ワールドエンド

秋夜

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episode1 〜現れた能力者〜

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俺の名前は夜埜(やの)騎鴑(キド)。
能力者だ。俺の能力は“物を同等の別のものに変える能力”。
まぁ使い勝手が良い我ながら良い能力だと思う。
使い方を間違えば良い方でも悪い方でも使える能力だが別にこの能力を使って悪事を働こうとかそんなめんどくさい事に俺は興味がない。
俺はただ平穏に何不住なく暮らせればそれで良い。
能力さえバレなければ追放される事はないし、何不住ない生活も送れる。
俺の人生計画完璧。のはずだったのに…。
俺はある男の差し金で命の賭け事のステージに立たされたのである。
その男は突然現れた。
家の中でいつも通りゆっくりしていた俺の部屋の床が突如強い光を放ち、二人の男たちが姿を現したのである。
「なっ…なんだ!?」
俺はその状況が全く理解できなかった。
つーか理解できるわけがない。
急に部屋の床が光り出して人が現れたんだから。
「まぁ驚くのも無理はねぇーがとりあえず落ち着いたらどうだ」
急に話しかけてきたのは見るからに悪そうな目つきにボサボサの髪だが話し方的に冷静なやつなのだと俺はなぜか悟った。
「申し訳ありません!急にお伺いして…。」
もう一人は執事服を身にまとっている子供のような顔をした気弱そうなやつだった。
どちらかと言えばこの執事の方が落ち着いてほしい。
人と接するのが苦手そうなタイプだな。
「まぁ急に伺って悪かった謝罪する。」
澄ました顔で思ってるか分からない謝罪をされた。
「あんた達は誰なんだ?さっきの光で突如現れたってことは能力を使った…ってことだよな?なんで俺なんかのところまでわざわざきたんだ?」
分からないことだらけの俺は早くその疑問を消したくて思いつく質問を片っ端から彼らに言ったのだ。
「まぁ一回落ち着いたらどこだ。時間はある。そんないっぺんに答えることはできない。」
彼はとても澄んだ目で俺にそう答えた。
確かに俺も戸惑った部分があって冷静な対応ができていなかった。
一旦落ち着こう…。
「落ち着いたか?」
彼は冷静に優しい声で俺に問いかけた。
もしかしたら彼はいいやつなのかもしれない。俺は素直にそう思った。
「あぁ、もう大丈夫だ。ありがとう。」
「それで?俺たちに何を聞きたいんだ。」
彼は俺の話すペースに合わせて話しかけてくれるからとても話しやすかった。
「とりあえずあんた達の正体を聞きたい。あんたは誰で、なんで俺のところに来たのか。」
まずはこの二つは聞いとかないといけない。俺は率直にそう思った。
「あぁそうか。自己紹介がまだだったな。すまない。俺の名前は成瀬(なるせ)流毅(ルキ)能力者だ。気軽に流毅とでも呼んでくれ。そんでこっちが…」
「あっ…えっと…僕は…」
俺はその時悟った。コミュ障なのだと。
恥ずかしそうに小さな声で自己紹介をしようとしたこいつには失礼だが…聞き取りにくい…。
俺の考えていることが伝わったのか流毅は深くため息を漏らし、先ほどの無表情の顔より少し苛立ちを隠せない表情をしていた。
そして先ほどの声よりも低い声でそっと口を開いた。
「おい、狗瑠兎(クルト)。お前、伝える気あんのか?そんな声で聞こえるわけないだろ?ブツブツブツブツ言ってないでもっとはっきり喋れよ!!」
おぉ…なかなかの迫力だな…。これは怒らせたら怖いタイプだな。
「ほら狗瑠兎、名前は」
「成瀬狗瑠兎です。兄様と同じ能力者です。」
兄様!?兄弟なのか!?に…似てねぇ…似てないのにも限度があるっていうか…逆に似てる所を教えて欲しいぐらいだ…。
「まぁそんな驚くなよ。俺らは正真正銘血を繋がった兄弟だ。」
なんで思ってることがわかるんだよこいつエスパーか…
まさかそういう能力か?
「言っとくが俺はお前の心の声がわかる能力とかそんなんじゃないからな。お前がすぐに顔に出てわかりやすいだけだからな。」
いやいやいやとは言え、わかりすぎだろ!そこまでわかるか?普通。
「それで?なんで二人はわざわざ俺の家に来たんだ?俺がお前らの能力のことを話せばお前らはその世界からの追放…殺されるんだぞ?」
不思議だ…。こいつらは能力を隠してここに来たのではなく、堂々と自分の…どちらかの能力を使いここに現れた。つまり俺は少なくともこいつらにとっては無害な存在だと思われている…。
なんでだ…?俺はこいつらと会ったことはもちろん、見かけたことすらないのに…。
「もちろん俺らもわざわざ危険を冒してまで仲良くおしゃべりしに来たんじゃない。」
やはりか。何かこいつらには目的があるみたいだな。
「兄様そろそろ…」
気弱そうな狗瑠兎が流毅にそう伝えると流毅は少し笑みを浮かべ、
「あぁ…本題と行こうか」
そういったのである。
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