義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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閑話 息子と娘

ローメン王国の貴族の家に雇われて、1年が経過した。


修道院にやったはずの娘は、なぜかブリザード王国に行き、しかも道中の事故で右足を失い、顔に傷まで負ってしまったらしい。


だが、ブリザード王国で、縫物や街の子どもたちに文字や計算を教えるなどして、生計を立てているという。

すっかり我儘な様子は無くなり、日々神に感謝しながらたくましく生きているようだ。


可哀そうに思うが、やっとまともになり、自立できたのなら、事故もいい経験だったのだと思う。


普通、娘がそんな状態なら、親は何かしら思うところがあるものだ。



だが、私の心は既に擦り切れ、何も感じなくなっていた。






「おとうさま~~~~~~~。酒…。ひぃっく。」



男爵家の執事で働く私の稼ぎでは、私一人が生きていくのでやっとかっとだ。

だというのに、息子は働きもせず、毎日酒をたかる。



騎士団の試験に落ちたのだ。


自分は優秀だと、ずっと思っていたらしい。
全てにやる気をなくして、毎日ひげ面でゴロゴロしていた。



「酒などない。お前も働け。何かしら、できることがあるだろう。ローザだって異国で一人、今では立派にやっているんだぞ。」

「へいへい。どーせおれは、できそこないれすよー。あれぇ、もうさけないのぉ。」


私の財布に手を突っ込む。


「やめろ、今月給料日までどうやって生活する気だ。」


「ばいしょーきんがあるれしょー。」


「そんなもん、とうにないわ!」



財布を取り返そうと、力を入れる。

が、若い体に振り切られて、尻もちをついた。


「うへへへ…。」



うう…。どうしてこんなどうしようもない男に…。




衝動的に傍にあったナイフを掴んだ。






「……ぐはっ!!!!!!!」


ケインが倒れ、白目をむいてくったりしている。




ああああ。













そして、私も。この世とは永遠の別れを選んだ。
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