神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE

文字の大きさ
23 / 66

5階層ボス 1

しおりを挟む
俺が五回層への道へ足を踏み入れると同時に周りに人の気配がなくなる。
今までは草原だったが一気に景色が変わり洞窟のような場所となっている。
周りは薄暗く壁にかけてあるロウソクの炎が灯りとなっている。
どうやらボス戦ということもあり個人での戦いになるらしい。
俺はパーティーを組んでいないためわからないがパーティーを作っていた場合はパーティー単位の戦いになるのかもしれない。

「おぉ、如何にもって感じだな…」

暗い道を少し進むと目の前に大きな扉が待ち構えている。
ロウソクの炎によって照らされた巨大な扉はそれだけで俺を圧倒させるほどだ。
待ちに待ったはじめてのボス戦だ。扉の前に立ち大きく深呼吸をする。

「ふぅ…行くか。」

大きな扉に両手を当て扉を開こうとする。すると目の前にシステムからのメッセージが表示される。


-----------------------------------------------

第五階層【試練の間】


クリア条件
・魔物の討伐

失敗条件
・死亡又はリタイア
・戦闘中のログアウト



参加プレイヤー
・ライト


挑戦しますか?



-----------------------------------------------




もちろんYESを選択する。YESを選択すると扉がゴゴゴと大きな音を出しながら独りでに動き出す。
完全に扉が開くと後ろから強風が吹く。
俺は風に押されるようにして部屋へと進む。
一歩部屋へと足を踏み入れると手前から順番に炎の灯りにより部屋が照らされる。
一番奥が照らされると俺の初めてのボスの姿が露わになる。

「どデカイ狼か…。」

俺の3倍はあるであろう巨大な狼が鋭い牙を剥き出しにしてヨダレを垂らしこちらを睨んでいる。
俺は食料か…逆だと言うことをすぐにわからせてやる。

「グルァァァァァ!!!」

ボスは雄叫びだか咆哮だかわからないような大きな音を出す。それだけで空気が振動し肌がピリピリし、やっとボス戦という実感が湧いてくる。

「行くぞ!」

ボスが俺に向かって走ってくると同時に俺もボスに向かって走り始める。
今回はシンプルに実力を試したいため手に入れた飛刃の剣は使用せず鉄の剣、短剣、魔法、投げナイフなどを使い戦おうと思う。

火矢ファイアアロー!」

まず俺は最初に火矢ファイアアローを構築し相手の強さを伺う。もちろんLV.2の火矢ファイアアローだ。

だがボスはそれを爪を振りかざし簡単に消しとばす。どうやら俺の攻魔では魔法によるダメージを与えられないようだ。

ボスはそのまま俺に突進し爪を振りかざし攻撃する。俺はそれをジャンプして避ける。だがボスはバク転のように体を回転させ太い尻尾を空中で身動きの取れない俺に叩きつけ地面に撃墜させる。

「ぐっ…厄介だな」

間一髪、剣で直接攻撃を防ぐことができたが危うい場面だった。直接攻撃を食らっていたら俺の防御力では致命的な一打になっていただろう。
一撃一撃が俺にとっては命取りだ、気を引き締めていこう。

ボスが俺に追撃してくるが今度はすぐに次の場面に移れるよう横に回避する。
どうやら素早さは俺の方が勝っているようだ。
だが俺が避けても避けてもボスは鋭い爪を振りかざし攻撃を続ける。
ここで今まで考えてきた技をボスの攻撃に合わせ使用する。

「グルァァァァァ!!!」

今までと同じようにボスは巨大で鋭い爪を思いっきり俺に向け振り下ろす。

「集中!」

俺はスキル[集中]を使用する。一気に周りの空間がゆっくりに感じるようになりボスの爪の攻撃の軌道まで見極めることが可能になる。
その爪とボスの間に背を向けるように入り込み超至近距離で攻撃をかわす。
このスキルと素早さがなくてはこの攻撃を超至近距離で躱すことは不可能な芸当だ。

そのままボスの攻撃を借りるように爪の描く軌道上に剣を構える。

俺の剣と爪が接触したと同時にボスの攻撃の勢いを借りて回転切りを繰り出す。

「くらえ!水車みずぐるま!」

「グァァァァァァァァァ!」

俺の剣術【水車】は綺麗にボスの左目へ繰り出され、ボスの目を下から上へと斜めに深く切り裂く。
完璧だ。想像しただけで試したことはなかったが理想の攻撃ができた。

深追いは危険なため一度ボスの顔を蹴って後ろに飛び、距離を取る。


「仕切り直して行きますか…!」
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件

夏見ナイ
SF
現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。 周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。 結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。 Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。 最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!? ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。 はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切) 1話約1000文字です 01章――バトル無し・下準備回 02章――冒険の始まり・死に続ける 03章――『超越者』・騎士の国へ 04章――森の守護獣・イベント参加 05章――ダンジョン・未知との遭遇 06章──仙人の街・帝国の進撃 07章──強さを求めて・錬金の王 08章──魔族の侵略・魔王との邂逅 09章──匠天の証明・眠る機械龍 10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女 11章──アンヤク・封じられし人形 12章──獣人の都・蔓延る闘争 13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者 14章──天の集い・北の果て 15章──刀の王様・眠れる妖精 16章──腕輪祭り・悪鬼騒動 17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕 18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王 19章──剋服の試練・ギルド問題 20章──五州騒動・迷宮イベント 21章──VS戦乙女・就職活動 22章──休日開放・家族冒険 23章──千■万■・■■の主(予定) タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。

(更新終了) 採集家少女は採集家の地位を向上させたい ~公開予定のない無双動画でバズりましたが、好都合なのでこのまま配信を続けます~

にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
突然世界中にダンジョンが現れた。 人々はその存在に恐怖を覚えながらも、その未知なる存在に夢を馳せた。 それからおよそ20年。 ダンジョンという存在は完全にとは言わないものの、早い速度で世界に馴染んでいった。 ダンジョンに関する法律が生まれ、企業が生まれ、ダンジョンを探索することを生業にする者も多く生まれた。 そんな中、ダンジョンの中で獲れる素材を集めることを生業として生活する少女の存在があった。 ダンジョンにかかわる職業の中で花形なのは探求者(シーカー)。ダンジョンの最奥を目指し、日々ダンジョンに住まうモンスターと戦いを繰り広げている存在だ。 次点は、技術者(メイカー)。ダンジョンから持ち出された素材を使い、新たな道具や生活に使える便利なものを作り出す存在。 そして一番目立たない存在である、採集者(コレクター)。 ダンジョンに存在する素材を拾い集め、時にはモンスターから採取する存在。正直、見た目が地味で功績としても目立たない存在のため、あまり日の目を見ない。しかし、ダンジョン探索には欠かせない縁の下の力持ち的存在。 採集者はなくてはならない存在ではある。しかし、探求者のように表立てって輝かしい功績が生まれるのは珍しく、技術者のように人々に影響のある仕事でもない。そんな採集者はあまりいいイメージを持たれることはなかった。 しかし、少女はそんな状況を不満に思いつつも、己の気の赴くままにダンジョンの素材を集め続ける。 そんな感じで活動していた少女だったが、ギルドからの依頼で不穏な動きをしている探求者とダンジョンに潜ることに。 そして何かあったときに証拠になるように事前に非公開設定でこっそりと動画を撮り始めて。 しかし、その配信をする際に設定を失敗していて、通常公開になっていた。 そんなこともつゆ知らず、悪質探求者たちにモンスターを擦り付けられてしまう。 本来であれば絶望的な状況なのだが、少女は動揺することもあせるようなこともなく迫りくるモンスターと対峙した。 そうして始まった少女による蹂躙劇。 明らかに見た目の年齢に見合わない解体技術に阿鼻叫喚のコメントと、ただの作り物だと断定しアンチ化したコメント、純粋に好意的なコメントであふれかえる配信画面。 こうして少女によって、世間の採取家の認識が塗り替えられていく、ような、ないような…… ※カクヨムにて先行公開しています。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

処理中です...