俺がお前を王にしてやる―隠れオメガクイーンは勇者様―

竜鳴躍

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兄と弟と

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「兄さん……。」

「大丈夫かい、アキレス。」


兄弟なのに運命の番だった。

運命に翻弄され、運命を否定した。


寝台に横たわる血の気のない弟の髪を、兄は愛おし気に撫でる。



「ごめんね。突然、距離をとって。国王の重責をアキレスに押し付けてしまって…。」

「いいんだ、全て分かったから。嫌われてたわけじゃなかったから嬉しい。」


「彼女も、助けられたらよかった。」



「仕方ない。アーサーが無事に乗り越えてくれただけでも。それに、もしかしたらオデットが……生と引き換えにあの白い神様を呼んでくれていたのではないか、とも思う。」

「オデット嬢は神に愛された規格外の聖女だったからなぁ。ありえるな。」


その手を、重ねて。



「もう距離はとらないよ。だけど、ちゃんと自制するから。気持ち悪かったら言ってくれ。そして、できれば……もう少し長生きしておくれ。」




その晩、アキレス陛下は夢を見た。


白い球が自分のところに飛んできて、それは大きな鹿になった。

白い鹿の背中には、オデットが乗り、彼女はアキレスの両手を包むように握ると、こういった。




『あの邪神は神の世界で罰を受けたわ。だから、貴方の寿命は返ってきます。アーサーを、みんなを、国をよろしくね。私の代わりに、可愛い孫たちが大人になるのを見守ってくれなきゃ嫌なんだからね。』
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