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協力者<第二王子カイザー=ドゥ=パルファン>
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私には、兄と弟がいる。
兄上の母君は筆頭公爵令嬢で、後ろ盾も大きい。
大した才覚もないような兄上で、年々、どことなく嫌な気持ちになる性格になっていくが、他の者たちは気づかないらしい。
外面はいいから、大した問題もなく、順当に王太子に納まっている。
弟は、子爵令嬢の子だが、小さい時からとても可愛らしくて、私はとてもかわいがった。
あんな天使がいるのかと。
3歳の時、母君が倒れられて、心細いだろうに真っすぐと育ち。
三男だし、母の身分も低いから、家臣として支えたいと、早くから勉学や魔法、剣を習い、最優秀な成績で学園を卒業後は、あっという間に騎士団長になった。
ねたむ気持ちが全く無いわけではないが、弟は凄いと思う。
能力だけで言えば、この弟が王位を継ぐべきだろうに。
そんな弟だが、妄信的に兄上を立てようとするのが気になる。
弟が兄を慕うというより、まるで兄の奴隷のようだ。
騎士団の仕事をしている弟に、兄が自分の仕事まで押し付けている。そして、それを全て自分の手柄にしているのだ。
あんな男を次期国王にするのは国益を損なう。
なんとかして父にお会いして、根回しをしたいが、伝染するとかいって、なかなか突破できない。
どうしたものか……。
いつものように壁際から父の寝室を眺めていると、同じような行動をとっている男に気づいた。
「あれは、ベルのところの副団長じゃないか。」
「副団長。」
小声で話しかけられて、驚いた。
類まれなる才女ぶりから第二妃となったプライド伯爵令嬢。
彼女が出産した第二王子のカイザー様じゃないか。
ロワ王子と違い、思慮深く親しみ深い性格をしている彼は、その表情も穏やかで知性が滲み出ている。
ベル団長と同じ、緑と青のオッドアイは、ロワ王子にはないものだ。
陛下譲りの銀髪は、彼の血がこの国の王族の血を濃く受け継いだことを表している。
彼は自然な動作で陛下の部屋の前を通り過ぎると、私を部屋から遠ざける様に物陰へ引っ張ってきた。
「君も、陛下のご病気を怪しんでいるんだろう?」
そう言われて、首を縦に振った。
第二王子は信用できる………と思うが、どうなのだろうか。
そう思い、探ってみることにした。
「……カイザー王子は、騎士団長のことをどうお考えなのでしょうか。団長は、自分は『出来損ないの体』で『役立たずの末端の王族』だと。だから、陛下や兄王子たちのお役に立てればいいのだと。自分のことは何でも犠牲にしてもよいとお考えなのです。」
「ベルがそんなことを言ったのかい!!?」
カイザー王子は心底悲しい顔で、続けた。
「あの子の母君が亡くなり、ロワ兄上の母君が後見人になってからというもの、私はあの子とろくに口もきけなくて。でも、会えた時には、そんなことはないと。重々言い聞かせていたのに。…………あの子はまるで兄の奴隷のようだと気になっていたのだ。それもあり、私は陛下に兄上を廃太子にするよう進言したくて、会いたいと思っているのだが…。」
カイザー王子が親指でくいっと指した先には、厳重に警備された扉。
屈強な兵士が扉の前をふさいでいる。
正妃の私兵だ。
「あれは、なかなか難しいですね。おそらく、正妃の指示でしょう。強行突破できないわけではないですが、武力に訴えるのはよい手ではない。」
「そうなんだ。特に私は警戒されている。お願いだ、私が隙を作るから、君が中に入って陛下に会ってくれないか。もしかしたら陛下は毒を飲まされるか何かで弱っているのかもしれない。この解毒剤を君から陛下に渡していただけないか。それに、この癒しの魔法のスクロールを、陛下の枕の中に仕込んでほしい。」
小さい紙片に書かれた魔法陣を渡される。
これを用意するのは大変だっただろう。
「分かりました。カイザー王子、あなたにも私が団長をお救いするのを助けていただきたい。あとで、詳しくお話しますから…。」
「分かった。ベルは可愛い弟だ。任せておけ。」
お互いの目的を確認し、カイザー王子は再び兵士の前に立った。
「………今日も無理だろうと。通り過ぎようと思ったが、やはりお願いしたい。伝染病でも構わない。防護服を着るから、お願いだから部屋の隅からでも父の様子を見れないだろうか。」
「だめです。王子に何かあったらよくないと、決められた世話役のみ通すよう、正妃様の命令です。」
「そこをなんとか。」
「だめったらだめです。」
「私が出来ることなら何でもするから。」
「だめです。」
言い争いをしている後ろで、そーっと中に入る。
暗い部屋。
陽の光が閉ざされて、どことなく陰惨な空気が漂う。
その中で、大きなベッド。
そこに、銀髪のやせ細った男が横たわっていた。
(陛下……!!)
ああ、なんてことだ。
思わず、首に指をあて、脈を確かめ、心臓の音を聞く。
よかった、生きてはいる。
だが、ものすごく弱っている。
この様子では、陛下はご自分で薬を飲むのは難しいかもしれない。
意を決して、自分の口の中に薬を含み、口移しで飲ませると、陛下が細い声で話し出した。
「……………おま……は、ベル………の。」
「はい、私はベル団長のところの副団長のカルスです。カイザー王子の命もあり、陛下をお救いに参りました。王子が隙を作って下さり、私が中へ。先ほどは失礼しました。王子から預かった解毒剤です。それから……、」
まくらの縫い目を少しほどき、中に魔法陣の紙片を入れる。
騎士の嗜みで携帯している裁縫セットで、枕の縫い目を分からないように再度閉じた。
「おお、体が…力が戻ってくるようだ…。」
「それはようございました。しかし、すぐにお救いするのは難しゅうございます。救出に当たっては、カイザー王子と相談して策を練ってまいりますので、どうかそれまで耐えてください。……それから、カイザー王子と私の願いですが、どうかロワ王子を廃太子にしていただきたいのです。弱られているときに申し上げるのも心苦しいのですが。」
「よい。私に毒を盛り、殺そうとしたのも全てあの正妃の仕業。私は初めからあれを王太子になど思ってはおらん。第一、あれは私の子ではない。」
「なんと!」
「あれは、この国と敵対しているバルバール王国の王の子だ。筆頭公爵は、バルバール王の子を孕んでいる娘を私の正妃にしたのだ。この国をバルバールと共謀して乗っ取り、この国を自身がバルバールから下賜されんがために。」
「………なぜっ、そんな女性を妃、しかも正妃などにっ。」
「私には真に妃にしたいと考えている者がいた。だが、その女性の国はバルバールに滅ぼされた。バルバールは生き残りの王族を女子どもまで全て殺しつくそうとしていた。だから、目立たぬようにこの国の子爵の養女にしたのだ。もし、彼女と私の間に子が生まれたとしても、子爵の妃との間の子であれば、王位は継げないだろう。亡国の血が入った者を王にするのは争いの元になる。彼女が信頼する伯爵令嬢も妃にし、念のために伯爵令嬢との間に先に男子をもうけようとまで決めていた。彼女たちを娶るのを交換条件に、筆頭公爵が自分の娘を正妃にするよう言ってきたのだ。私はまだ若く、実質的な権限もなかった。周りに言われるがまま、そうなった。……今思えば、愚かだった。彼女を愛するのならば、この国の子爵令嬢として別の者と結婚させ、自分は身を引くべきであった…。」
陛下の目から涙が伝いおちた。
「結局、彼女を守れず、死なせてしまった。ベルもあの女が人質のように連れて行き…。いよいよ私が邪魔になり、殺そうというわけだ。」
「陛下。ロワはベル団長を奴隷のように扱っているのです。また、団長もそれを当然のように受け入れています。それは正妃の長年の洗脳だと思っています。ロワ王子の公務も、団長が実際はやっています。許せないのは、団長が男でも女でもあり、子ができない体なのをいいことに、女性としての部分を14歳の頃からロワ王子に玩具にされていることです。」
「………なんとっ!」
力がないはずの陛下の拳に、青筋が浮かんだ。
「ロワやあの女たちを排除すれば、バルバールが出てくるだろう。戦争になると思う。だが……っ。」
国王として失格かもしれないが。
その思いに、私も頷いた。
兄上の母君は筆頭公爵令嬢で、後ろ盾も大きい。
大した才覚もないような兄上で、年々、どことなく嫌な気持ちになる性格になっていくが、他の者たちは気づかないらしい。
外面はいいから、大した問題もなく、順当に王太子に納まっている。
弟は、子爵令嬢の子だが、小さい時からとても可愛らしくて、私はとてもかわいがった。
あんな天使がいるのかと。
3歳の時、母君が倒れられて、心細いだろうに真っすぐと育ち。
三男だし、母の身分も低いから、家臣として支えたいと、早くから勉学や魔法、剣を習い、最優秀な成績で学園を卒業後は、あっという間に騎士団長になった。
ねたむ気持ちが全く無いわけではないが、弟は凄いと思う。
能力だけで言えば、この弟が王位を継ぐべきだろうに。
そんな弟だが、妄信的に兄上を立てようとするのが気になる。
弟が兄を慕うというより、まるで兄の奴隷のようだ。
騎士団の仕事をしている弟に、兄が自分の仕事まで押し付けている。そして、それを全て自分の手柄にしているのだ。
あんな男を次期国王にするのは国益を損なう。
なんとかして父にお会いして、根回しをしたいが、伝染するとかいって、なかなか突破できない。
どうしたものか……。
いつものように壁際から父の寝室を眺めていると、同じような行動をとっている男に気づいた。
「あれは、ベルのところの副団長じゃないか。」
「副団長。」
小声で話しかけられて、驚いた。
類まれなる才女ぶりから第二妃となったプライド伯爵令嬢。
彼女が出産した第二王子のカイザー様じゃないか。
ロワ王子と違い、思慮深く親しみ深い性格をしている彼は、その表情も穏やかで知性が滲み出ている。
ベル団長と同じ、緑と青のオッドアイは、ロワ王子にはないものだ。
陛下譲りの銀髪は、彼の血がこの国の王族の血を濃く受け継いだことを表している。
彼は自然な動作で陛下の部屋の前を通り過ぎると、私を部屋から遠ざける様に物陰へ引っ張ってきた。
「君も、陛下のご病気を怪しんでいるんだろう?」
そう言われて、首を縦に振った。
第二王子は信用できる………と思うが、どうなのだろうか。
そう思い、探ってみることにした。
「……カイザー王子は、騎士団長のことをどうお考えなのでしょうか。団長は、自分は『出来損ないの体』で『役立たずの末端の王族』だと。だから、陛下や兄王子たちのお役に立てればいいのだと。自分のことは何でも犠牲にしてもよいとお考えなのです。」
「ベルがそんなことを言ったのかい!!?」
カイザー王子は心底悲しい顔で、続けた。
「あの子の母君が亡くなり、ロワ兄上の母君が後見人になってからというもの、私はあの子とろくに口もきけなくて。でも、会えた時には、そんなことはないと。重々言い聞かせていたのに。…………あの子はまるで兄の奴隷のようだと気になっていたのだ。それもあり、私は陛下に兄上を廃太子にするよう進言したくて、会いたいと思っているのだが…。」
カイザー王子が親指でくいっと指した先には、厳重に警備された扉。
屈強な兵士が扉の前をふさいでいる。
正妃の私兵だ。
「あれは、なかなか難しいですね。おそらく、正妃の指示でしょう。強行突破できないわけではないですが、武力に訴えるのはよい手ではない。」
「そうなんだ。特に私は警戒されている。お願いだ、私が隙を作るから、君が中に入って陛下に会ってくれないか。もしかしたら陛下は毒を飲まされるか何かで弱っているのかもしれない。この解毒剤を君から陛下に渡していただけないか。それに、この癒しの魔法のスクロールを、陛下の枕の中に仕込んでほしい。」
小さい紙片に書かれた魔法陣を渡される。
これを用意するのは大変だっただろう。
「分かりました。カイザー王子、あなたにも私が団長をお救いするのを助けていただきたい。あとで、詳しくお話しますから…。」
「分かった。ベルは可愛い弟だ。任せておけ。」
お互いの目的を確認し、カイザー王子は再び兵士の前に立った。
「………今日も無理だろうと。通り過ぎようと思ったが、やはりお願いしたい。伝染病でも構わない。防護服を着るから、お願いだから部屋の隅からでも父の様子を見れないだろうか。」
「だめです。王子に何かあったらよくないと、決められた世話役のみ通すよう、正妃様の命令です。」
「そこをなんとか。」
「だめったらだめです。」
「私が出来ることなら何でもするから。」
「だめです。」
言い争いをしている後ろで、そーっと中に入る。
暗い部屋。
陽の光が閉ざされて、どことなく陰惨な空気が漂う。
その中で、大きなベッド。
そこに、銀髪のやせ細った男が横たわっていた。
(陛下……!!)
ああ、なんてことだ。
思わず、首に指をあて、脈を確かめ、心臓の音を聞く。
よかった、生きてはいる。
だが、ものすごく弱っている。
この様子では、陛下はご自分で薬を飲むのは難しいかもしれない。
意を決して、自分の口の中に薬を含み、口移しで飲ませると、陛下が細い声で話し出した。
「……………おま……は、ベル………の。」
「はい、私はベル団長のところの副団長のカルスです。カイザー王子の命もあり、陛下をお救いに参りました。王子が隙を作って下さり、私が中へ。先ほどは失礼しました。王子から預かった解毒剤です。それから……、」
まくらの縫い目を少しほどき、中に魔法陣の紙片を入れる。
騎士の嗜みで携帯している裁縫セットで、枕の縫い目を分からないように再度閉じた。
「おお、体が…力が戻ってくるようだ…。」
「それはようございました。しかし、すぐにお救いするのは難しゅうございます。救出に当たっては、カイザー王子と相談して策を練ってまいりますので、どうかそれまで耐えてください。……それから、カイザー王子と私の願いですが、どうかロワ王子を廃太子にしていただきたいのです。弱られているときに申し上げるのも心苦しいのですが。」
「よい。私に毒を盛り、殺そうとしたのも全てあの正妃の仕業。私は初めからあれを王太子になど思ってはおらん。第一、あれは私の子ではない。」
「なんと!」
「あれは、この国と敵対しているバルバール王国の王の子だ。筆頭公爵は、バルバール王の子を孕んでいる娘を私の正妃にしたのだ。この国をバルバールと共謀して乗っ取り、この国を自身がバルバールから下賜されんがために。」
「………なぜっ、そんな女性を妃、しかも正妃などにっ。」
「私には真に妃にしたいと考えている者がいた。だが、その女性の国はバルバールに滅ぼされた。バルバールは生き残りの王族を女子どもまで全て殺しつくそうとしていた。だから、目立たぬようにこの国の子爵の養女にしたのだ。もし、彼女と私の間に子が生まれたとしても、子爵の妃との間の子であれば、王位は継げないだろう。亡国の血が入った者を王にするのは争いの元になる。彼女が信頼する伯爵令嬢も妃にし、念のために伯爵令嬢との間に先に男子をもうけようとまで決めていた。彼女たちを娶るのを交換条件に、筆頭公爵が自分の娘を正妃にするよう言ってきたのだ。私はまだ若く、実質的な権限もなかった。周りに言われるがまま、そうなった。……今思えば、愚かだった。彼女を愛するのならば、この国の子爵令嬢として別の者と結婚させ、自分は身を引くべきであった…。」
陛下の目から涙が伝いおちた。
「結局、彼女を守れず、死なせてしまった。ベルもあの女が人質のように連れて行き…。いよいよ私が邪魔になり、殺そうというわけだ。」
「陛下。ロワはベル団長を奴隷のように扱っているのです。また、団長もそれを当然のように受け入れています。それは正妃の長年の洗脳だと思っています。ロワ王子の公務も、団長が実際はやっています。許せないのは、団長が男でも女でもあり、子ができない体なのをいいことに、女性としての部分を14歳の頃からロワ王子に玩具にされていることです。」
「………なんとっ!」
力がないはずの陛下の拳に、青筋が浮かんだ。
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