【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

アヴニール編【学園編】

新婚旅行の最初の夜

「素敵でしょ！このバンガロー！」

砂浜を走って、無邪気にアヴニールが案内する。


「あそこのブランコは、昔お父様とお母さまが『仲良し』したらしいよ！」

夜に誰も見てないからしたらしいけど、仲良くするのにだれか見てたらやだとか、照れ屋さんだと思う！


と、親の秘密を気付かずに暴露していく。





「夕餉はバーベキューをご用意させていただきますが、こちらで調理も致しますか？それともここで私どもは下がらせていただいた方がよろしいでしょうか。」


バンガローの管理人の人が、『新婚旅行』なのを気を使ってくれたので、こちらで決めちゃう。



「では、あとは自分たちで致しますので。食器や材料の準備だけでお願いします。」

キャッツアイ先輩はお料理上手だもんね！


お片付けの時は、呼んだら来てくれるんだって。

お部屋のお片付けも、お出かけしている間にやるから、お部屋から電話してほしいって言われた。



夫婦でゆっくりできそう！






バンガローは同じプライベートビーチに２棟並んでるタイプになっている。

ジュリエッタお姉さまが生まれたときは、１棟しかなかったんだけど、公爵家に子どもが増えて、大きくなっていったのにあわせて、１棟増やしてくれたのだ。


お父様とお母さまが仲良しすぎるかららしいけど、仲良しだったらなんで棟を分けないといけないのかよくわからない。






バーベキューをみんなで焼いて、ごはんして。それぞれのお部屋に入って。

新婚旅行の初めての夜が来たんだよ。












今でも信じられない。


祝福されて、奥さんになれるなんて。

新婚旅行に来たなんて。



「いい香り…。」



薔薇の香油が垂らされたしっとりしたお湯が体にしみる。

広いお風呂。


南国の花が飾られて、素敵。



お湯に、自分の顔が映る。


数えきれないくらいの男に抱かれてきた。

商品だったから、後にまで残って治らないような痕はつけられなかったけど、肌の奥深くに刻まれているような気がする。


磨いても磨いても、きれいになる気はしない。

色んな男の手垢が内にも外にもついて、こびりついているような自分。





かちゃ。



「キャット。」





お風呂に、キリアが入って来た。



「あ、…っ。ここ、さすが公爵家が泊ってるだけあるね！　一緒に旅行して得した！　ほら、いいにおい。」




「また、なんか考えてたでしょ？」



一緒の浴槽に入って来たキリアが、後ろから抱きしめてきた。




「ちょっと…、はやいんじゃないっ？」



「新婚旅行なんだから、いいじゃないですか。」




結婚式をしてから子宮を入れたから、子宮を作ってからのエッチは初めて。


僕がキリアにあげられる初めてなんて、殆どないけど。

ここは、キリアのために作った新品だから。



「キリア…。ここは、キリアが初めてだから。ここをキリアのでいっぱいにして。」


アヴニールのように初心じゃない。

男を誘う手管が染み付いてる。



こんな僕を選んでくれた若い夫のために、早く赤ちゃんを産んであげたい。

若く見えても、もう27歳なんだもの。


「絶対に離さないから。こんなに愛情深くて、優しい人をお嫁さんにできた俺はラッキーです。」


またそんな。

キリアは欲しかった言葉をくれる。


「キスして。」


口にキスも、キリアとしかしてないんだよ。