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第三十四話:黒幕の登場
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純白の回廊を抜けた先、巨大な球体の前に一行はたどり着いた。乳白色の光を放つ、直径五十メートルはあろうかという巨大な球体。あれが、このダンジョン『アストライア』の心臓部、『マスターコア』に違いない。
だが、そのコアの前には、先客がいた。
これまで対峙してきた召喚士たちとは違う。漆黒のローブに金の刺繍が施された、明らかに格上の男が、十数人の部下を率いて待ち構えていた。
「ようやく来たか、研究者の娘。そして、イレギュラーの小僧」
男は、フードの下から歪んだ笑みを浮かべた。その声には、聞き覚えがあった。『アーク』の幹部、第十九階層で遭遇した召喚士たちを率いていた男だ。
「お前は……!」
「我が名はゲオルグ。『アーク』の第七司祭だ。君たちの活躍は、管理者殿の記録映像で楽しませてもらったよ。まさか、あのAIを突破するとは、予想外だったがね」
ゲオルグは、芝居がかった仕草で手を広げる。「だが、ここまでだ。マスターコアは、我々がいただく。古代の栄光を取り戻し、愚かな現人類を粛清するために、この『アストライア』を再起動させる」
「そんなこと、させるものか!」
リリアが剣を構える。だが、ゲオルグは余裕の表情を崩さない。
「おや、威勢がいい。だが、君にそれができるかな? 何しろ……君の母親、エリアーナ博士は、我々の計画に、最後には賛同してくれたのだから」
「……何、を……?」
リリアの動きが止まる。ゲオルグの言葉は、にわかには信じがたいものだった。
「知らなかったのか? エリアーナ博士は、確かに最初は我々に反抗した。だが、彼女は自らの研究の果てに、現人類の愚かさに気づいたのだよ。この世界は、一度浄化されなければならない、とね。彼女は自らの意志で、アストライアの制御権を我々に譲り渡そうとした。まあ、その直前に、不慮の事故で亡くなられたが……実に惜しいことだ」
ゲオルグは、心底残念そうに肩をすくめて見せる。それが、リリアを精神的に揺さぶるための嘘である可能性は高い。だが、万が一、それが真実だとしたら? 母は、世界を滅ぼそうとしていた? リリアの心に、深い疑念と混乱が渦巻く。
「嘘だ……母さんが、そんなことをするはずがない!」
「嘘だと思うなら、確かめてみるがいい。このマスターコアには、エリアーナ博士の全研究データと……彼女の最後の『遺言』が記録されている。さあ、どうする? 我々を倒して、君の母親が世界の敵であったという真実と向き合うか?」
ゲオルグの言葉は、リリアの心を的確に抉る、最も残酷な刃だった。
だが、そのコアの前には、先客がいた。
これまで対峙してきた召喚士たちとは違う。漆黒のローブに金の刺繍が施された、明らかに格上の男が、十数人の部下を率いて待ち構えていた。
「ようやく来たか、研究者の娘。そして、イレギュラーの小僧」
男は、フードの下から歪んだ笑みを浮かべた。その声には、聞き覚えがあった。『アーク』の幹部、第十九階層で遭遇した召喚士たちを率いていた男だ。
「お前は……!」
「我が名はゲオルグ。『アーク』の第七司祭だ。君たちの活躍は、管理者殿の記録映像で楽しませてもらったよ。まさか、あのAIを突破するとは、予想外だったがね」
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「そんなこと、させるものか!」
リリアが剣を構える。だが、ゲオルグは余裕の表情を崩さない。
「おや、威勢がいい。だが、君にそれができるかな? 何しろ……君の母親、エリアーナ博士は、我々の計画に、最後には賛同してくれたのだから」
「……何、を……?」
リリアの動きが止まる。ゲオルグの言葉は、にわかには信じがたいものだった。
「知らなかったのか? エリアーナ博士は、確かに最初は我々に反抗した。だが、彼女は自らの研究の果てに、現人類の愚かさに気づいたのだよ。この世界は、一度浄化されなければならない、とね。彼女は自らの意志で、アストライアの制御権を我々に譲り渡そうとした。まあ、その直前に、不慮の事故で亡くなられたが……実に惜しいことだ」
ゲオルグは、心底残念そうに肩をすくめて見せる。それが、リリアを精神的に揺さぶるための嘘である可能性は高い。だが、万が一、それが真実だとしたら? 母は、世界を滅ぼそうとしていた? リリアの心に、深い疑念と混乱が渦巻く。
「嘘だ……母さんが、そんなことをするはずがない!」
「嘘だと思うなら、確かめてみるがいい。このマスターコアには、エリアーナ博士の全研究データと……彼女の最後の『遺言』が記録されている。さあ、どうする? 我々を倒して、君の母親が世界の敵であったという真実と向き合うか?」
ゲオルグの言葉は、リリアの心を的確に抉る、最も残酷な刃だった。
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