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真面目なあの子は夜の蝶
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抑制剤の入ったカバンは、紀里谷先生が見つけてくれていた。
薬で落ち着いた俺は、助けてくれたみんなにお礼をして、その日はバイトを休んだ。
室岡さんにもメールして、電話で直接お礼を言った。
お客さんたちは、掲示板の書き込みをみてびっくりして、俺を助けるために仕事を抜け出して集まってくれたみたい。
事件が片付いて、急いでそれぞれの職場に帰っていった。
今度、お礼に手作りクッキーでも焼いてプレゼントしよう。
「蜂谷、北斗高校だったんだな。俺も北斗だったんだ。おかしいな、少しは通っていたんだろう?気づかないなんてありえないんだが。」
先生と北村に付き添われてアパートに帰る。
いいって言ったのに、心配だからどうしても送るって。
送られながら、たわいもない会話をする。
「あたりまえじゃない?俺、北村の1コ下だもん。高校いかずに受験資格を大検でとったから、17で大学に入学したの。俺。」
「なるほど、………本当にお前は規格外だな。」
「オメガを馬鹿にしてるのか?」
「いや、アルファでもなかなかいないぞ。人として規格外だ。」
「はははっ。そこが蜂谷君の面白……魅力だよね。」
先生、今、面白いって言おうとしたでしょ。
なんか楽しいな。
アルファとかオメガとかじゃなくて、このまま友達になれたらいいのに。
しかし、事件のせいで俺の平穏は終わっていたのだ。
どんなに繕っても正体がバレた今、変装する必要はないので、翌日は素の姿で行った。
男子たちは遠巻きにチラチラこっちを見てる。
慣れるしかないよなあ。
いつもの席に腰掛けると、すぐ後ろの席から声がした。
「蜂谷君綺麗ねぇ。美人が目立たないように地味にしてたって設定、私好きよ。」
西野さんがニコニコしている。
「西野は漫画家らしいぞ。」
なぜか俺の隣に座る北村。
「へー、漫画家!すごいじゃん。」
「あらあら、隣に座るのを許すくらいには仲良くなれたのね。よかったじゃない、北村君。」
「まぁ、助けてもらったよしみもあるし。悪い奴じゃないってのは分かったからな。」
「あ!あんた!あの地味男の正体があんただったとはね!」
教室にいきなり乗り込んできた派手な女。
「花梨!?」
「おい、北村。お前の女だろ、もう少しで授業始まるんだから黙らせろよ。」
「花梨は幼馴染で、俺の女じゃない。」
「拓海!酷い!」キッと女は俺を睨む。「あんたが私の拓海を誑かしたんでしょ!風俗嬢だもんね!お手の物よね!」
風俗嬢。
教室がシーンと静まり返る。
女は言ってやった!とすっきりしたのか、鼻の穴を膨らませて悦に入っているようだ。
教室の男どもは顔を真っ赤にして俺を見ている。
想像してるだろ!
薬で落ち着いた俺は、助けてくれたみんなにお礼をして、その日はバイトを休んだ。
室岡さんにもメールして、電話で直接お礼を言った。
お客さんたちは、掲示板の書き込みをみてびっくりして、俺を助けるために仕事を抜け出して集まってくれたみたい。
事件が片付いて、急いでそれぞれの職場に帰っていった。
今度、お礼に手作りクッキーでも焼いてプレゼントしよう。
「蜂谷、北斗高校だったんだな。俺も北斗だったんだ。おかしいな、少しは通っていたんだろう?気づかないなんてありえないんだが。」
先生と北村に付き添われてアパートに帰る。
いいって言ったのに、心配だからどうしても送るって。
送られながら、たわいもない会話をする。
「あたりまえじゃない?俺、北村の1コ下だもん。高校いかずに受験資格を大検でとったから、17で大学に入学したの。俺。」
「なるほど、………本当にお前は規格外だな。」
「オメガを馬鹿にしてるのか?」
「いや、アルファでもなかなかいないぞ。人として規格外だ。」
「はははっ。そこが蜂谷君の面白……魅力だよね。」
先生、今、面白いって言おうとしたでしょ。
なんか楽しいな。
アルファとかオメガとかじゃなくて、このまま友達になれたらいいのに。
しかし、事件のせいで俺の平穏は終わっていたのだ。
どんなに繕っても正体がバレた今、変装する必要はないので、翌日は素の姿で行った。
男子たちは遠巻きにチラチラこっちを見てる。
慣れるしかないよなあ。
いつもの席に腰掛けると、すぐ後ろの席から声がした。
「蜂谷君綺麗ねぇ。美人が目立たないように地味にしてたって設定、私好きよ。」
西野さんがニコニコしている。
「西野は漫画家らしいぞ。」
なぜか俺の隣に座る北村。
「へー、漫画家!すごいじゃん。」
「あらあら、隣に座るのを許すくらいには仲良くなれたのね。よかったじゃない、北村君。」
「まぁ、助けてもらったよしみもあるし。悪い奴じゃないってのは分かったからな。」
「あ!あんた!あの地味男の正体があんただったとはね!」
教室にいきなり乗り込んできた派手な女。
「花梨!?」
「おい、北村。お前の女だろ、もう少しで授業始まるんだから黙らせろよ。」
「花梨は幼馴染で、俺の女じゃない。」
「拓海!酷い!」キッと女は俺を睨む。「あんたが私の拓海を誑かしたんでしょ!風俗嬢だもんね!お手の物よね!」
風俗嬢。
教室がシーンと静まり返る。
女は言ってやった!とすっきりしたのか、鼻の穴を膨らませて悦に入っているようだ。
教室の男どもは顔を真っ赤にして俺を見ている。
想像してるだろ!
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