【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

新章 溺愛編

お茶会

各国の王族や高位貴族を招いてのガーデンパーティー。



マクシミリアン陛下が挨拶をして、同じくらいの小さな子がいる貴族が、思い思いに集まる。


揃いの正装をした公爵夫妻は目立っていて、美男子カップルに母親たちがウットリしている。


二人の子どもである男の子は、白のスーツを着て、王子様のようだ。
父親に似た面立ちは、将来、麗しい若者になるだろう。

しっかりした頭の良さそうな子で、あいさつもエスコートもちゃんとしている。

そして、ピッと背筋の伸びた体幹は、腰の剣からして、かなり母親に鍛えられていることが見てとれた。　
　



当然、１番人気で女の子を中心に集まるが。

何故かともに連れてきた、従者と思われる白銀の虹色に輝く髪の子と、ずっと話し込んでいる。



「サザン！　アリス様とお話できないわ!　なんとかして!」

オレンジ色の髪の少女ーサウス王国の王女ーにたのまれて、サザンは公爵夫妻に声をかけた。

武人として、公爵夫人の強さに関心があった。


今や若くして騎士団の副団長。




神速のクリス。




なぜ、これ程の人が男の妻となっているのか。


現れた本人は、確かに男の嫁に相応しく見える。線の細い、小柄な男。


よく分からない。





試しに剣を拔いて襲いかかってみると、簡単に剣で塞がれた。


「お見事。」


「そちらもなかなかやるようで。でも、随分なあいさつですね。」


「いや、ライバルも多そうなので目立たないと。あなたの腕も確かめたかったので。」

そういうと夫人は笑った。


ああ、いい。












サウス王国の王女をアリスに紹介して、適当に子ども同士遊び始めたようだ。


しかし、なんだ、こいつは。

浅黒い肌に赤の隊服。
サウス王国の将軍らしい。

強者同士、話が合うようで、つまらない。


その時、会場の橋から叫び声が聞こえた。








ーーーーーーースタンピードだ。




でも、そんなばかな。