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番外編など
失恋には新しい恋を
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「かいくん!グランパだよ!」
「じいじだよ!」
ある土曜日。いつも張り合っている二人が北村家に現れた。
なかなか早くに帰れない省庁勤めの拓海は、それでもなるべく帰れるようにしている代わりに、今日は溜まった仕事の解消のため休日出勤している。
代わりに定時退社・土日休暇に徹している蜜瑠は、自宅のパソコンからリモートで会社の自分の端末にアクセスし、資料整理をしながら家事をしていたが、マウスから手を離し、家のドアを開けた。
「もう、どうしたんですか?」
「かいくんいる?」
「海なら、自室で受験勉強してますけど。」
オメガはいつヒートが起こるか分からない。
薬が効くと言っても、なるべく夜道を一人で歩かないほうがいいから、受験勉強は有名予備校のビデオによる通信学習を選んだ。
陸の方は、家にいると兄にべったりで集中しないから、平日は塾に叩き込んでいるが、今日は陸も自室で勉強している。
「蜜瑠、悪いが少しだけでいいんだ。海を呼んでくれないか。」
「はぁ…。」
自分の父親から渡された有名店のホールケーキを受け取って、蜜瑠は海を呼んだ。
応接間に二人の祖父が並び、母さんはお土産のケーキをカットして、それに合わせたダージリンをサーブした。
めいめいが席について、祖父たちは咳ばらいをする。
「かいくん、失恋したんだって?聞いたよ。」
「海くんの魅力が分からないなんて、目が節穴だな!」
「父さんたち、いったいどこからその情報を…。」
「りっきゅんからだよ!LINEで愚痴ってたよ!」
「(父さんたちLINEグループなのかよ…。)それで今日は何の要件です?可愛い孫の傷口でも抉りに来たなら帰ってください!」
「じいじとグランパね、海くんに相応しい男の子を探してきたんだよ!」
「上津野兄弟のどっちかが海君と結婚してくれたら嬉しかったんだが、一君に続いて二君も他に想い人がいるらしくてね。でも、負けないくらいいい子を探したんだ!」
「……えっ。ちょっと待ってください。まさか…………。」
「「そう、海くんのお見合いだよ!」」
おとーーーーーーさーーーーーーーーーん!
「失恋には新しい恋が一番の特効薬さ!海くんの魅力が分からない男なんてぽいぽい!」
「来週の土曜日に帝国ホテルでセッティングしたから!すぐに決めなくてもいいから、まずは会ってみない?」
海の手を、二人の祖父が握りしめる。
そりゃあ、新しい恋をした方がいいんだろうけどさ!
「海、おじい様たちが言うこと、聞かなくてもいいんだからね!」
「…………ううん。母さん。大丈夫。……じいじ、グランパ。ありがとう。会うだけでいいなら会ってみる。もしかしたら、その人が僕の運命の人かもしれないし。」
――――大変だ。
柱の影で聞き耳を立てて、陸は今にも叫びそうな口を両手で押さえた。
本人はああいうけど、こういうのって会ってしまったらズルズルいくものじゃないのだろうか。
………ポッと出のよくわからん男に兄さんを持っていかれてなるものか。
兄さんが本当に好きなのは癪だけど、氷室なんだ。
「じいじだよ!」
ある土曜日。いつも張り合っている二人が北村家に現れた。
なかなか早くに帰れない省庁勤めの拓海は、それでもなるべく帰れるようにしている代わりに、今日は溜まった仕事の解消のため休日出勤している。
代わりに定時退社・土日休暇に徹している蜜瑠は、自宅のパソコンからリモートで会社の自分の端末にアクセスし、資料整理をしながら家事をしていたが、マウスから手を離し、家のドアを開けた。
「もう、どうしたんですか?」
「かいくんいる?」
「海なら、自室で受験勉強してますけど。」
オメガはいつヒートが起こるか分からない。
薬が効くと言っても、なるべく夜道を一人で歩かないほうがいいから、受験勉強は有名予備校のビデオによる通信学習を選んだ。
陸の方は、家にいると兄にべったりで集中しないから、平日は塾に叩き込んでいるが、今日は陸も自室で勉強している。
「蜜瑠、悪いが少しだけでいいんだ。海を呼んでくれないか。」
「はぁ…。」
自分の父親から渡された有名店のホールケーキを受け取って、蜜瑠は海を呼んだ。
応接間に二人の祖父が並び、母さんはお土産のケーキをカットして、それに合わせたダージリンをサーブした。
めいめいが席について、祖父たちは咳ばらいをする。
「かいくん、失恋したんだって?聞いたよ。」
「海くんの魅力が分からないなんて、目が節穴だな!」
「父さんたち、いったいどこからその情報を…。」
「りっきゅんからだよ!LINEで愚痴ってたよ!」
「(父さんたちLINEグループなのかよ…。)それで今日は何の要件です?可愛い孫の傷口でも抉りに来たなら帰ってください!」
「じいじとグランパね、海くんに相応しい男の子を探してきたんだよ!」
「上津野兄弟のどっちかが海君と結婚してくれたら嬉しかったんだが、一君に続いて二君も他に想い人がいるらしくてね。でも、負けないくらいいい子を探したんだ!」
「……えっ。ちょっと待ってください。まさか…………。」
「「そう、海くんのお見合いだよ!」」
おとーーーーーーさーーーーーーーーーん!
「失恋には新しい恋が一番の特効薬さ!海くんの魅力が分からない男なんてぽいぽい!」
「来週の土曜日に帝国ホテルでセッティングしたから!すぐに決めなくてもいいから、まずは会ってみない?」
海の手を、二人の祖父が握りしめる。
そりゃあ、新しい恋をした方がいいんだろうけどさ!
「海、おじい様たちが言うこと、聞かなくてもいいんだからね!」
「…………ううん。母さん。大丈夫。……じいじ、グランパ。ありがとう。会うだけでいいなら会ってみる。もしかしたら、その人が僕の運命の人かもしれないし。」
――――大変だ。
柱の影で聞き耳を立てて、陸は今にも叫びそうな口を両手で押さえた。
本人はああいうけど、こういうのって会ってしまったらズルズルいくものじゃないのだろうか。
………ポッと出のよくわからん男に兄さんを持っていかれてなるものか。
兄さんが本当に好きなのは癪だけど、氷室なんだ。
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