悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍

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悪役令息はスラムから住人を追い出しました

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俺たちは難民だ。

戦争の被害を受けて、故郷でやっていけなくなって逃げて来た…。


この国は受け入れてくれたけど、みんなスラムここに集めるだけで、あとは放置だった。


たまに炊き出しがある程度…。


ここを治める領主はいない。
完全な掃溜め。


どうにか暮らしていきたいが、あばら家があるだけで、石と岩だらけの荒れ果てた土地は、作物もなかなか育たない育たない。



それで。


突然現れた。



真っ白な馬に白に金の装飾のついた豪華な馬車。

御伽噺のお姫様よろしく、夜の月の下に現れたそいつは、黒服の男に手を引かれて降り立つ。

真っ白な肌。白い髪。真っ赤な瞳。

この世の者とは思えないくらい美しくて…。



「僕の名前はアレン=ファーメット。僕が来たからには希望ある明日を約束しよう。」



不釣り合いなこの場所で、頓珍漢な宣言をする。



「はぁあ!?俺たちに希望だと!お前が何をやってくれるって言うんだ!」


「そうだな…。まずは手始めに、お前たち少し退いていてもらおうか。」



「「!!」」

「ここからも追い出そうって言うのかよ!」


「そのとおり。今、ここに居られては邪魔だ。カエサル。」

「は。」


まるで王のように。悪役のように。その人は傲慢に振る舞う。


「この地は私が治める地となる。どこよりも素晴らしい街にする。だから一から造り変える。大体、このままでは僕の屋敷も建てられない。カエサル、世帯ごとに把握しろ。何世帯くらいだ?」


「ざっくり30世帯ほどかと思います。」


「わかった。彼らをまとめておいてくれ。」


「……なっ!」

何をしようってんだ!?




<チェーンバインド!>

俺たちは纏められ、黒い従者の魔法で丸い空間にぶち込まれた。



「私のアレン様の素晴らしい御業をつぶさにしなさい。」



「………君たちは東の亡国の出身だったね。確かそこは、ココとは違う、美しい街並みだった。」

白い男が瞳を閉じて、大地に触れる。

魔力の渦が夜空に溶けて、きらきらと輝く。



「………あ、あぁっ。」


「まさか、うそっ」


「これは、おれたちの、俺たちの街だ…!」




魔法の力で建てられた一夜城ならぬ街の姿は、これまでの廃墟ではない。

失われた東の王国、東竜国。


異国情緒あふれる美しい街が、そこに生まれた。
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