21 / 72
侍女のカナタさん
「リーゼロッテさま。そんな歩きながら召し上がらないでください!ぽろぽろ床に零れていますよ!」
最近入った侍女のカナタ。
まだすごく若いけれど、しっかり者のいい子だ。
水色の髪のショートカットに吊り目がちの瞳。
クールビューティっていうのかしら。
確かに、掃除をするのが大変よね。申し訳ないことをしたわ。
自分が歩いてきた証拠のクッキーのカスが点々と落ちている。
「ごめんなさい。」
まだ何枚かクッキーはある。
あの弟は絶対に私がつまむことを分かってて、大量に作ったのだ。
ハンカチを開いてクッキーをつまみ、ポケットにそっと入れた。
「それで?私を呼びに来たの?」
「ええ。ブリザード王国のスノー王子が到着されましたので、ぜひリーゼロッテ様をと。」
「えええ。めんどくさっ。」
「そんなことを仰らずに。なかなかきれいな方でしたよ。」
「私の好みはガッシリした体育会系で、強面なの!どーせ私より綺麗なんでしょ!やあよ!」
「そうおっしゃるとは思いましたけど、王命ですから。」
それで、会わされたのは。
「えっ。あんた……。」
「あなたが……。」
「リーゼロッテ?あなたたちもう会ってたの?」
王妃が首を傾げている。
「先ほど待機しているときにすれ違いまして。」
「嫌だわ、私あなたのこと女性だとばかり。失礼いたしました…。」
恥ずかしい。
そりゃあ、縁談なんてどうなったっていいって思ってたから、嫌われてやれとさえ思っていたけれど。
クッキーを歩きながら齧っている姿なんて恥ずかしすぎる。
「私、貴方のこと好きです。よろしければ、私の妻になることを前向きに考えてくださらないでしょうか。(おもしれー女。気に入った!)」
キラッキラ!いい人だけど~~~~。友達にはなれるとは思うけど~~。
「お断りしますっ!私、ヒグマみたいな人がタイプなんですっ!」
「ヒグマ………。」
「ムキムキで男らしくてっ、頼りがいがあって、できればダンディな男性が好みなの!」
「こら、リーゼロッテ!わがままを言うんじゃない。」
「そうよ、パパの言う通りよ?見た目で選んで失敗したのを忘れたの?いいから付き合ってごらんなさい!婚約者候補でいいから!」
「えぇええ……。」
ちらっとスノー王子を見てみる。
ニコニコほほ笑んでいて、私より美人なんだけど。
「そうだ。今日はロイも婚約者?を連れてきているんだろう。せっかくだから庭でダブルデートをしてきたらどうだい?お前もロイのことが心配だろう。」
「そうねえ、今はお部屋でお茶しているみたいだけど、あの子のことだから心配だわ。」
「しょうがないわ……。では、スノー王子。婚約者『候補』!『候補』ですからね?」
「はい。」
ニッコリほほ笑んでエスコートしてくれる。
うう……。
「…………はい。承知いたしました。必ず。」
城の廊下の片隅でひっそりと彼の方と連絡を取る。
「カナタ―!庭に出るの、ついて来て頂戴!」
「承知いたしました!」
慌てて通信を切って、リーゼロッテ様のところへ戻る。
西のカタルシス王子はリーゼロッテに離縁され、廃太子になってしまった。
今一度、王子の下へリーゼロッテを。
最近入った侍女のカナタ。
まだすごく若いけれど、しっかり者のいい子だ。
水色の髪のショートカットに吊り目がちの瞳。
クールビューティっていうのかしら。
確かに、掃除をするのが大変よね。申し訳ないことをしたわ。
自分が歩いてきた証拠のクッキーのカスが点々と落ちている。
「ごめんなさい。」
まだ何枚かクッキーはある。
あの弟は絶対に私がつまむことを分かってて、大量に作ったのだ。
ハンカチを開いてクッキーをつまみ、ポケットにそっと入れた。
「それで?私を呼びに来たの?」
「ええ。ブリザード王国のスノー王子が到着されましたので、ぜひリーゼロッテ様をと。」
「えええ。めんどくさっ。」
「そんなことを仰らずに。なかなかきれいな方でしたよ。」
「私の好みはガッシリした体育会系で、強面なの!どーせ私より綺麗なんでしょ!やあよ!」
「そうおっしゃるとは思いましたけど、王命ですから。」
それで、会わされたのは。
「えっ。あんた……。」
「あなたが……。」
「リーゼロッテ?あなたたちもう会ってたの?」
王妃が首を傾げている。
「先ほど待機しているときにすれ違いまして。」
「嫌だわ、私あなたのこと女性だとばかり。失礼いたしました…。」
恥ずかしい。
そりゃあ、縁談なんてどうなったっていいって思ってたから、嫌われてやれとさえ思っていたけれど。
クッキーを歩きながら齧っている姿なんて恥ずかしすぎる。
「私、貴方のこと好きです。よろしければ、私の妻になることを前向きに考えてくださらないでしょうか。(おもしれー女。気に入った!)」
キラッキラ!いい人だけど~~~~。友達にはなれるとは思うけど~~。
「お断りしますっ!私、ヒグマみたいな人がタイプなんですっ!」
「ヒグマ………。」
「ムキムキで男らしくてっ、頼りがいがあって、できればダンディな男性が好みなの!」
「こら、リーゼロッテ!わがままを言うんじゃない。」
「そうよ、パパの言う通りよ?見た目で選んで失敗したのを忘れたの?いいから付き合ってごらんなさい!婚約者候補でいいから!」
「えぇええ……。」
ちらっとスノー王子を見てみる。
ニコニコほほ笑んでいて、私より美人なんだけど。
「そうだ。今日はロイも婚約者?を連れてきているんだろう。せっかくだから庭でダブルデートをしてきたらどうだい?お前もロイのことが心配だろう。」
「そうねえ、今はお部屋でお茶しているみたいだけど、あの子のことだから心配だわ。」
「しょうがないわ……。では、スノー王子。婚約者『候補』!『候補』ですからね?」
「はい。」
ニッコリほほ笑んでエスコートしてくれる。
うう……。
「…………はい。承知いたしました。必ず。」
城の廊下の片隅でひっそりと彼の方と連絡を取る。
「カナタ―!庭に出るの、ついて来て頂戴!」
「承知いたしました!」
慌てて通信を切って、リーゼロッテ様のところへ戻る。
西のカタルシス王子はリーゼロッテに離縁され、廃太子になってしまった。
今一度、王子の下へリーゼロッテを。
あなたにおすすめの小説
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
薄幸な子爵は捻くれて傲慢な公爵に溺愛されて逃げられない
くまだった
BL
アーノルド公爵公子に気に入られようと常に周囲に人がいたが、没落しかけているレイモンドは興味がないようだった。アーノルドはそのことが、面白くなかった。ついにレイモンドが学校を辞めてしまって・・・
捻くれ傲慢公爵→→→→→貧困薄幸没落子爵
最後のほうに主人公では、ないですが人が亡くなるシーンがあります。
地雷の方はお気をつけください。
ムーンライトさんで、先行投稿しています。
感想いただけたら嬉しいです。
元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!
政略結婚のはずが恋して拗れて離縁を申し出る話
藍
BL
聞いたことのない侯爵家から釣書が届いた。僕のことを求めてくれるなら政略結婚でもいいかな。そう考えた伯爵家四男のフィリベルトは『お受けします』と父へ答える。
ところがなかなか侯爵閣下とお会いすることができない。婚姻式の準備は着々と進み、数カ月後ようやく対面してみれば金髪碧眼の美丈夫。徐々に二人の距離は近づいて…いたはずなのに。『え、僕ってばやっぱり政略結婚の代用品!?』政略結婚でもいいと思っていたがいつの間にか恋してしまいやっぱり無理だから離縁しよ!とするフィリベルトの話。
兄様の親友と恋人期間0日で結婚した僕の物語
サトー
BL
スローン王国の第五王子ユリアーネスは内気で自分に自信が持てず第一王子の兄、シリウスからは叱られてばかり。結婚して新しい家庭を築き、城を離れることが唯一の希望であるユリアーネスは兄の親友のミオに自覚のないまま恋をしていた。
ユリアーネスの結婚への思いを知ったミオはプロポーズをするが、それを知った兄シリウスは激昂する。
兄に縛られ続けた受けが結婚し、攻めとゆっくり絆を深めていくお話。
受け ユリアーネス(19)スローン王国第五王子。内気で自分に自信がない。
攻め ミオ(27)産まれてすぐゲンジツという世界からやってきた異世界人。を一途に思っていた。
※本番行為はないですが実兄→→→→受けへの描写があります。
※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。
ゲーム世界の貴族A(=俺)
猫宮乾
BL
妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。
オメガなのにムキムキに成長したんだが?
未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。
なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。
お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。
発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。
※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。
同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。
結婚間近だったのに、殿下の皇太子妃に選ばれたのは僕だった
釦
BL
皇太子妃を輩出する家系に産まれた主人公は半ば政略的な結婚を控えていた。
にも関わらず、皇太子が皇妃に選んだのは皇太子妃争いに参加していない見目のよくない五男の主人公だった、というお話。