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番外編 執事との恋

僕はわがまま

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「ヤード!僕をおいていかないで!結婚しちゃいやだよう。」

ヤードが見合いをする日。

14歳になったサンドルは、執事服ではなく仕立ての良いスーツを着たヤードの前で泣いた。


城の近くのレストランの個室。

何でここがわかったのか。


見合いはまとまらず、サンドルは両親や兄の前で叱られる事になった。

兄の後ろにはヤードや城で後進の指導にあたっているヤードの両親もいる。


「サンドル。いい加減にしなさい。ヤードももう26。貴族の令息としてはかなり遅いくらいなんだよ?サンドル。サンドルはどうしてヤードに結婚して欲しくないの?ただ、大好きなお兄さんをとられたくないってだけなら、お母様は怒るよ?」

「………………ヤードの前ではちょっと………。」


「わかった。済まないが、席を外してくれないか。」

レナードは優しく息子に語りかける。

「言ってごらん?」



「ヤードが好きなの。僕がヤードのお嫁さんになりたいの。」

「ヤードは伯爵令息だよ。王族を娶るには少し爵位が足りない。」

「!」

「だが、ヤードをサンドルの婿としてうちに入ってもらうことならできる。伯爵家は途絶えるから、それでいいのであれば。」

「………。」



「ヤードの結婚はお父様が責任を持とう。ヤードの気持ちも聞いて、サンドルが大人になるまで待ってもらおうか。サンドルがもし大人になってもヤードが好きで、ヤードもサンドルが好きなら…………」




ヤード。

ごめんなさい。

僕は悪い子。



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時系列おかしかったので、年齢修正しました。
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