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第五十話:二人が進む道
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集落に戻ると、その変化は誰の目にも明らかだった。病に伏せていた子供たちは元気を取り戻し、大人たちの顔にも血の気が戻っている。集落の人々は、カイとリリアを救世主として称え、心からの感謝を捧げた。
「ありがとう、英雄様たち! このご恩は、決して忘れません!」
その夜、集落で開かれたささやかな宴の中心で、リリアは静かに考えていた。母の仇を討つためだけに振るってきた自分の剣。だが、今、その力で人々を守り、彼らの笑顔を取り戻すことができた。その事実は、彼女の心に、これまで感じたことのない温かい満足感を与えてくれた。自分の力は、まだ、誰かのために使える。
宴が終わり、二人は集落の外れにある丘の上で、満天の星を眺めていた。燃え盛る焚き火の音が、心地よい静寂の中に響いている。
「カイ」
リリアが、不意に口を開いた。「私、分かった気がする。これから、私が何をすべきなのか」
「……」
カイは、黙って彼女の言葉の続きを待つ。
「世界は、確かに癒されつつある。でも、今日みたいに、光の届かない場所で、まだ苦しんでいる人たちがいる。私は、そういう人たちのために、この剣を振るいたい。もう、誰かのためじゃなく、私自身の意志で」
その瞳には、迷いはなかった。彼女は、新しい目的を見つけたのだ。
「奇遇ですね、リリアさん」
カイは、微笑んで言った。「俺も、同じことを考えていました。俺のこの力は、そういう人たちを見つけ出すためにあるのかもしれないって」
二人は、顔を見合わせて、どちらからともなく笑い出した。考えていることが、同じだった。目指す場所が、同じだった。もう、言葉は必要なかった。
「決まり、ね」
「はい」
外れスキルと蔑まれた少年と、方向音痴の最強剣聖。彼らの新しい冒険が、ここから始まる。それは、ダンジョンを攻略するような華々しいものではないかもしれない。誰にも知られず、歴史にも残らない、地道な旅になるだろう。
だが、それでよかった。互いという、唯一無二の相棒が隣にいれば、どんな道だって進んでいける。
「さて、と」
リリアは立ち上がると、悪戯っぽく笑ってカイに尋ねた。
「それで、私たちの新しい旅は、どっちの方角へ向かうのかしら? 私のナビゲーターさん」
カイも立ち上がり、夜空を流れる優しい風を感じながら、答えた。
「そうですね。まずは、この風が運んでくる、海の匂いがする方へ行ってみましょうか」
二人は、星明かりの下、新たな道を、確かな足取りで歩き始めた。彼らの伝説は、まだ、終わらない。
「ありがとう、英雄様たち! このご恩は、決して忘れません!」
その夜、集落で開かれたささやかな宴の中心で、リリアは静かに考えていた。母の仇を討つためだけに振るってきた自分の剣。だが、今、その力で人々を守り、彼らの笑顔を取り戻すことができた。その事実は、彼女の心に、これまで感じたことのない温かい満足感を与えてくれた。自分の力は、まだ、誰かのために使える。
宴が終わり、二人は集落の外れにある丘の上で、満天の星を眺めていた。燃え盛る焚き火の音が、心地よい静寂の中に響いている。
「カイ」
リリアが、不意に口を開いた。「私、分かった気がする。これから、私が何をすべきなのか」
「……」
カイは、黙って彼女の言葉の続きを待つ。
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その瞳には、迷いはなかった。彼女は、新しい目的を見つけたのだ。
「奇遇ですね、リリアさん」
カイは、微笑んで言った。「俺も、同じことを考えていました。俺のこの力は、そういう人たちを見つけ出すためにあるのかもしれないって」
二人は、顔を見合わせて、どちらからともなく笑い出した。考えていることが、同じだった。目指す場所が、同じだった。もう、言葉は必要なかった。
「決まり、ね」
「はい」
外れスキルと蔑まれた少年と、方向音痴の最強剣聖。彼らの新しい冒険が、ここから始まる。それは、ダンジョンを攻略するような華々しいものではないかもしれない。誰にも知られず、歴史にも残らない、地道な旅になるだろう。
だが、それでよかった。互いという、唯一無二の相棒が隣にいれば、どんな道だって進んでいける。
「さて、と」
リリアは立ち上がると、悪戯っぽく笑ってカイに尋ねた。
「それで、私たちの新しい旅は、どっちの方角へ向かうのかしら? 私のナビゲーターさん」
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「そうですね。まずは、この風が運んでくる、海の匂いがする方へ行ってみましょうか」
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