異世界転移した性奴隷は若き辺境伯の愛に溺れる

竜鳴躍

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恐ろしい辺境伯

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「チッ……。毎日毎日同じものじゃ飽きるな。たまにはこう…煮込み料理とかスープも食べたい。大体この屋敷は寒いんだよ。」

寒いし、でも物資の補給はできないし、火を起こしたら煙でばれるし。
ルビー家に潜むマイケル元王子は、一人で舌を打つ。


うまくシリウスを辺境伯家に忍び込ませたはいいが、なかなか抜け出せないらしい。

おかげで身の回りのことを自分でしなくてはならないし、身バレ防止でなかなか外出ができないから外食ができないというのに、ある程度日持ちがして簡単に食べられるものといえばサンドイッチの材料くらいしかなくて。


シチューとかスープとか液体状のものは持ってこれないからもちろん食べられないし。


イライラしながらも、風呂場で自分の服を洗濯し、ほうき等で自分の周囲を掃除する。

陽があたり、比較的カーテンが開いていてもバレにくい裏手の客間の端から端にロープを通し、そこに洗濯ものをかけておく。

なお、火が起こせないので日々の風呂も水風呂だ。



「正直言えば金が全くないわけじゃないんだよな…。変装すればちょっと食事をして帰ってくるくらい大丈夫だろう。」





あんまり長距離は動きたくない。

目立つのは嫌だから、人が多い方がいい。

冒険者ギルドに併設されたレストランがちょうど良さそうだ。

ああいう店は早くて、安くて、うまくて、大盛なんだろう?

今の私にはピッタリだ。


屋敷に残された使用人の私服に身を包み、髪の毛は染料でありふれた茶色に染めておく。

そうして辿り着いた店!


ドキドキした。

ハラハラした。

やればできるじゃないか、私!


この緊張感、病みつきになるかもしれない。



「シチューを一つ。できれば大盛で。」


「あいよ。」



ふふ。

誰も私が元王子だと気づいていないな。


しょうがないな、私は変装の達人だったのだな。

自分の才能が怖い。

日焼けしてそばかすが出来たせいってことはないだろう。



悦に入りながらシチューをすくう。

うまい!

なかなかやるじゃないか。庶民の味も。

上品な透明感はないが、しっかりとれた獣のダシ。
ガツンとしたコク。

肉はほろほろだ。

ところどころトゥルンとした透明なところがあるのはなんだろう。
これがいい。




「……なぁ聞いたか。ノイマン殿下がいたという娼館の噂…。」

「聞いた聞いた。行方不明者が何人もいるんだろ?」


「普段だったらありえない場所で死んでたらしい。」


「ありえない場所って」


ん?

物騒な話だな。

ご飯がおいしくなくなるじゃないか。



「排水の中に落ちてたり、路地裏とか。餓死してたらしい。」

「なんか目の焦点が合わなくなってゾンビモンスターみたいになってるのを見たとかも聞いたな。」

「それが、全員ともそうなったのは辺境伯が身請けした男娼の客だったらしい。」

「エーッ、なんかこえぇ。」

「まだ18だというのに恐ろしいったらないよ。全員、そうなったのは、まあ悪質な奴らだったらしいけど。」


これって、辺境伯の能力では?

確か辺境伯領のルビー家の領主と娘がああなってなかったか?



なんということだ。

こんな恐ろしい男の元にあの夫人は。

しかしいいことを聞いた。

何もそこまでする必要ないだろう。

これをネタに、国民に訴えてみよう。


そうだ。マナエルとかいうヤツの能力だって恐ろしい。


あんな奴らに国を任せたら怖いですよ、危険ですよって、私が演説したら風向きだって変わるだろう!



今度シリウスが帰ったらこのことを伝えてみよう。

アレのことだから、要らない正義感できっと夫人にいうだろう。

恐らく夫人には秘密にしているはず。


それを知ったら夫人は今までのようにいられるかな?


ははは。夫婦関係など壊れてしまえばいい!

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