃ無かった。

僕がゴホゴホいいながら
歩いていると、
「おお、赤斗、久しぶりだな。
大丈夫か?」
『お、赤斗君やん、久しぶり。
大丈夫かいな?』
「似たようなセリフで
心配しないでくださいよ・・・。
こんにちは、羽柴さん、コマチ。」

前から羽柴さん達が歩いてきた。
「前は情報提供を、
どうもゴホゴホ!
ありがとうございました。」
「・・・ん、ああ、いいよ礼なんて。
照れ臭い。
あれ、解決したのか?

最近あの噂聞かねえけど。」
「まあ、一応・・・。」

いきなり割り込んできたおねーさんに
全員フルボッコにされました、
とは流石に言えなかった。

「そっか、そりゃよかった・・・
・・・お前何持ってんの?
シャンプー?」
羽柴さんは、僕が持つレジ袋に、
視線を落とした。

「ああ、これは・・・ゴホゴホ、
明日いるんです。
明日からキャンプなので。」
「キャンプ・・・?
ああ、あれか!しるし山の!
懐かしいなぁ、
中学の頃は、毎年参加してたっけ。」
『隣の人にカレー飛ばしまくって
怒られとったなぁ。
しかも狙ったように白い服に。』
「うるせぇ。」
「へえ、去年参加してたんですね。」

去年羽柴さんがいたということに、
僕は少し驚いた。
まあ、その頃は全く面識が無いし、
シンジュウとの接点もないから、
気付きようも無いのだけれど。

「今年は、参加しないんですか?」
羽柴さんは少し残念そうに、
「ああ、仕事がたまっちまっててな。
ま、楽しんでこいや。

結構豊富に
レクリエーションとかあったろ?」
「いえ、僕は裏方ゴホ!なんですよ。
なので。」
「そういや毎年
中学生のボランティアが
手伝ってるって言ってたっけ。

なるほどね、頑張れよ。」
『お大事にな。
楽しんどいで。』

それだけ言って、
彼らは行ってしまった。

「・・・ゴホゴホゴホ!
帰ろう、フセ。
早く寝て、この風邪治さなくちゃ。」
『・・・そうだね。』
僕はついにだるくなってきた
身体を引きずりながら、帰宅を急いだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先輩の家でお喋りに興じているうちに、すっかり空は赤く染まり、
帰宅は、午後6時を過ぎていました。

「ただいま、おじさん。
ごめん、遅くなっちゃった。」
「お、お帰り。
いやなに、まだ許容範囲さ。」

家に帰ると、
叔父さんが資料と睨み合っていました。

「葉月、ピノ。
お前ら、キャンプいつまでだっけ。」
ふいに顔を上げた叔父さんが、
私に聞いてきます。

「え、ああ、今朝言ってた通り、
12日までですけど。

用事があるなら、抜けましょうか?」
私がピノに(無理矢理)手を洗わせながら
返事をすると、
「いやいや、なら大丈夫。

ただちょっと、俺も明日の早朝から、
出なきゃいけないことになってさぁ。

何でも夏の知り合いが、
夏経由で俺に依頼したいことが
あるらしくて。

そんで、多分泊まりになるんだわ。」

なるほど、その資料は
明日からの仕事用みたいです。

『ここの探偵事務所って、
機能してたんだな。』
「うるせぇ、
ちゃんと生計たてられるくらいは
金稼いどるわ。

それに、万が一の時のために
研究所の貯金はほぼ手ェつけてないから
大丈夫だよ。」

ピノに反論してから、
叔父さんは資料を机におきました。
「そんなわけで、
なんかあったら自宅じゃなくて、
携帯に電話してくれよ。

緊急だったら夏の方がいいかな。
アイツの方が

まあ、俺も30分あれば、
普通に帰ってこられる距離だけど。

ほら、明日早いんだろ?
早くご飯食べて寝なさい。」
「はーい。」

私は軽く返事をして、
エプロンを身につけました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
午後8時だ、
流石にすっかり日も落ちて、
どの家にも電気がついている。

僕は夕飯を食べ終えて、
リビングの机で宿題との格闘(in脳内)を
繰り広げていた。
「ゴホゴホッ!ゴホッ!」
「ちょっと赤斗、
明日からキャンプなんでしょ?

あんた、大丈夫?」

長い茶髪をゴムで括った母が、
皿を洗いながら僕に声をかける。
「・・・だ、大丈夫、多分。
ヤバかったらちゃんと休むから。」
「もう今日は早く寝なさい。

お父さんは出張で
明後日まで帰ってこないし、
お母さんも、
明日は外せない仕事があるから、
熱出しても、看病して
あげられないわよ。

グロッキー状態で、
遠くの街のおばあちゃんが来るまで、
待たなくちゃなんないのよ?
わかってんの?」
「重々承知しておりますよ、お母様。」

ま、万が一発熱しても、
ばあちゃんが来るまでは、フセがいる。

いくら柴犬とはいえ、
ある程度のことはできるだろうし、
いざとなったら
救急車でも呼んで貰えばいいのだ。

「何よ、その変な言い方は。
お爺ちゃんの本ばっかり読んでたのが
いけないのかしら・・・。

とにかく、体調第一よ、いいわね?」

「そうでござるよ、赤斗殿。
今日はもうお休みになられた方が、
良いと思うでござる。」
すっかり眠りに落ちた平五郎に
しなだれかかられている甚右衛門も、
母に同調する。

もっとも、
シンジュウと関わりの無い母には、
当然甚右衛門の声は
聞こえないのだけれど。

「へーい、そろそろ寝ます。」

確かに僕も、
何となく悪化してきたなと感じていた。

別に行けないのはまあいいとしても、
運営側の人間が休むというのは、
それだけでも
他人ひと様に迷惑をかけるので、
勿論好まれることではあるまい。

まあ、このキャンプは
ボランティアが捨てるほどいるので、
1人抜けたところで、
さして支障が出るわけでも
無いのだけれど、
先輩や後輩の仕事に回すのは、
ちょっと忍びない。

僕は自室にもどり、
ふらつきが始まった頭で
なんとか荷物の確認を済ませたあと、
私服を脱ぎ捨てて寝巻きに身を包み、
電気を消して早々に布団に潜り込んだ。

と言っても、
絶え間なく続く咳のおかげで
寝づらきことこの上なし状態だし、
第一そんなに疲れてないので、
すぐには眠れるわけはなく、
僕は少し考える。
(・・・『旅人』、ねぇ。)

僕は横を向く。
甚右衛門と平五郎が
浮きながら雑魚寝をしている
その側の棚の上では、
万年筆が月明かりに照らされていた。

(・・・じいちゃん、
これは一体、何の『鍵』なの?)

僕の頭の中の問いは、
当然誰も答えてくれるものはおらず、
そのうち僕は眠りに落ちた。





























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