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男爵令嬢の誤算
嘘でしょ!?
私の加護は小さな癒しの力だった。
癒しの力はレアだ。
擦り傷を治せるくらいの力でも、私はちやほやされた。
そして運がいいことに、私は可愛かったのよ。
学園でちょっぴり怪我をしたプラム殿下を見つけて、ちょっと……お近づきになれるかもって思ったのよ。
軽い気持ちだったの。
憧れの人に近づきたい、同じ空気を吸ってみたい。
本当にそれだけだったのよ?
なのに、癒しの力で治してあげたら聖女だのなんだのって持て囃されて、私はだんだんその気になっちゃった。
側室でもいいわ!
私は王子様に選ばれたの。
私のために選ばれるお飾りの妃は男の子で、「加護ナシ」なんですって。
ふふ、私はこの世界で主人公みたい!
王子様のお妃として、お城で暮らして、素敵なドレス、みんなに傅かれて…。
うわぁあ!なんてすばらしいのかしら!
私は一人っ子だけど、男爵位なんてどうでもいいわよね。娘が王族になるんだから、家も箔がつくってもんよ。
お母様だって頑張ればまだ子どもを産めるだろうし、お母様が無理でも親戚もいるし。
――――――――それなのに。
「えっ。」
陛下に即位したプラム殿下のお兄様に家族で呼び出されて。我が耳を疑った。
プラム殿下は王族から抜ける?
お飾りにしようとしたのが、よりによって顕現した神様で怒りを買った?
それでうちの入り婿に!!!???
嘘でしょ!
「俺様が婿に来てやるんだ。嬉しいだろう!」
「俺様の部屋は一番いい部屋にしろよ。」
「食事がまずい。」
煩い煩い煩い!!!このごく潰しが!!!!
こんなの縁を切ってお返ししたいけど、王命ではどうしようもない。
私はこの男と添い遂げなければならないのだ。
私はわずかな魔力でポーションづくりの内職を始めた。
癒しの力を精いっぱいこめる。
『聖女』クラスの力じゃないから、一つ一つに時間はかかるけど、それでも良い稼ぎになる。
領地経営も私の仕事。
一日働いてへとへとなのに、夜は求めてきて腹立たしい。
私のお腹にはすぐに子どもができた。
王族なのに、王族じゃない。かわいそうな子ども。
願わくば王家の莫大な魔力を持って生まれてほしい。
優秀な子でありますように。
この男爵家を発展させてほしい。
子どもは男子だ。きっと立派に大事に育てよう。
でもそのためにも、もっと稼ぎたい。
困っていたら、陛下から魔道具をプレゼントされた。
ペアで持つことで、魔力を共有することができるのですって。
豪華な装飾だったから、阿保のプラムは喜んで自分の指にはめた。
何もする気がない男だから、こいつから魔力を吸い上げる。
腐っても王子、プラムの魔力で私はたくさんの質の良いポーションを作れるようになった。
プラムは魔力を吸われて、疲れやすくなり、ベッドから起き上がらなくなって段々ずぼらになってきたけど、私にはどうでもいいことだ。
私の加護は小さな癒しの力だった。
癒しの力はレアだ。
擦り傷を治せるくらいの力でも、私はちやほやされた。
そして運がいいことに、私は可愛かったのよ。
学園でちょっぴり怪我をしたプラム殿下を見つけて、ちょっと……お近づきになれるかもって思ったのよ。
軽い気持ちだったの。
憧れの人に近づきたい、同じ空気を吸ってみたい。
本当にそれだけだったのよ?
なのに、癒しの力で治してあげたら聖女だのなんだのって持て囃されて、私はだんだんその気になっちゃった。
側室でもいいわ!
私は王子様に選ばれたの。
私のために選ばれるお飾りの妃は男の子で、「加護ナシ」なんですって。
ふふ、私はこの世界で主人公みたい!
王子様のお妃として、お城で暮らして、素敵なドレス、みんなに傅かれて…。
うわぁあ!なんてすばらしいのかしら!
私は一人っ子だけど、男爵位なんてどうでもいいわよね。娘が王族になるんだから、家も箔がつくってもんよ。
お母様だって頑張ればまだ子どもを産めるだろうし、お母様が無理でも親戚もいるし。
――――――――それなのに。
「えっ。」
陛下に即位したプラム殿下のお兄様に家族で呼び出されて。我が耳を疑った。
プラム殿下は王族から抜ける?
お飾りにしようとしたのが、よりによって顕現した神様で怒りを買った?
それでうちの入り婿に!!!???
嘘でしょ!
「俺様が婿に来てやるんだ。嬉しいだろう!」
「俺様の部屋は一番いい部屋にしろよ。」
「食事がまずい。」
煩い煩い煩い!!!このごく潰しが!!!!
こんなの縁を切ってお返ししたいけど、王命ではどうしようもない。
私はこの男と添い遂げなければならないのだ。
私はわずかな魔力でポーションづくりの内職を始めた。
癒しの力を精いっぱいこめる。
『聖女』クラスの力じゃないから、一つ一つに時間はかかるけど、それでも良い稼ぎになる。
領地経営も私の仕事。
一日働いてへとへとなのに、夜は求めてきて腹立たしい。
私のお腹にはすぐに子どもができた。
王族なのに、王族じゃない。かわいそうな子ども。
願わくば王家の莫大な魔力を持って生まれてほしい。
優秀な子でありますように。
この男爵家を発展させてほしい。
子どもは男子だ。きっと立派に大事に育てよう。
でもそのためにも、もっと稼ぎたい。
困っていたら、陛下から魔道具をプレゼントされた。
ペアで持つことで、魔力を共有することができるのですって。
豪華な装飾だったから、阿保のプラムは喜んで自分の指にはめた。
何もする気がない男だから、こいつから魔力を吸い上げる。
腐っても王子、プラムの魔力で私はたくさんの質の良いポーションを作れるようになった。
プラムは魔力を吸われて、疲れやすくなり、ベッドから起き上がらなくなって段々ずぼらになってきたけど、私にはどうでもいいことだ。
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