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トウホウの騒動

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「父が亡くなり、おじの策略に乗った側妃と弟は、私の母を毒殺し。私も命を狙われました。まともな者は殺されるか、地下牢に閉じ込められています。弟もおじも好色の屑で、若く美しい者は、辱めを………。」

清聖は、言葉を詰まらせた。


「私の、腹心で幼馴染の男が、弟の、………情婦に堕ちたふりをして事前に情報をつかみ、私たちを逃してくれたのです。」

「清聖さまは、態勢を整え、国を取り戻すおつもりなのです。」


「………民は、普通に暮らせているみたいだが。本当にそんなことが?」





「えっ?税金があがる!?」

「今までの3倍なんて、生活ができねえよ!」

「………新しく王様になった黒闇様のお達しだよ。税金が払えない者は、体で払うようにと。」

「あの、色きちがい!清聖様が即位されていれば。」

「仕方ないよ、お父上お母上から流行り病がうつって亡くなられたのだから。」





個室の外から聞こえてくる。



「猶予はありません。仲間と落ち合い、すぐにでも攻め落とすつもりだったのですが、仲間と思っていた人に先ほど裏切られまして。お願い致します。危なくなれば見捨てて構いませんので、お力を貸してくれないでしょうか。」


深々と礼をする清聖に、悩んだ結果、ブラックは力を貸すことにした。

「俺も行きます。こう見えても、危ないことをさせられていたこともあるのです。自分の身くらいは守れます。何かあったとき、回復魔法をかけられるのは、俺しかいませんから。」


「分かった。ミリーは俺が守る。」


「ありがとうございます。」




ブラックは、城に忍び込んで敵の大将を倒す作戦を提示した。
人数に不利がある場合はその方がいい。

清聖と浅伸に化粧をし、自分の髪を染め。顔の割れていない自分たちが表に立って、体を売りに城に来た者のふりをした。


ミリーは勿論、ブラックも相当美形だ。


鼻の下を伸ばした兵士が、すぐに親玉のところへ案内した。



その後の展開は言わずもがな。



「ひいいい!」


親玉であるおじを失った兵士は、有象無象で、あっという間に制圧できた。


本心では裏切っていなかった者の力も大きい。


捕らえられていた者たちも開放した。




だが、問題が発覚した。




屑の弟。

仮初の王が、スパイス王国で開催されている祝宴に参加するために、国外へ出ていた。

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