【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

文字の大きさ
290 / 415
アヴニール編【学園編】

サークル活動のご案内

しおりを挟む
学園に入学すると、サークルへの参加が義務付けられている。


「アヴはどうする?」

「うーん、どうしようかなあ。先輩が絶対に入っちゃダメって言ってるサークルがあるから、そこは避けるけど。」

アヴは鞄から紙を出した。


「入っちゃダメ?」


「うん。エッチなことばかりするからダメって。」


ああ、ヤリサーリストか。

「俺も参考にしたいから後で見せてな。」

「入りたいの?」

「まさか。逆! 入るならちゃんと活動してるトコがいい。」

後ろで聞き耳立ててる奴らは入りたいだろうけど。



ガラッ。

クラスに、上級生が入ってきた。


取り巻きが赤いカーペットを敷き、花びらを撒く。

掃除のことを考えてほしい。


あ、この人。入学式で見た。


ピンクゴールドの髪をなびかせ、白い特注の制服。翡翠のような瞳で顔は笑顔。

童話に出てくる王子のような、軟派そうなイケメンだ。


「君がアヴニール=クレイソンだね。はじめまして。私は、グラス=ロマンツォ。」


「はあ。」


「この学園の当代生徒会長をしている。因みに実家は友好国のゴンドラ王国の王太子だよ。」

グラス王太子は、アヴにウインクをした。


あー。なんか分かった。しーらない。


「王太子ですか。たいへんですね。」


「成績も常に学年トップでファンクラブもあるんだよ。」


「そうなんですか。すごいですね。」


「ぜひ君には、我が生徒会に…」


「お断りします。」


「エッ」


「お断りします。」


「はい、先輩帰った帰った。」

俺が追い払ってると、担任が来た。


「授業が始まるので、お帰り願います。」

ああ、顔が怖い。


会長は、無駄なイケメンオーラで、諦めない宣言をして去っていった。



アヴに聞いたら、生徒会もリストに入っているらしい。


そして何故か、会長は今日1日ついてなくて、動物のフンを踏んだり、ボールが顔面にぶつかったり、滑ったり、服が溶けたり。たいへんだったらしい。







「………ということが今日はありましたよ。」

「ご苦労。ピーター。」


また、アヴに悪い虫が。



「すごい顔してるわよ、キャッツアイ。」

心配しなくても、アヴニールはそういうタイプは好みじゃないと思う。

むしろ気を付けるなら、友だちのキリアじゃないかしら。

アヴニールもクリスと一緒で、筋肉好きだもの。
しおりを挟む
感想 106

あなたにおすすめの小説

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!

藤吉めぐみ
BL
【12/28に非公開にする予定です】 国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。 そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。 初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが…… 架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。

佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。

【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜

キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」 平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。 そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。 彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。 「お前だけが、俺の世界に色をくれた」 蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。 甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】

晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

処理中です...