暗殺者は王子に溺愛される

子どもたち

その頃

その頃、ノース公爵家ではケヴィンと騎士団長を引退したクラウドが大騒ぎだった。


「ああ！シャルが家出をしてしまった。なんてことだ！早く探さないと、シャルは抜けてるところがあるから、親切な顔をした狼に！」

「わたしのかわいい孫があ!!」


そんな中、リッシュ辺境伯家から遣いが来る。


ニースが暫く守るので、安心してほしい。

本人の希望もあり、詳しくは言えないが、任せてほしい。


「ニースなら安心だ、良かった。」

サンはホッと胸をなでおろした。




我慢がならないのはアンジェラだ。

嫉妬のあまり、彼女はシャルの家出とニースのことを、第一王子たちにぶち撒けてしまったのである。



「へえ、ニースがねえ。まあ。ヘタレだから危険はないが。」

「ヒース様。ニースをとっちめますか？」

「エアル。まあ、今はいい」



「あいつが出張ってくるほうが嫌だ。」

「ああ、ホーリー様ですね。」


サンダルフォンの血を引く三人はよく似ていた。　





ざーんねん。
君の部屋には盗聴器があるんだよねえ。

　
その頃、ゾーン王国では、ホーリーが思考していた。

シャルは、俺の妃にするのだ。


どうにかして、出し抜かなければ。