17 / 20
初めて好きな相手と双方の同意を得た恋愛初心者は色々とめんどくさい
しおりを挟む
「ただいまぁ。」
「おかえり、竜。デート楽しかった?」
「んー。………ふつう。」
竜は部屋にこもってしまった。
「普通って何なのかしら。もう冷めちゃったのかしら…。」
まあ、婚約はあくまでも婚約であって結婚ではないのだから、合わなければ別れればいい。
昔と違ってそんなに大ごとになるものでもないし。
今日の夕飯は何にしよう。
冷蔵庫にある食材を考えながら、ルウは台所にまな板をのせた。
「アルファさんのばか。俺はアルファさんだけなのに。浮気なんかしてないし。」
確かに、今日のデートの内容は林と普通に遊びに行くのと変わらなかったかもしれない。
だけど、アルファさんに今の自分の世界を見せたかった。
一緒に遊んでみたかった。
「俺って子どもっぽすぎるのかな。」
鏡を見れば、少女のような顔。
「こう見えても、同級生には大人っぽいって言われるし、ちゃんと女の子にカッコイイって言われるんだぞ。引退するまではサッカー部のエースだったんだし?」
戦術を立てて指揮をするのが好きだったから、長く司令塔だった。
「……でも40過ぎの紳士からしたら子どもか。」
他の奴とは違う、特別なんだからな、ってキスくらいしてあげたらよかったかな。
翌朝からアルファさんの愛が余計に重くなった。
「歩けます、歩けますから!」
道行く人がざわめく。
学生が道を開ける。
高級車から降りて、クラスに行くまで。お姫様抱っこで運ばれる。
「やあ林くん、おはよう。」
「はひ、おはようございます!」
「竜は私の婚約者だから。卒業したら私の妻になるから。」
「は?」
「私のモノだから!」
「も~~~~~~~!やめてください!!」
恥ずか死する。
「おかえり、竜。デート楽しかった?」
「んー。………ふつう。」
竜は部屋にこもってしまった。
「普通って何なのかしら。もう冷めちゃったのかしら…。」
まあ、婚約はあくまでも婚約であって結婚ではないのだから、合わなければ別れればいい。
昔と違ってそんなに大ごとになるものでもないし。
今日の夕飯は何にしよう。
冷蔵庫にある食材を考えながら、ルウは台所にまな板をのせた。
「アルファさんのばか。俺はアルファさんだけなのに。浮気なんかしてないし。」
確かに、今日のデートの内容は林と普通に遊びに行くのと変わらなかったかもしれない。
だけど、アルファさんに今の自分の世界を見せたかった。
一緒に遊んでみたかった。
「俺って子どもっぽすぎるのかな。」
鏡を見れば、少女のような顔。
「こう見えても、同級生には大人っぽいって言われるし、ちゃんと女の子にカッコイイって言われるんだぞ。引退するまではサッカー部のエースだったんだし?」
戦術を立てて指揮をするのが好きだったから、長く司令塔だった。
「……でも40過ぎの紳士からしたら子どもか。」
他の奴とは違う、特別なんだからな、ってキスくらいしてあげたらよかったかな。
翌朝からアルファさんの愛が余計に重くなった。
「歩けます、歩けますから!」
道行く人がざわめく。
学生が道を開ける。
高級車から降りて、クラスに行くまで。お姫様抱っこで運ばれる。
「やあ林くん、おはよう。」
「はひ、おはようございます!」
「竜は私の婚約者だから。卒業したら私の妻になるから。」
「は?」
「私のモノだから!」
「も~~~~~~~!やめてください!!」
恥ずか死する。
11
あなたにおすすめの小説
《完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ
MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
続編執筆中
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
happy dead end
瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」
シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる