くず勇者にざまあ。虐げられた聖者に一目ぼれした魔王の側近はやり直す

とらわれの人 R18

「ぐっ………ぐう！！！」

魔法を使えないよう、魔法封じの魔法をかけられ、念のために詠唱出来ないよう口に轡をかまされて、その麗人は涙をこぼした。
明るい金髪が暗がりに乱れ、青い瞳には悲しみしかない。



外の世界にあこがれていた。

交流が始まって、向こうの学校に行けるのを楽しみにしていたのに。


親切な人に、デイユから来た留学生だと答えた。

そうしたら、
出されたお茶を飲んだら―――ここにいたのだ。


「………お前はっ、オークションにかけて、金持ちに売ってやるよ。デイユの人間は性奴隷として高く売れるんだっ。」

「ぐうぅ……！」

ご主人様に御奉仕出来るよう仕込んでやる。

と言って、男は腰を打ち付け続ける。

破瓜の血が流れ、体と心が痛んで、
解放されると同時に彼は気を失った。





子どもだけで外に出てはいけない。
デイユの人やその子どもを狙った人さらいがいるからね。

そう言われたのに、この弟は。

「大丈夫、大丈夫！自分で言わなきゃ分かんないんだし！」

ああ！もう！


母親似の黒髪黒目の弟も、父親似の自分も、充分その見た目だけで危ないと理解した方がいいのに、あのバカは何もわかっていない。


キースはルースの後を追った。