57 / 133
初めての夜
しおりを挟む
「やあ。ようこそいらっしゃい。うちのシェフが腕によりをかけてこしらえたんだ。嫌いなものがないといいのだが。」
公爵様がニコニコしている。
「まあ、なんて可愛い子かしら。ブラックやホワイトもそれはもう小さい頃はかわいかったのに、こんなに大きくなっちゃって。ソルトもあんな感じで、自分の見た目なんか気にしないでしょう?私、とっても残念だったのよ。あなたがお嫁さんに来てくれたら、毎日私がお洋服を見立てていいかしら?」
侯爵夫人の目がキラキラしている。
「ミリーさん、嫌なものは嫌ってハッキリ言ってた方がいいよ。遠慮して曖昧にしてると、ミリーさんのお家にある日突然大量の服が送られてくるからね?こんなの、どこに着てくのーっていうのが。」
ソルト様にズバッと言われて、公爵夫人は口を膨らませた。
「公爵夫人、たいへんありがたいのですが、俺は普段、市井で診療所の医師をしていますので、あまりひらひらしていたり、高級な服は必要ないんです。薬品も使いますし、血で汚れることもありますし。」
「あらぁ、でももうすぐ、ソルトの病院が完成するから、診療所を閉めてそちらへ移るんでしょう?」
「…それはそうですね。市井には市井の近い距離に診療所があったほうがいいと思ってたので、初めは向こうも残しておこうと思ってましたけど、殆ど俺の診療所があったあたりに、建ててもらえたので。」
「お金がなくても平等に診療が受けられるように国営にしたのに、城や貴族街の近くにあってもしょうがないからね。」
「国営ってことは、国のお仕事をするも同然でしょう?ねえ、ソルト。そこで働くお医者さんたちに制服とか作らないのかしら?」
公爵夫人がぐいぐい行くので、ソルト様が困った顔になった。
「お母さま、制服の話はあとで。せっかくの夕餉が冷めますよ。いただきましょう。」
ホワイト様が助け船を出してくださって、楽しい夕餉が始まった。
こんなに、受け入れてもらえるなんて。
嬉しくて、泣きそう。
「じゃあおやすみなさい、ミリーさん。」
「お兄さま、頑張って!」
ソルト様たちや皆様と別れて、ブラック様とお部屋に帰る。
今夜は、ブラック様のお部屋に泊まるように…言われた。
部屋に入ると、夕餉の間に整えてくれたベッドがあって。
ランプの灯りで暖かく照らされて。
ブラック様はホワイト様の御部屋でお風呂に入ってくるから、お風呂に入ってて、って言われた。
公爵家のお風呂は広くて、石鹸も花の香りがした。
お風呂に入る時に、バスタオルと一緒に置かれているのを見ていた夜着は、白の薄布で。
侍女の人がおいてくれたものだと思うと、みんな分かっていて見守ってくれているのだと思った。
準備に、こんなにドキドキして、抱かれるのを期待していたことなんてない。
思えば、15歳で脅迫されて愛人をさせられていたから、学校には通っていたけど、自分には恋も青春も何もなかった。
こんなふうに胸を高鳴らせたことも。
俺がこんなかわいいの着ても、おかしくないかなと思ったけど、喜ばれるならと恥ずかしいけど着てみた。
正直、裸より恥ずかしい。
おずおずとベッドルームに戻れば、ブラック様はもうベッドに腰掛けていて。
目が合うと、ブラック様の顔が赤くなった。
「お、おかしくないかな。これが置かれていて。」
「いや、ものすごく綺麗だ。かわいい。黒髪に白が映えるな。色も白いからかな。」
思い切って、ブラック様の隣に腰掛けた。
肩に手が触れ、顔が近づいて。
唇が触れる、と思った時には、やわらかいベッドの上に横になってた。
「………んっ。」
唇が離れ、ブラック様のごつごつした指が、太ももに触れ、下穿きを外した。
「そんな、まじまじとみないで…。」
「綺麗だ。愛してる、ミリー。」
愛してるなんて、こそばゆい。
一生、縁がないと思っていた。
「嬉しい。俺もあなたを愛しています。」
ブラックの太い首に触れ、背中に腕を回し、彼の指に秘所を解されて。
「……っ、あ、あぁっ。」
硬くてそれなりの質量が、若さを主張しながら肉を分け入る様に少しずつ入ってくる。
誰よりも奥まで来て。
俺のそこをあなたの形にして。覚えさせて。
痛みを逃がすのは慣れていて。
息を吐いて、奥までそれを受け入れた。
「…ん、ミリーっ。」
「あっ、あ。……ぶらっ…。」
自分から欲しがるのは初めて。
欲しがったのは、あなただけ。
翌朝、何もなかったように、公爵家の人たちは優しくて。
ブラック様に送られて、俺は診療所に行った。
昨日と同じ服じゃよくないから!と、公爵夫人が用意していた着替えに替えて。
きっと、公爵夫人はずっと前から準備していたんだ。
俺がこの家に来た時のために。
それが、ものすごくうれしくて。
ここまででもとても幸せだったのに、玄関でブラック様に指輪を贈られて。
嬉しくて涙が出た。
公爵様がニコニコしている。
「まあ、なんて可愛い子かしら。ブラックやホワイトもそれはもう小さい頃はかわいかったのに、こんなに大きくなっちゃって。ソルトもあんな感じで、自分の見た目なんか気にしないでしょう?私、とっても残念だったのよ。あなたがお嫁さんに来てくれたら、毎日私がお洋服を見立てていいかしら?」
侯爵夫人の目がキラキラしている。
「ミリーさん、嫌なものは嫌ってハッキリ言ってた方がいいよ。遠慮して曖昧にしてると、ミリーさんのお家にある日突然大量の服が送られてくるからね?こんなの、どこに着てくのーっていうのが。」
ソルト様にズバッと言われて、公爵夫人は口を膨らませた。
「公爵夫人、たいへんありがたいのですが、俺は普段、市井で診療所の医師をしていますので、あまりひらひらしていたり、高級な服は必要ないんです。薬品も使いますし、血で汚れることもありますし。」
「あらぁ、でももうすぐ、ソルトの病院が完成するから、診療所を閉めてそちらへ移るんでしょう?」
「…それはそうですね。市井には市井の近い距離に診療所があったほうがいいと思ってたので、初めは向こうも残しておこうと思ってましたけど、殆ど俺の診療所があったあたりに、建ててもらえたので。」
「お金がなくても平等に診療が受けられるように国営にしたのに、城や貴族街の近くにあってもしょうがないからね。」
「国営ってことは、国のお仕事をするも同然でしょう?ねえ、ソルト。そこで働くお医者さんたちに制服とか作らないのかしら?」
公爵夫人がぐいぐい行くので、ソルト様が困った顔になった。
「お母さま、制服の話はあとで。せっかくの夕餉が冷めますよ。いただきましょう。」
ホワイト様が助け船を出してくださって、楽しい夕餉が始まった。
こんなに、受け入れてもらえるなんて。
嬉しくて、泣きそう。
「じゃあおやすみなさい、ミリーさん。」
「お兄さま、頑張って!」
ソルト様たちや皆様と別れて、ブラック様とお部屋に帰る。
今夜は、ブラック様のお部屋に泊まるように…言われた。
部屋に入ると、夕餉の間に整えてくれたベッドがあって。
ランプの灯りで暖かく照らされて。
ブラック様はホワイト様の御部屋でお風呂に入ってくるから、お風呂に入ってて、って言われた。
公爵家のお風呂は広くて、石鹸も花の香りがした。
お風呂に入る時に、バスタオルと一緒に置かれているのを見ていた夜着は、白の薄布で。
侍女の人がおいてくれたものだと思うと、みんな分かっていて見守ってくれているのだと思った。
準備に、こんなにドキドキして、抱かれるのを期待していたことなんてない。
思えば、15歳で脅迫されて愛人をさせられていたから、学校には通っていたけど、自分には恋も青春も何もなかった。
こんなふうに胸を高鳴らせたことも。
俺がこんなかわいいの着ても、おかしくないかなと思ったけど、喜ばれるならと恥ずかしいけど着てみた。
正直、裸より恥ずかしい。
おずおずとベッドルームに戻れば、ブラック様はもうベッドに腰掛けていて。
目が合うと、ブラック様の顔が赤くなった。
「お、おかしくないかな。これが置かれていて。」
「いや、ものすごく綺麗だ。かわいい。黒髪に白が映えるな。色も白いからかな。」
思い切って、ブラック様の隣に腰掛けた。
肩に手が触れ、顔が近づいて。
唇が触れる、と思った時には、やわらかいベッドの上に横になってた。
「………んっ。」
唇が離れ、ブラック様のごつごつした指が、太ももに触れ、下穿きを外した。
「そんな、まじまじとみないで…。」
「綺麗だ。愛してる、ミリー。」
愛してるなんて、こそばゆい。
一生、縁がないと思っていた。
「嬉しい。俺もあなたを愛しています。」
ブラックの太い首に触れ、背中に腕を回し、彼の指に秘所を解されて。
「……っ、あ、あぁっ。」
硬くてそれなりの質量が、若さを主張しながら肉を分け入る様に少しずつ入ってくる。
誰よりも奥まで来て。
俺のそこをあなたの形にして。覚えさせて。
痛みを逃がすのは慣れていて。
息を吐いて、奥までそれを受け入れた。
「…ん、ミリーっ。」
「あっ、あ。……ぶらっ…。」
自分から欲しがるのは初めて。
欲しがったのは、あなただけ。
翌朝、何もなかったように、公爵家の人たちは優しくて。
ブラック様に送られて、俺は診療所に行った。
昨日と同じ服じゃよくないから!と、公爵夫人が用意していた着替えに替えて。
きっと、公爵夫人はずっと前から準備していたんだ。
俺がこの家に来た時のために。
それが、ものすごくうれしくて。
ここまででもとても幸せだったのに、玄関でブラック様に指輪を贈られて。
嬉しくて涙が出た。
52
あなたにおすすめの小説
魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます
トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。
魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・
なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️
エブリスタにも、掲載しています。
転生したら本でした~スパダリ御主人様の溺愛っぷりがすごいんです~
トモモト ヨシユキ
BL
10000回の善行を知らないうちに積んでいた俺は、SSSクラスの魂として転生することになってしまったのだが、気がつくと本だった‼️
なんだ、それ!
せめて、人にしてくれよ‼️
しかも、御主人様に愛されまくりってどうよ⁉️
エブリスタ、ノベリズムにも掲載しています。
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
メゴ ~追いやられた神子様と下男の俺~
てんつぶ
BL
ニホンから呼び寄せられた神子様は、おかしな言葉しか喋られない。
そのせいであばら家に追いやられて俺みたいな下男1人しかつけて貰えない。
だけどいつも楽しそうな神子様に俺はどんどん惹かれていくけれど、ある日同僚に襲われてーー
日本人神子(方言)×異世界平凡下男
旧題「メゴ」
水嶋タツキ名義で主催アンソロに掲載していたものです
方言監修してもらいましたがおかしい部分はお目こぼしください。
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
【本編完結】おもてなしに性接待はアリですか?
チョロケロ
BL
旅人など滅多に来ない超ド田舎な村にモンスターが現れた。慌てふためいた村民たちはギルドに依頼し冒険者を手配した。数日後、村にやって来た冒険者があまりにも男前なので度肝を抜かれる村民たち。
モンスターを討伐するには数日かかるらしい。それまで冒険者はこの村に滞在してくれる。
こんなド田舎な村にわざわざ来てくれた冒険者に感謝し、おもてなしがしたいと思った村民たち。
ワシらに出来ることはなにかないだろうか? と考えた。そこで村民たちは、性接待を思い付いたのだ!性接待を行うのは、村で唯一の若者、ネリル。本当は若いおなごの方がよいのかもしれんが、まあ仕方ないな。などと思いながらすぐに実行に移す。はたして冒険者は村民渾身の性接待を喜んでくれるのだろうか?
※不定期更新です。
※ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
※よろしくお願いします。
【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。
竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。
溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。
みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。
囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。
サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。
真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。
☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正
⭐残酷表現あります。
嫌われた暴虐な僕と喧嘩をしに来たはずの王子は、僕を甘くみているようだ。手を握って迫ってくるし、聞いてることもやってることもおかしいだろ!
迷路を跳ぶ狐
BL
悪逆の限りを尽くした公爵令息を断罪しろ! そんな貴族たちの声が高まった頃、僕の元に、冷酷と恐れられる王子がやって来た。
その男は、かつて貴族たちに疎まれ、王城から遠ざけられた王子だ。昔はよく城の雑用を言いつけられては、魔法使いの僕の元を度々訪れていた。
ひどく無愛想な王子で、僕が挨拶した時も最初は睨むだけだったのに、今は優しく微笑んで、まるで別人だ。
出会ったばかりの頃は、僕の従者まで怯えるような残酷ぶりで、鞭を振り回したこともあったじゃないか。それでも度々僕のところを訪れるたびに、少しずつ、打ち解けたような気がしていた。彼が民を思い、この国を守ろうとしていることは分かっていたし、応援したいと思ったこともある。
しかし、あいつはすでに王位を継がないことが決まっていて、次第に僕の元に来るのはあいつの従者になった。
あいつが僕のもとを訪れなくなってから、貴族たちの噂で聞いた。殿下は、王城で兄たちと協力し、立派に治世に携わっていると。
嬉しかったが、王都の貴族は僕を遠ざけたクズばかり。無事にやっているのかと、少し心配だった。
そんなある日、知らせが来た。僕の屋敷はすでに取り壊されることが決まっていて、僕がしていた結界の魔法の管理は、他の貴族が受け継ぐのだと。
は? 一方的にも程がある。
その直後、あの王子は僕の前に現れた。何と思えば、僕を王城に連れて行くと言う。王族の会議で決まったらしい。
舐めるな。そんな話、勝手に進めるな。
貴族たちの間では、みくびられたら終わりだ。
腕を組んでその男を睨みつける僕は、近づいてくる王子のことが憎らしい反面、見違えるほど楽しそうで、従者からも敬われていて、こんな時だと言うのに、嬉しかった。
だが、それとこれとは話が別だ! 僕を甘く見るなよ。僕にはこれから、やりたいことがたくさんある。
僕は、屋敷で働いてくれていたみんなを知り合いの魔法使いに預け、王族と、それに纏わり付いて甘い汁を吸う貴族たちと戦うことを決意した。
手始めに……
王族など、僕が追い返してやろう!
そう思って対峙したはずなのに、僕を連れ出した王子は、なんだか様子がおかしい。「この馬車は気に入ってもらえなかったか?」だの、「酒は何が好きだ?」だの……それは今、関係ないだろう……それに、少し距離が近すぎるぞ。そうか、喧嘩がしたいのか。おい、待て。なぜ手を握るんだ? あまり近づくな!! 僕は距離を詰められるのがどうしようもなく嫌いなんだぞ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる