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第七十七話 ドワーフの知恵とろ過装置
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森の浄化作業は着実に進んでいた。しかし最も厄介な問題が残っていた。川へと流れ込んでしまった有毒な廃液だ。
魔法や植物の力だけでは完全に浄化するには限界があった。
「何か物理的に汚れを取り除く仕組みが必要だな……」
ギデオンが腕を組んで唸る。
その時陽だまり亭に懐かしい客が訪れた。
以前湊の石窯ピザに感銘を受けたあの頑固なドワーフの鍛冶師バルガンだった。
彼は森の異変の噂を聞きつけ心配して様子を見に来てくれたのだ。
事情を聞いたバルガンはその豊かな髭をしごきながら言った。
「ふむ。それなら儂の専門分野だ。最高の”ろ過装置”を作ってやろう」
ドワーフは鍛冶だけでなく石や水に関する高度な技術を持つ種族でもあった。
バルガンは早速川岸で図面を引き始めた。
それは幾重にも重なった層を持つ巨大なろ過装置の設計図だった。
一番下の層には大きな石。その上に小さな砂利。そして炭、砂と大きさの違う素材を重ねていくことで水を物理的に浄化する仕組みだ。
「理屈は単純だが素材の選び方と層の厚さが肝心なのだ」
バルガンは職人の目で語った。
次の日からドワーフとオークによる夢の共同作業が始まった。
オークの兄弟がその怪力で川から大量の石や砂利を運び上げ、バルガンはその確かな目で素材を選別していく。
炭はリザードマンが知っている最高の木材を焼いて作った。
人間と魔物そしてドワーフ。
それぞれの得意分野を活かし一つの巨大な装置が組み上げられていく。
数週間後、川岸には見事な石造りの巨大なろ過装置が完成した。
川の汚れた水が装置の一番上から流れ込み何層ものフィルターを通過していく。
そして一番下の排出口から出てきた水は……。
「おおっ……!」
誰もが息をのんだ。
黒く濁っていたはずの水が嘘のように透き通っている。
湊がその水をカップにすくい匂いを嗅いでみたが、あの不快な匂いは完全に消えていた。
「見事だ、バルガン殿!」
「ふん、ドワーフの技術をなめるなよ」
バルガンは誇らしげに胸を張った。
その日の陽だまり亭ではろ過装置の完成を祝う宴会が開かれた。
湊が腕を振るったのは「ドワーフのスタミナスープ」。
浄化されたばかりの清らかな水を使い、たっぷりの香味野菜と岩トツゲのすじ肉をことことと煮込んだ栄養満点のスープだ。
味付けにはバルガンが故郷から持ってきた岩塩と黒ビールに似た酒を隠し味に。
そのスープは労働で疲れた男たちの体に染み渡る、力強くそして深い味わいだった。
「うめえ! これは力がみなぎるぜ!」
「儂らの仕事への最高の賛辞だな!」
ドワー-フたちもオークたちも満足そうにスープを啜っている。
異なる種族が持つ異なる知恵と技術。
それが一つになった時不可能と思われた問題さえも解決できる。
陽だまり亭に集う仲間たちの絆はまた一段と強く深まった。
森の再生は大きな一歩を踏み出したのだ。
魔法や植物の力だけでは完全に浄化するには限界があった。
「何か物理的に汚れを取り除く仕組みが必要だな……」
ギデオンが腕を組んで唸る。
その時陽だまり亭に懐かしい客が訪れた。
以前湊の石窯ピザに感銘を受けたあの頑固なドワーフの鍛冶師バルガンだった。
彼は森の異変の噂を聞きつけ心配して様子を見に来てくれたのだ。
事情を聞いたバルガンはその豊かな髭をしごきながら言った。
「ふむ。それなら儂の専門分野だ。最高の”ろ過装置”を作ってやろう」
ドワーフは鍛冶だけでなく石や水に関する高度な技術を持つ種族でもあった。
バルガンは早速川岸で図面を引き始めた。
それは幾重にも重なった層を持つ巨大なろ過装置の設計図だった。
一番下の層には大きな石。その上に小さな砂利。そして炭、砂と大きさの違う素材を重ねていくことで水を物理的に浄化する仕組みだ。
「理屈は単純だが素材の選び方と層の厚さが肝心なのだ」
バルガンは職人の目で語った。
次の日からドワーフとオークによる夢の共同作業が始まった。
オークの兄弟がその怪力で川から大量の石や砂利を運び上げ、バルガンはその確かな目で素材を選別していく。
炭はリザードマンが知っている最高の木材を焼いて作った。
人間と魔物そしてドワーフ。
それぞれの得意分野を活かし一つの巨大な装置が組み上げられていく。
数週間後、川岸には見事な石造りの巨大なろ過装置が完成した。
川の汚れた水が装置の一番上から流れ込み何層ものフィルターを通過していく。
そして一番下の排出口から出てきた水は……。
「おおっ……!」
誰もが息をのんだ。
黒く濁っていたはずの水が嘘のように透き通っている。
湊がその水をカップにすくい匂いを嗅いでみたが、あの不快な匂いは完全に消えていた。
「見事だ、バルガン殿!」
「ふん、ドワーフの技術をなめるなよ」
バルガンは誇らしげに胸を張った。
その日の陽だまり亭ではろ過装置の完成を祝う宴会が開かれた。
湊が腕を振るったのは「ドワーフのスタミナスープ」。
浄化されたばかりの清らかな水を使い、たっぷりの香味野菜と岩トツゲのすじ肉をことことと煮込んだ栄養満点のスープだ。
味付けにはバルガンが故郷から持ってきた岩塩と黒ビールに似た酒を隠し味に。
そのスープは労働で疲れた男たちの体に染み渡る、力強くそして深い味わいだった。
「うめえ! これは力がみなぎるぜ!」
「儂らの仕事への最高の賛辞だな!」
ドワー-フたちもオークたちも満足そうにスープを啜っている。
異なる種族が持つ異なる知恵と技術。
それが一つになった時不可能と思われた問題さえも解決できる。
陽だまり亭に集う仲間たちの絆はまた一段と強く深まった。
森の再生は大きな一歩を踏み出したのだ。
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