暗殺者は王子に溺愛される

竜鳴躍

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子どもたちの保護

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愛するお父様と、ケヴィンに付き添われて、組織の隠れ家を後にする。

年若い構成員をはじめ、組織のメンバーは、怪我を負ってはいたものの、拘束されて連れていかれた。

もしかしたら、誘拐された子どもたちが混ざっている可能性もあるし、騙されて仲間になった者もいるかもしれないと考えたのだろうか。

騎士団は、始末するより捕える方向でいたようだ。


隠れ家の中には、『教育』の始まっていない子どもたちがいる。


俺が部屋を教えた。


「ああっ!ぶらっきー!!よかった、しんじゃったってきいてたの!」

「おかえりなさい、ぶらっきー!」


無邪気な笑顔。まだ何も知らない子どもたち。

ここが、ただの孤児院だと思っている子どもたち。

これから別の場所へ部屋を分けられ、暗殺者として教育が始まり、娼婦として売られる者と分けられ、自分の運命を自覚した。


屈んで、同じ目線になる。


「人気者だな。」


ケヴィン王子が目を細めた。


「…うん、子どもたちのお世話は、年上の子の仕事だったから。俺の場合は、ここを出た後も仕事がない時は世話に来てたし。」


「ぶらっきー、あの人たちだあれ?」

「俺のお父さんと、……だいすきな人だよ。ねえ、俺の話、聞いてくれる?」



みんな、本当のお父さんたちが見つかったんだよ。

お父さんたちは、俺たちを捨てたわけじゃなかったんだ。
みんな、悪い人に誘拐されて、ここに連れてこられていたんだよ。

本当の家族は、ずっと探してくれていたんだ。

だからこれからここを出て、本当のおうちに行くんだよ。


そういうと、みんな、ぱあっと笑顔の花を咲かせた。








翌日、薄暗い部屋で、騎士団長とともに、ケヴィンは情報を確認していた。

ケヴィンは、催眠術が得意で、相手の意思に関係なく、自白を促す技術に長けていた。

目の前の男ーーーージェネシスには、両腕と両足がない。

両腕をケヴィンと団長で斬り落とした後、城に連れて帰って両足も斬り落とした。

一切の抵抗ができないように。

どのみち最後には、ギロチンにかけられることが決まっている。



「隠れ家にいた0歳から12歳の子どもたち8名は、無事、実家に送り届けた。組織で働かされていた子どものうち、18歳以上はやはり、サンを除いてはゼロ。」

訓練中、もしくは実際に仕事をしていて生き残っていたのは、サンを入れて3名。

使い捨てにされた彼らは、仕事で死ぬことや、病気で死ぬことが多かった。


【暗殺者:2名】

ブラッキー 本名 サン=ノース      ノース侯爵嫡男(一人っ子) 18歳

レッド   本名 トロワ=サンダルフォン サンダルフォン公爵 三男  15歳


【娼婦:1名】

オーロラ  本名 ボヌール=リッシュ   リッシュ辺境伯  次男    15歳


「これで当たっているか?」


ケヴィンの青い目が暗闇で光る。


「………ああ。まちがいない。」



「………連れていけ。」
騎士団長の合図で、騎士が囚人を連れて行った。


「……サンダルフォン公爵は今、どうしてる?」

「……なかなか、難しそうだ。だが、少しずつであるが、彼も理解してきたらしい。」

「問題はボヌールの方か。」

「幸い、医師の診察によれば、変な病気は移されてはいない。だが、一生の傷だろうからな。3年、娼婦をしている。人を殺めるのがどうしても嫌だと言って、娼婦になったらしい。見た目もオーロラ色に輝く銀髪の、なかなかきれいな子だった。」

「………この子の居場所が分かってから、辺境伯はこの子の客として毎晩通っていたとは聞く。この子がこれ以上穢されないようにしたのだろう。」


辛い。



どうか、この子たちに幸せが訪れますように。








「おかえりなさい、お父様、ケヴィン殿下。」

執務室から出ると、城の応接間でサンが待っていた。


「…本当にお疲れ様、よくやりましたね。さすが、私の自慢の息子ですわ。」王妃がほほ笑む。

「ちょっと!俺はあ?」

デュラン王太子が冗談気に困った顔をする。

その隣には、いつも一緒のリリーナ嬢はいない。

帰って来たカワイイ弟を愛でるために、しばらく王太子は放置されるらしい。


ケヴィンとサンは、甘く見つめあい、あらあらと生暖かい目で見守られる中、複雑な顔をする騎士団長。


婚約の手続きも、すぐ、かもしれない。

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