わんこな庶務は魔王な生徒会長に憧れる

竜鳴躍

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熟年編

お隣さん

「ねえ、オリエ。」

ソファでくつろいでいるヒューズが、窓の外を見て、話しかけた。

ここには、オリエとヒューズしかいない。
窓の外だって、高い垣根に囲まれて、植え込みしか見えないのに。


「最近、お隣騒がしいね。」


「………お隣の坊っちゃんがお誕生日のパーティーをするから、準備しているらしいですよ。」

「そうなんだ。ケーキ美味しいよね。」



週末、デュラン様の誕生日パーティーがある。

本来なら王弟として、大事に育てられるべきなのに、こんな箱庭に閉じ込められたヒューズ。


学友も友達もいない。


「焼きましょうか?ケーキ。」

「いいの!?今日は普通の日なのに。」

「毎日がパーティーでもいいじゃないですか。」


なにもない彼のために、俺があげられるものならいくらでもあげたい。



でも、ケーキを焼くためにキッチンにこもった俺は、ヒューズがまだ外を見ていたことを気づいていなかった。
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