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ただいま
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「ただいま帰りました!」
「おかえりなさい、リリアン。」
「おかえり。」
クルスと一緒に学園から戻ると、お父様とお母様が仲良くハーブを扱っている。
最近は親子で香水を作っているんだ。
お父様はグレイシャス様。
そしてお母様はケイト。
そして…
「にーたま、おかえりなしゃい。」
侍女に伴われて、よちよち歩きの弟がやってくる。
ローズ=ビューテ。
ストロベリーブロンドでお目目がまん丸な、可愛い僕の弟。
弟はアルファだった。
将来は立派な侯爵になるだろう。
というか俺がそう教育する!
現代日本の高等教育を叩き込む!
……いやがるのを無理やりはさせないけどね。
幼児のうちはのびのびと遊ぶのも勉強…。
「リリアン、カカオから手紙が届いていたよ。部屋に置いておいたからね。」
「カカオからっ!?」
「よかったですね。」
「もう、によによしないでよ!クルス!」
ぱたぱたと部屋に駆け込み、乱暴にカバンをベッドに投げ捨てて、手紙を開いた。
リリアン。
私は今、海辺の町にいるよ。
リリアンに会えないのは寂しいけど、いまだにアイツが私を追いかけているようで、ひきつけられているのであればよかったと思っている。
とはいえ、逃げ回って接触を避けているからまだ騙せているけれど、そろそろ限界が来るとは思う。
だからその前に手を打とうと思っているよ。
絶対にリリアンをあいつから守ってみせるからね。
クルスとはうまくやれてる?
王妃様にそっくりでびっくりしたでしょう?
彼はオメガだけど、運命を拒否して、ケイトさんの薬で完全にフェロモンを断って、騎士団の中で暮らしていたんだよ。
腕は立つけど、オメガだから雑用ばかりでくさくさしてるって聞いたから、騎士団の独身寮に行ってスカウトしてきたんだ。
親戚だし、オメガだし、クルスだったらリリアンも大丈夫かなって…。
やっぱり女性だといざというとき難しい場面もあるからね。
同じ男オメガだし、体のことも相談できると思う。
あー。直接守れないのがつらいなぁ。
リリアンにあいたい。
リリアンの声がききたい。
リリアン、私のこと、忘れないでね。
もうすぐデビュタントだね。
リリアンはきっと自分で仕立てたいだろうから、服は贈らないけれど、外国で見つけた光沢のある生地を送るね。
待っていて。
カカオより。
「カカオっ。」
手紙を抱きしめて、胸がいっぱいになる。
そのままベッドに転がって、思わず笑ってしまった。
ベッドが薔薇の花だらけだ。片づけなくちゃ。
「おかえりなさい、リリアン。」
「おかえり。」
クルスと一緒に学園から戻ると、お父様とお母様が仲良くハーブを扱っている。
最近は親子で香水を作っているんだ。
お父様はグレイシャス様。
そしてお母様はケイト。
そして…
「にーたま、おかえりなしゃい。」
侍女に伴われて、よちよち歩きの弟がやってくる。
ローズ=ビューテ。
ストロベリーブロンドでお目目がまん丸な、可愛い僕の弟。
弟はアルファだった。
将来は立派な侯爵になるだろう。
というか俺がそう教育する!
現代日本の高等教育を叩き込む!
……いやがるのを無理やりはさせないけどね。
幼児のうちはのびのびと遊ぶのも勉強…。
「リリアン、カカオから手紙が届いていたよ。部屋に置いておいたからね。」
「カカオからっ!?」
「よかったですね。」
「もう、によによしないでよ!クルス!」
ぱたぱたと部屋に駆け込み、乱暴にカバンをベッドに投げ捨てて、手紙を開いた。
リリアン。
私は今、海辺の町にいるよ。
リリアンに会えないのは寂しいけど、いまだにアイツが私を追いかけているようで、ひきつけられているのであればよかったと思っている。
とはいえ、逃げ回って接触を避けているからまだ騙せているけれど、そろそろ限界が来るとは思う。
だからその前に手を打とうと思っているよ。
絶対にリリアンをあいつから守ってみせるからね。
クルスとはうまくやれてる?
王妃様にそっくりでびっくりしたでしょう?
彼はオメガだけど、運命を拒否して、ケイトさんの薬で完全にフェロモンを断って、騎士団の中で暮らしていたんだよ。
腕は立つけど、オメガだから雑用ばかりでくさくさしてるって聞いたから、騎士団の独身寮に行ってスカウトしてきたんだ。
親戚だし、オメガだし、クルスだったらリリアンも大丈夫かなって…。
やっぱり女性だといざというとき難しい場面もあるからね。
同じ男オメガだし、体のことも相談できると思う。
あー。直接守れないのがつらいなぁ。
リリアンにあいたい。
リリアンの声がききたい。
リリアン、私のこと、忘れないでね。
もうすぐデビュタントだね。
リリアンはきっと自分で仕立てたいだろうから、服は贈らないけれど、外国で見つけた光沢のある生地を送るね。
待っていて。
カカオより。
「カカオっ。」
手紙を抱きしめて、胸がいっぱいになる。
そのままベッドに転がって、思わず笑ってしまった。
ベッドが薔薇の花だらけだ。片づけなくちゃ。
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