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ジョエルの気持ち
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スノウは、エリムのことも私のことも、ユーリカ嬢のこともなんとも思っていない。
親しくはなれたが、友人としか思っていない。
だが、その中であっても、私はエリムに…今のところ負けている気がする。
侯爵令息になったエリムが、視覚を得て、立派な紳士になったとき。
スノウの隣でいられるのは私だろうか。
ぼんやりとしていたら、スノウに笑われた。
「ジョエル、サンドイッチの具、おとしちゃうよ?」
案外おっちょこちょいなんだから!
そう言う笑顔が可愛い。
スノウが。
アップル公爵家に何事も起きていなければ。
あの魔女が公爵家に近づいていなければ。
スノウは公爵令嬢として育てられていただろう。
私のいとことして、城に遊びに来ていたかもしれない。
母親同士のお茶会の側で、一緒におやつを食べて、ともに成長したに違いない。
そうすれば、自然と私たちは婚約者として結ばれていただろうし、スノウも私を想ってくれていたかもしれない。
スノウが奪われた18年間は、私にとっても奪われた18年間。
そして、被害に遭う令嬢もいなかったことだろう。
「スノウ……っ。」
「何?ジョエル。」
「エリムにはタイタンをつけるから、湖まで行ってみないか?」
「そういうことなら、一緒に釣りでもしましょうか、エリム様。俺が支えていれば安全ですよ。」
「釣りなら私もやってみたいですわ!お転婆かしら!」
こうしてみんなでいるのも楽しい。
でも、スノウの愛が欲しい。
親しくはなれたが、友人としか思っていない。
だが、その中であっても、私はエリムに…今のところ負けている気がする。
侯爵令息になったエリムが、視覚を得て、立派な紳士になったとき。
スノウの隣でいられるのは私だろうか。
ぼんやりとしていたら、スノウに笑われた。
「ジョエル、サンドイッチの具、おとしちゃうよ?」
案外おっちょこちょいなんだから!
そう言う笑顔が可愛い。
スノウが。
アップル公爵家に何事も起きていなければ。
あの魔女が公爵家に近づいていなければ。
スノウは公爵令嬢として育てられていただろう。
私のいとことして、城に遊びに来ていたかもしれない。
母親同士のお茶会の側で、一緒におやつを食べて、ともに成長したに違いない。
そうすれば、自然と私たちは婚約者として結ばれていただろうし、スノウも私を想ってくれていたかもしれない。
スノウが奪われた18年間は、私にとっても奪われた18年間。
そして、被害に遭う令嬢もいなかったことだろう。
「スノウ……っ。」
「何?ジョエル。」
「エリムにはタイタンをつけるから、湖まで行ってみないか?」
「そういうことなら、一緒に釣りでもしましょうか、エリム様。俺が支えていれば安全ですよ。」
「釣りなら私もやってみたいですわ!お転婆かしら!」
こうしてみんなでいるのも楽しい。
でも、スノウの愛が欲しい。
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