王子様との婚約回避のために友達と形だけの結婚をしたつもりが溺愛されました

ウインター王国

アレックスが大事

「アレックス。」

ルカはすやすや眠っている。

泣くアレックスを抱きしめた。


「聞いて？アレックス。無理はするな。体を壊す。その方が俺もルカも悲しい。」

青い目が俺を見る。


「アレックス。俺にはおっぱいはでない。だけど俺は悪い親だろうか？」

ふるふると頭が横に揺れる。

「おっぱいをあげられるかどうかで親の善し悪しは決まらない。完璧な親はいない。俺もいる。スワンに相談してみよう。専門家の方が正しい助言をしてくれるはずだから。」


俺のことも頼って欲しい。



ルカが泣いた。


「オムツだろう。見てろ、俺がする。」

オムツを開ける前にお尻拭きと袋を準備し、オムツを開ける。

赤ちゃんのうんちは臭くない。


ルカの股をきれいにして、汚れたオムツを片づける。


「どうだ、手際悪くないだろ！」
気持ちよくなったが起きてしまったルカをあやす。

なんか口がむじゅむじゅしている。


「落ち着かないんだろう。おっぱいをあげてみたら？」



アレックスは上着を寛げてルカを抱いた。

はむっとふっくらした頬で乳に食いつき、んくんくと吸う。

あんまり出ないようだが、少し飲めたようだ。


二人で親になっていこう。



ルカが生まれて三日後。

各国からの祝電も一通り来た頃。


うれしい客と招かざる客が来た。