真面目な近衛騎士は借金返済のために雄っぱぶ嬢になりました。

番外編

でばがめ王子の幸せはどっちだ５

「シャドー、これ………。まさか伯爵が⁉」

「違う。この顔は隠密には不向きだから、地味な顔になりたくて。潰すつもりが痣に………。」

「痛かったでしょ？」

殿下の指が触れる。


ああ、この人は可愛いな。



兄嫁のことが好きで、夫婦の営みを「でばがめ」しながら自慰をしているんだよね。

触れた指をとって、上目遣いでくわえると、頬を染めた。




ああ、渡したくないな。

見合いなんかさせたくない。







せっかくこんなに綺麗な顔に生まれてきたのに。
もし私がこの顔だったら、喜んでぶいぶい言わすのに。

師匠の頭でっかちめ。

そんなに先祖代々『影』なのがいいのだろうか。


痣があってもシャドーの美しさは損なわれることはない。

むしろ痣があるくらいでちょうどいいというか…。

痣がなかったら目がつぶれる。

たぶん眩しくて直視できない…。


本人も気にしてなさそうだし、私も気にならない。

だけど、この傷を作ろうとするほどに追い詰められていたのが問題だなと思う。


当時はかなり痛い思いをしただろうと思うと、手がのびた。

額の痣に指をのばし、触れる。


シャドーが私の指をとって、上目遣いで咥えて舐めた。



えっッっっっっっ！！！


ずきゅうぅぅんん！と胸が騒いだ。


こ、これがセカンドラブ！？