光の花

橘天音

文字の大きさ
14 / 14

恋の決着に牡丹を添えて

しおりを挟む
和膳先生から、一通の手紙、いや俳句が届く。

流れ星
欲しいと願うは
貴女心

顔が赤くなる。
とうとうか。私は告られたのだ。
「きゃああああぁぁぁぁ!!」
「どうなさいました!?先生!」
「こ、これ!!」
涙目で赤くなって見せる。
「きゃあぁぁぁぁぁ!!先生これって!!!」
二人で目を見合わせて、再びその俳句に目を向ける。
「これ、って…あるよね?無いわけないよね?」
「なかったら私は和膳先生の女たらしっぷりに見る目を疑いますよ。」
「え、どうしよ!どうしよ!」
すると電話が鳴る。
大慌てで私が出ると、電話の向こうから和膳先生の声がした。
「すみません。今大丈夫ですか?」
「は、はいっ…」
声がずーっと震える。しかもすごく声が高い。
「あ、あの句を詠んでしまったのですね。」すごく恥ずかしそうな声が聞こえたかと思うと。
「ふぉーく先生、いや陽子さん。僕の想いはあの句達の通りです。そ、それで…」と和膳先生もどもってしまう。
「あ、あの、和膳先生!」私も勇気を振り絞って声を出すが、
「はい。」
「私の想いもあの句達に載せています。だから、その…」
「すいません。その先はやっぱり、僕に言わせてもらえませんか?」
「はい…」
二人とも無言が続く。そして、ついに和膳先生が沈黙を破った。
「陽子さん。…ぼ、僕とお付き合いしていただけませんか?もちろん、私の障がいでは、私が迷惑をおかけすることも多いので、無理にとは言いませんが…」後半になるに連れ、声がどんどん小さくなる。
「あ、秋斗さん。私は先ほども言ったはずです。俳句に全て想いを乗せたと。だ、だから、そんなにマイナスにならないでください。あ、貴方の表現力に惚れ込んでしまったのですから、もう、戻ることはできません。だ、だから、こちらこそよろしくお願いします!」
顔から耳まで熱く涙目で話す。心臓の音はマネージャーさんに届くかなと思うほど大きく速く鼓動を打った。
「…僕でいいのですか?」
「貴方から告白をしておいて何をおっしゃってるんですか。私は貴方じゃなきゃ嫌ですよ。」フフフと笑いながら電話越しの秋斗さんに言う。
「…よ、よろしくお願いします。」
「はい、また文を送ります。」
「そうですね…では、また。」
ガチャリと電話が切れた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」と私は思いっきり叫ぶ、ここ十年近くなかったこんな甘い話が私に舞い込むとは!
こうして、私と和膳先生。いや、秋斗さんは付き合うことになったのだ。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

処理中です...