【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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新章 溺愛編

貴方は戦場に咲く華

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サザン将軍もなかなかやる。

いつか、手合わせしてみたい。


大きな刀で切り裂いていく姿は、惚れ惚れする。



お祖父様も現役時代は、ああだったのだろうな。

俺もあんなふうだったら、良かった。



俺は、翼の生えたトカゲのような、蛇のような。

見たこともない、大きくて体の長い生き物の群れと対峙していた。

たぶん、ドラゴンだとは思う。



木の幹を足場に体に乗り移り、跳ねて、魚を捌くように切り裂くと、血飛沫があがり、悲鳴が聞こえる。

仲間の血の匂いに怒り、彼らは俺に狙いを定めた。

のぞむところだ。



斃されて落下するドラゴンの体を駆け上り、次の獲物へ。

もう一匹の吐く炎を避けながら。



神速をなめるなよ!











遠くからクリスを見守る。

大丈夫そうだ。

しかし、あのモンスターの形がわからない。

ベースが何か分からない。

もしかしたらあれは、違う土地から来たのではないか。


嫌な予感がする。

自分の中で眠る魔王に語り掛ける。







『ーーーーーーああ。

あれは、東の島国のじゃないかな。

私の婚約者だった娘の、産まれた国だよ。

もしかしたら、研究が持ち出されていたかもしれない。

私の研究じゃないから、遺伝子に私に従うプログラムがない。

守れ。


お前の大切な妻を。


私も、嫌な気がする。』

















これであと少し!




最後のドラゴンに向う。





ガサッ。






草の音に気を取られ、見下すと、メイドが逃げ遅れて、震えている。





「早く! 向こうへ!!」


手を出して、助けようとして。



「キャアアアアア!!!!!!」



俺は、ドラゴンに酷く噛まれた。 










「公爵夫人!」

取りこぼした最後の一匹は、サザン将軍が倒してくれた。


安心しながら、意識が遠くなる。






たぶん、血の海。




右手がない気がする。





アイスとアリスたちが、駆け寄ってくる。


ごめん、下手打った。















「大丈夫だよ。アリス。お母様の右手、持ってきて。」


ザオラルが、何か言っている。


寿命が縮むからあまり使えないんだけど。


ザオラルの体が輝き、人の体に、神獣の羽が生える。



やわらかい光が、俺を包む。










あれ?

手がある。










「俺の能力、回復系。」


ザオラルがはにかんだ。




良かった!





ぐちゃぐちゃのアイスに抱きしめられた。

本当に良かった。




でも、本当に何だったんだろう。

スタンピードなんて。








ーーーーーこの時、俺たちは気づいていなかった。


メイドの足を掴むようにのびていた黒い影が、サッと引くのを。
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