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5階層ボス 1
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俺が五回層への道へ足を踏み入れると同時に周りに人の気配がなくなる。
今までは草原だったが一気に景色が変わり洞窟のような場所となっている。
周りは薄暗く壁にかけてあるロウソクの炎が灯りとなっている。
どうやらボス戦ということもあり個人での戦いになるらしい。
俺はパーティーを組んでいないためわからないがパーティーを作っていた場合はパーティー単位の戦いになるのかもしれない。
「おぉ、如何にもって感じだな…」
暗い道を少し進むと目の前に大きな扉が待ち構えている。
ロウソクの炎によって照らされた巨大な扉はそれだけで俺を圧倒させるほどだ。
待ちに待ったはじめてのボス戦だ。扉の前に立ち大きく深呼吸をする。
「ふぅ…行くか。」
大きな扉に両手を当て扉を開こうとする。すると目の前にシステムからのメッセージが表示される。
-----------------------------------------------
第五階層【試練の間】
クリア条件
・魔物の討伐
失敗条件
・死亡又はリタイア
・戦闘中のログアウト
参加プレイヤー
・ライト
挑戦しますか?
-----------------------------------------------
もちろんYESを選択する。YESを選択すると扉がゴゴゴと大きな音を出しながら独りでに動き出す。
完全に扉が開くと後ろから強風が吹く。
俺は風に押されるようにして部屋へと進む。
一歩部屋へと足を踏み入れると手前から順番に炎の灯りにより部屋が照らされる。
一番奥が照らされると俺の初めてのボスの姿が露わになる。
「どデカイ狼か…。」
俺の3倍はあるであろう巨大な狼が鋭い牙を剥き出しにしてヨダレを垂らしこちらを睨んでいる。
俺は食料か…逆だと言うことをすぐにわからせてやる。
「グルァァァァァ!!!」
ボスは雄叫びだか咆哮だかわからないような大きな音を出す。それだけで空気が振動し肌がピリピリし、やっとボス戦という実感が湧いてくる。
「行くぞ!」
ボスが俺に向かって走ってくると同時に俺もボスに向かって走り始める。
今回はシンプルに実力を試したいため手に入れた飛刃の剣は使用せず鉄の剣、短剣、魔法、投げナイフなどを使い戦おうと思う。
「火矢!」
まず俺は最初に火矢を構築し相手の強さを伺う。もちろんLV.2の火矢だ。
だがボスはそれを爪を振りかざし簡単に消しとばす。どうやら俺の攻魔では魔法によるダメージを与えられないようだ。
ボスはそのまま俺に突進し爪を振りかざし攻撃する。俺はそれをジャンプして避ける。だがボスはバク転のように体を回転させ太い尻尾を空中で身動きの取れない俺に叩きつけ地面に撃墜させる。
「ぐっ…厄介だな」
間一髪、剣で直接攻撃を防ぐことができたが危うい場面だった。直接攻撃を食らっていたら俺の防御力では致命的な一打になっていただろう。
一撃一撃が俺にとっては命取りだ、気を引き締めていこう。
ボスが俺に追撃してくるが今度はすぐに次の場面に移れるよう横に回避する。
どうやら素早さは俺の方が勝っているようだ。
だが俺が避けても避けてもボスは鋭い爪を振りかざし攻撃を続ける。
ここで今まで考えてきた技をボスの攻撃に合わせ使用する。
「グルァァァァァ!!!」
今までと同じようにボスは巨大で鋭い爪を思いっきり俺に向け振り下ろす。
「集中!」
俺はスキル[集中]を使用する。一気に周りの空間がゆっくりに感じるようになりボスの爪の攻撃の軌道まで見極めることが可能になる。
その爪とボスの間に背を向けるように入り込み超至近距離で攻撃をかわす。
このスキルと素早さがなくてはこの攻撃を超至近距離で躱すことは不可能な芸当だ。
そのままボスの攻撃を借りるように爪の描く軌道上に剣を構える。
俺の剣と爪が接触したと同時にボスの攻撃の勢いを借りて回転切りを繰り出す。
「くらえ!水車!」
「グァァァァァァァァァ!」
俺の剣術【水車】は綺麗にボスの左目へ繰り出され、ボスの目を下から上へと斜めに深く切り裂く。
完璧だ。想像しただけで試したことはなかったが理想の攻撃ができた。
深追いは危険なため一度ボスの顔を蹴って後ろに飛び、距離を取る。
「仕切り直して行きますか…!」
今までは草原だったが一気に景色が変わり洞窟のような場所となっている。
周りは薄暗く壁にかけてあるロウソクの炎が灯りとなっている。
どうやらボス戦ということもあり個人での戦いになるらしい。
俺はパーティーを組んでいないためわからないがパーティーを作っていた場合はパーティー単位の戦いになるのかもしれない。
「おぉ、如何にもって感じだな…」
暗い道を少し進むと目の前に大きな扉が待ち構えている。
ロウソクの炎によって照らされた巨大な扉はそれだけで俺を圧倒させるほどだ。
待ちに待ったはじめてのボス戦だ。扉の前に立ち大きく深呼吸をする。
「ふぅ…行くか。」
大きな扉に両手を当て扉を開こうとする。すると目の前にシステムからのメッセージが表示される。
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第五階層【試練の間】
クリア条件
・魔物の討伐
失敗条件
・死亡又はリタイア
・戦闘中のログアウト
参加プレイヤー
・ライト
挑戦しますか?
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もちろんYESを選択する。YESを選択すると扉がゴゴゴと大きな音を出しながら独りでに動き出す。
完全に扉が開くと後ろから強風が吹く。
俺は風に押されるようにして部屋へと進む。
一歩部屋へと足を踏み入れると手前から順番に炎の灯りにより部屋が照らされる。
一番奥が照らされると俺の初めてのボスの姿が露わになる。
「どデカイ狼か…。」
俺の3倍はあるであろう巨大な狼が鋭い牙を剥き出しにしてヨダレを垂らしこちらを睨んでいる。
俺は食料か…逆だと言うことをすぐにわからせてやる。
「グルァァァァァ!!!」
ボスは雄叫びだか咆哮だかわからないような大きな音を出す。それだけで空気が振動し肌がピリピリし、やっとボス戦という実感が湧いてくる。
「行くぞ!」
ボスが俺に向かって走ってくると同時に俺もボスに向かって走り始める。
今回はシンプルに実力を試したいため手に入れた飛刃の剣は使用せず鉄の剣、短剣、魔法、投げナイフなどを使い戦おうと思う。
「火矢!」
まず俺は最初に火矢を構築し相手の強さを伺う。もちろんLV.2の火矢だ。
だがボスはそれを爪を振りかざし簡単に消しとばす。どうやら俺の攻魔では魔法によるダメージを与えられないようだ。
ボスはそのまま俺に突進し爪を振りかざし攻撃する。俺はそれをジャンプして避ける。だがボスはバク転のように体を回転させ太い尻尾を空中で身動きの取れない俺に叩きつけ地面に撃墜させる。
「ぐっ…厄介だな」
間一髪、剣で直接攻撃を防ぐことができたが危うい場面だった。直接攻撃を食らっていたら俺の防御力では致命的な一打になっていただろう。
一撃一撃が俺にとっては命取りだ、気を引き締めていこう。
ボスが俺に追撃してくるが今度はすぐに次の場面に移れるよう横に回避する。
どうやら素早さは俺の方が勝っているようだ。
だが俺が避けても避けてもボスは鋭い爪を振りかざし攻撃を続ける。
ここで今まで考えてきた技をボスの攻撃に合わせ使用する。
「グルァァァァァ!!!」
今までと同じようにボスは巨大で鋭い爪を思いっきり俺に向け振り下ろす。
「集中!」
俺はスキル[集中]を使用する。一気に周りの空間がゆっくりに感じるようになりボスの爪の攻撃の軌道まで見極めることが可能になる。
その爪とボスの間に背を向けるように入り込み超至近距離で攻撃をかわす。
このスキルと素早さがなくてはこの攻撃を超至近距離で躱すことは不可能な芸当だ。
そのままボスの攻撃を借りるように爪の描く軌道上に剣を構える。
俺の剣と爪が接触したと同時にボスの攻撃の勢いを借りて回転切りを繰り出す。
「くらえ!水車!」
「グァァァァァァァァァ!」
俺の剣術【水車】は綺麗にボスの左目へ繰り出され、ボスの目を下から上へと斜めに深く切り裂く。
完璧だ。想像しただけで試したことはなかったが理想の攻撃ができた。
深追いは危険なため一度ボスの顔を蹴って後ろに飛び、距離を取る。
「仕切り直して行きますか…!」
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