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第二章
第55話 ウエハースとサイコロステーキと謎の女性
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「さて、次はサリアさんの番だね。どんなシールが入ってるかな?」
座り直し、俺は仕切り直すように明るい声を上げた。
続いてサリアさんが、「よし、見てろ!」と意気込んで透明の保護フィルムをパッケージから抜き取った。その途端、またも歓喜の雄叫びが響く。
俺は仕上げに、キラキラのシール本体を保護フィルムから取り出して四人に手渡す。ここでもまた、大歓声が飛び交うのだった。キュートなパッケージは洗って保管しておこうね。
「んっ! オカシ、わけっこ!」
みんなの興奮が一段落したら、まとまって座ったままお菓子を食べる。すると、ルルが自分のウエハースを俺の口に押し当ててくる。お裾分けしてくれるみたい。天使すぎてまた泣きそうだ。
さらにいつもの流れで、エマとリリ、加えてサリアさんまでウエハースを差し出してくれた。笑顔でお礼を告げ、俺は小さくひと口だけいただく。
次は、みんなが食べる番。
「すごいっ、おいしい!」
「またほっぺた、きゅーってなる!?」
「このウエハースとやらは、とんでもなく美味だな! ラクスジットの貴族たちですら羨むに違いない!」
エマとリリ、それにサリアさんの口から感激の声が乱れ飛ぶ。ルルも、一心不乱にぱくついている。
よかった、四人ともすごく気に入ったみたい。すぐに食べきり、珍しくワガママを言って二つ目をおねだりするほどだ。
でも、今日はこれでおしまい。お菓子はあまり体に良くないからね。その代わり、干し柿を食べようか。スーパーでもらった飴ちゃんもまた今度だね。
「これもおいしいっ! サクタローさん、いつもおいしいのありがと!」
「どういたしまして。エマたちが喜んでくれて、俺も嬉しいよ。ありがとね」
干し柿を小さく齧り、ぱっと笑顔を浮かべたエマ。まさに天真爛漫。甘いものを食べてすっかりご機嫌だね。
少し遅れて、リリとルルも『ありがと!』と声を揃えてお礼を言ってくれた。すかさず、三人の頭を順に撫で回す。その間、サリアさんは5個目の干し柿に手を付けていた……流石に食べ過ぎなので片付けましょうね。
そんなこんなで、おやつタイムはにこやかに過ぎていく。
しかし、これで獣耳幼女たちのテンションが上がってしまったらしい。
手を洗う前にルルが洗面所を脱走し、室内を勢いよく駆け回り始めた。つられたエマとリリも追いかけっこに加わり、三人は勢いのまま和室へなだれ込む。さらに柔らかな布団の上でくるくる転がりながら、明るい笑い声を部屋中に響かせていた。
最近、体力がありあまっているように感じるな……笑って泣いて、大暴れして、こてんと寝て、また大暴れ。
健康になりつつあると思えば、胸がいっぱいになるほど嬉しい。が、この先俺の体力が持つかどうか本気で心配になってきた。
もっと体を動かせる遊びがないか考えた方が良さそうだ。コタツで一眠りしようとしているサリアさんにも協力してもらわないとね。
もっとも、今日はもはや手のうちようがない。どうにか落ち着いてもらうべく、塗り絵やアニメ視聴で誤魔化すとしよう。
そうこうしていると、今度は夕食の時間が迫ってくる。
今晩のメニューは、予定通り牛ももブロックのサイコロステーキ。
さほど手間の掛からない料理とはいえ、うちの子たちはびっくりするほどの健啖家(主にサリアさんが)。買ってきた一キログラムくらいペロリだ。なので、俺はしばらくステーキを作るマシーンと化した。
お手伝いしてくれるみんなの賑やかな声を聞きながら、肉を焼いてアルミホイルに包んでまたカットして、を何度も繰り返す。もちろんニンニクも忘れずに。付け合せは、サラダを大目に用意した。あとは主食の白米。
出来立てアツアツのサイコロステーキを盛ったお皿をコタツに並べた瞬間、『きゃあぁぁああっ!』と耳が痛くなるほどの歓声が巻き起こる。大好きなお肉を前に再び大興奮。
あまり待たせるのも悪いので、さっそく『いただきます』を唱えて食べ始める。
ステーキソースは二種類、市販のしょうゆ味とあらびき胡椒味。
獣耳幼女たちはしょうゆ味を気に入ったようで、ひと口ごとに『おいしい!』や『すごいっ!』と大絶賛してくれた。満面の笑顔でもぐもぐ食べ進める姿がとても可愛らしい。
サリアさんはあらびき胡椒味が好みに合ったようで、それはもう夢中で口を動かしていた。
少し時間が経つと獣耳幼女たちが甘えて寄ってきたので、またひと塊になってお皿を空にしていく。いつも以上に笑顔の絶えない晩ゴハンとなった。サイコロステーキにして大正解だったね。
そして、同日の夜遅く。
オレンジ色の常夜灯がほのかに照らす和室で、俺は布団に寝転びながらスマホとにらめっこしていた。
おやつ時にも実感したが、最近の獣耳幼女たちは元気いっぱい。今は『すうすう』と寝息を立てているが、目を覚ませばたちまち大騒ぎだ。そこで、何か体を使う遊び道具がないかネットで検索していた。
個人的に興味を引かれたのが、縄跳びや室内で使えるバランスストーン。あと、トランポリンクッションなんてルルが好きそうだ。あの子はよく飛び跳ねてるもんね。他にもいくつか良さそうな物があったので、適当にポチっていく。到着が楽しみだ。
満足した俺は、ほどよい疲労感に包まれながら眠りについた。
こうして、日本での『初めてお出かけ記念日』は過ぎていく――それから一夜明け、翌朝のこと。
いつも通り、エマとリリにかなり早い時間に起こされて、朝ゴハンを食べていると……サリアさんが不意に、忙しなくアッシュグレーの獣耳を動かし始めた。
「サクタロー殿、例の地下通路に誰か来たみたいだ」
どうやら、異世界サイドのお客様らしい。ゴルドさんたちかな?
いずれにしても、まずはサリアさんに確認をお願いする。けれど、すぐに呼ばれたので俺も地下通路へ移動した。獣耳幼女たちも、背後から隠れるようにしてついてきている。
ややあって、階段を下りきると……例の虹色ゲートにへばりつく妙な女性を発見した。窓に張り付くヤモリかな?
「へんなひといるー!」
すかさずリリが、笑い声を上げながら指を差す。確かに変な人だね……いや、待て。よく見たら、とんでもなく高貴そうな格好をしている。
着用している深緑のローブのような衣服は明らかに質が良く、美しい刺繍が施されている。フリルなどのデザインも相まって、どこか神聖さすら感じさせた。
銀糸のような長い髪に、アメジストのごとく煌めく紫の瞳も幻想的。
顔立ちも恐ろしく整っており、もはやファンタジーの域だ。サリアさんとは違ったベクトルの美人さんである。
何より驚いたのは、その女性の両耳――普通の人間とは違い、まるで『笹の葉』のように細長い形をしていた。
「あら、皆さまお揃いのようで。おはようございます」
虹色ゲートにへばりついた妙な体勢のまま、笑顔で挨拶を口にする謎の女性。
なんか色々と台無しだな……というか、アナタはいったい何者ですか? それに、まだ早朝なんですけど?
異世界の人って、ルルとサリアさん以外は早起きなのかなあ。
俺は欠伸を堪えつつ、ひとまず謎の女性へ誰何の声を送ることにした。
座り直し、俺は仕切り直すように明るい声を上げた。
続いてサリアさんが、「よし、見てろ!」と意気込んで透明の保護フィルムをパッケージから抜き取った。その途端、またも歓喜の雄叫びが響く。
俺は仕上げに、キラキラのシール本体を保護フィルムから取り出して四人に手渡す。ここでもまた、大歓声が飛び交うのだった。キュートなパッケージは洗って保管しておこうね。
「んっ! オカシ、わけっこ!」
みんなの興奮が一段落したら、まとまって座ったままお菓子を食べる。すると、ルルが自分のウエハースを俺の口に押し当ててくる。お裾分けしてくれるみたい。天使すぎてまた泣きそうだ。
さらにいつもの流れで、エマとリリ、加えてサリアさんまでウエハースを差し出してくれた。笑顔でお礼を告げ、俺は小さくひと口だけいただく。
次は、みんなが食べる番。
「すごいっ、おいしい!」
「またほっぺた、きゅーってなる!?」
「このウエハースとやらは、とんでもなく美味だな! ラクスジットの貴族たちですら羨むに違いない!」
エマとリリ、それにサリアさんの口から感激の声が乱れ飛ぶ。ルルも、一心不乱にぱくついている。
よかった、四人ともすごく気に入ったみたい。すぐに食べきり、珍しくワガママを言って二つ目をおねだりするほどだ。
でも、今日はこれでおしまい。お菓子はあまり体に良くないからね。その代わり、干し柿を食べようか。スーパーでもらった飴ちゃんもまた今度だね。
「これもおいしいっ! サクタローさん、いつもおいしいのありがと!」
「どういたしまして。エマたちが喜んでくれて、俺も嬉しいよ。ありがとね」
干し柿を小さく齧り、ぱっと笑顔を浮かべたエマ。まさに天真爛漫。甘いものを食べてすっかりご機嫌だね。
少し遅れて、リリとルルも『ありがと!』と声を揃えてお礼を言ってくれた。すかさず、三人の頭を順に撫で回す。その間、サリアさんは5個目の干し柿に手を付けていた……流石に食べ過ぎなので片付けましょうね。
そんなこんなで、おやつタイムはにこやかに過ぎていく。
しかし、これで獣耳幼女たちのテンションが上がってしまったらしい。
手を洗う前にルルが洗面所を脱走し、室内を勢いよく駆け回り始めた。つられたエマとリリも追いかけっこに加わり、三人は勢いのまま和室へなだれ込む。さらに柔らかな布団の上でくるくる転がりながら、明るい笑い声を部屋中に響かせていた。
最近、体力がありあまっているように感じるな……笑って泣いて、大暴れして、こてんと寝て、また大暴れ。
健康になりつつあると思えば、胸がいっぱいになるほど嬉しい。が、この先俺の体力が持つかどうか本気で心配になってきた。
もっと体を動かせる遊びがないか考えた方が良さそうだ。コタツで一眠りしようとしているサリアさんにも協力してもらわないとね。
もっとも、今日はもはや手のうちようがない。どうにか落ち着いてもらうべく、塗り絵やアニメ視聴で誤魔化すとしよう。
そうこうしていると、今度は夕食の時間が迫ってくる。
今晩のメニューは、予定通り牛ももブロックのサイコロステーキ。
さほど手間の掛からない料理とはいえ、うちの子たちはびっくりするほどの健啖家(主にサリアさんが)。買ってきた一キログラムくらいペロリだ。なので、俺はしばらくステーキを作るマシーンと化した。
お手伝いしてくれるみんなの賑やかな声を聞きながら、肉を焼いてアルミホイルに包んでまたカットして、を何度も繰り返す。もちろんニンニクも忘れずに。付け合せは、サラダを大目に用意した。あとは主食の白米。
出来立てアツアツのサイコロステーキを盛ったお皿をコタツに並べた瞬間、『きゃあぁぁああっ!』と耳が痛くなるほどの歓声が巻き起こる。大好きなお肉を前に再び大興奮。
あまり待たせるのも悪いので、さっそく『いただきます』を唱えて食べ始める。
ステーキソースは二種類、市販のしょうゆ味とあらびき胡椒味。
獣耳幼女たちはしょうゆ味を気に入ったようで、ひと口ごとに『おいしい!』や『すごいっ!』と大絶賛してくれた。満面の笑顔でもぐもぐ食べ進める姿がとても可愛らしい。
サリアさんはあらびき胡椒味が好みに合ったようで、それはもう夢中で口を動かしていた。
少し時間が経つと獣耳幼女たちが甘えて寄ってきたので、またひと塊になってお皿を空にしていく。いつも以上に笑顔の絶えない晩ゴハンとなった。サイコロステーキにして大正解だったね。
そして、同日の夜遅く。
オレンジ色の常夜灯がほのかに照らす和室で、俺は布団に寝転びながらスマホとにらめっこしていた。
おやつ時にも実感したが、最近の獣耳幼女たちは元気いっぱい。今は『すうすう』と寝息を立てているが、目を覚ませばたちまち大騒ぎだ。そこで、何か体を使う遊び道具がないかネットで検索していた。
個人的に興味を引かれたのが、縄跳びや室内で使えるバランスストーン。あと、トランポリンクッションなんてルルが好きそうだ。あの子はよく飛び跳ねてるもんね。他にもいくつか良さそうな物があったので、適当にポチっていく。到着が楽しみだ。
満足した俺は、ほどよい疲労感に包まれながら眠りについた。
こうして、日本での『初めてお出かけ記念日』は過ぎていく――それから一夜明け、翌朝のこと。
いつも通り、エマとリリにかなり早い時間に起こされて、朝ゴハンを食べていると……サリアさんが不意に、忙しなくアッシュグレーの獣耳を動かし始めた。
「サクタロー殿、例の地下通路に誰か来たみたいだ」
どうやら、異世界サイドのお客様らしい。ゴルドさんたちかな?
いずれにしても、まずはサリアさんに確認をお願いする。けれど、すぐに呼ばれたので俺も地下通路へ移動した。獣耳幼女たちも、背後から隠れるようにしてついてきている。
ややあって、階段を下りきると……例の虹色ゲートにへばりつく妙な女性を発見した。窓に張り付くヤモリかな?
「へんなひといるー!」
すかさずリリが、笑い声を上げながら指を差す。確かに変な人だね……いや、待て。よく見たら、とんでもなく高貴そうな格好をしている。
着用している深緑のローブのような衣服は明らかに質が良く、美しい刺繍が施されている。フリルなどのデザインも相まって、どこか神聖さすら感じさせた。
銀糸のような長い髪に、アメジストのごとく煌めく紫の瞳も幻想的。
顔立ちも恐ろしく整っており、もはやファンタジーの域だ。サリアさんとは違ったベクトルの美人さんである。
何より驚いたのは、その女性の両耳――普通の人間とは違い、まるで『笹の葉』のように細長い形をしていた。
「あら、皆さまお揃いのようで。おはようございます」
虹色ゲートにへばりついた妙な体勢のまま、笑顔で挨拶を口にする謎の女性。
なんか色々と台無しだな……というか、アナタはいったい何者ですか? それに、まだ早朝なんですけど?
異世界の人って、ルルとサリアさん以外は早起きなのかなあ。
俺は欠伸を堪えつつ、ひとまず謎の女性へ誰何の声を送ることにした。
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