【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。

竜鳴躍

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切なさと悲しみと

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「プリンシパル………。」

アムールは、自分のアパートの一室で、壁にもたれて座っていた。


自分のことをそんなふうに思ってくれていたなんて。



嬉しい。


自分の秘めた想いと、彼も同じだった。



だけれど、自分の身を考えれば考えるほど、彼の胸に飛び込んでいくわけにはいかない。



だって、彼は王太子。この国の国王陛下になる人なのだから。


そもそも王族に純潔でない自分が嫁ぐなどありえない。



彼がただのプリンシパルだったなら、その手をとったかもしれない。

自分の過去も全て、彼なら受け入れてくれただろうから。




11歳のあの日に、終わってしまったのだ。

もう、誰にも愛されないだろうし、愛さないだろう。
結婚することもできないだろう。

可能性があるとするならば年の離れた男の後妻に入るくらいだけど、あの日を思い出すからそれはできない。

だから、一生一人。


そう思って生きてきた。


愛さないつもりが、この年になって恋をしてしまったけど。




「………恋ってこんなに胸が苦しくなるものだったんだ…。」



涙が一筋、頬を伝った。

もう、研究室でティータイムはできないな。




涙を零して一瞬目を伏せて、拭って開けると、そこには彼の弟が立っていた。




「………!?あなたは、彼の…!」


「第三王子 ネニュファールです。さ、行きますよ?」

「えっ、ちょ どこへ…」


手首を掴まれると、その瞬間、空間がゆがむ。


その先は王家の庭園で。

薔薇の咲き誇るその中に、プリンシパルが第二王子のサンベリルとともに立っていた。
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