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本当に良かったんですか?

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マーマレードやベリーサ、クラリスが『無事に帰ってきますように』と願いを込めて作ったジビエは本当に美味しくて、何もなかったかのように楽しい時間を過ごした。


明日は雪合戦、その次はスキー。

雪深いところでしか楽しめない遊びをしようと、叔父様が言って、ニーノは幸せに笑っていた。




その笑顔に癒される。



夫にはなれなかったけど、ずっと近くにいられる。

それでいいと思える自分は、やっぱり叔父様に敵わない。
本気で愛しているけれど、愛にはいろいろある。
恋愛の愛ではなかったのかも?と今になっては思うけど。

どんなに頑張っても年の差がある叔父様は、いずれニーノを残して死んでしまうだろうから、その時は息子としてニーノを支えようと思う。

僕とミリオンでは僕たちにも子は産まれないけど、お兄様とミーナ嬢に頑張ってもらって一人養子にもらえばいいんじゃないかな。



「本当に良かったんですか?」

ミリオンは僕を気遣う。
初めから僕たちは同室だった。


「何が?」



「………いえ。その、私で。私の方が夫で…。よかったのか、と。」



「うーん。僕がそっち側じゃないと、叔父様もニーノも安心できないだろうしね。それに、公爵家の養子になるから、ミリオンはその婿養子になる。次期当主を弟さんに譲ったってことは、ミリオンもその方がいいでしょう。………僕のために、ありがとう。」


ミリオンを見る。

ちょっと狡い言い方だったかな…。


でも。だって、ニーノの家族になりたいのは変わらない。
友達として、ずっとそばにいたかった。

その気持ちもなかったことにはできないし、諦めきれなかったものを諦められるものではない。


ミリオンの頬に触れる。



「僕はねえ、綺麗系がすきなの。甘いけど、時々厳しく叱られたい。ミリオンはぴったりじゃない。僕は、ミリオンが好きだったんだよ。あの男は気持ち悪くてね、ミリオンに消毒されたいって思ってたんだけど、今はそういう気持ちでダメかな…。」


「私が夫だと、あなたが私に抱かれるんですよ?」


「僕はどっちでもいいよ。それとも、ミリオンが僕に抱かれたかった?ごめんね、勝手に決めて。」




「いえ……。私も、抱き、たかったです…。」



「ならよかった。僕はね、抱かれる方とか考えたことなかったけど、そういう需要はあったみたいだよ。売られてそういう風になるのは嫌だけど、ミリオンならいい。ミリオンだけだよ。僕がそっちでもいいと思うのは。」


「王子……!」


「あっ。お兄様には叱られるなぁ。お兄様は散々僕に女の子の嫁貰えってうるさかったから。ミリオン、一緒に叱られてね。」

「はい。」



ミリオンに抱きしめられるのは、心地いいと思う。
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