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縮まる距離

あれから変わったこと…※R15快楽

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 天人から愛の告白をされ、それに応えた俺は、あれからも何一つ変わらない日々を淡々と過した。

確かに、告白されて俺も好きだと伝えたことで天人と俺の距離は前以上に縮まった気がする。

だが、気がする_____だけだ。

元より俺たち二人に近づく離感など無かったのだから仕方がない。

 でも、少し今までと違うのは天人からのスキンシップに俺も応えてるという所だろう。
天人はそれが嬉しいのか今まで以上に良い笑顔で、いろんなところを触れてくる。

今だって、ほら____



「天人、腕どけて。やりにくい」


「…嫌です。離れません」


「わがまま言わないで。俺、大学から出された課題終わらせなきゃいけないのに…これじゃあ、書きにくくてしょうがないから」

「……」

「もぅ~、終ったら後で何でもするからさ。今は、抱きしめないで」


「約束ですよ」

そう言って、俺の体から離れる天人

(調子のいいヤツ)


 雨が地面に打ち付けて、ザーザーと激しく外で降っている。

 庭の青や紫の彩り様々の紫陽花の花びらに雫が落ちていく。
 

 広間で天人に見守られながら、心地のいい雨音だけが広い空間に響いていく中で、俺はその雨音に耳を傾けながら大学から出された大量の課題に手を付けていくのだ。








 どれぐらい経ったのだろうか、課題に集中しすぎて時間を忘れていた俺に天人から声がかけられる

「時雨、そろそろ雨が止みます…」

 天人の言葉に動かしていた手を止め庭に目を向けた

「…本当だ」

ザーザー激しく降っていた雨は弱まり今にも降り止んでしまいそうだった。 

ぼーっと庭を眺める俺に不貞腐れたように

「時雨、先程の約束…今してもらえませんか?」

天人のその言葉に困ったように俺は微笑み

「いいよ、何がお望み?俺が出来ることなら何でもしてあげる」

俺の言葉に笑みを深くした天人は

「では、時雨から私に口づけをしてくれませんか」

「………………わかった」

少し迷ってそう俺は答え、天人の近くによる

天人はニコニコしながら今か今かと待っている様子だ


「………………………目」


「目?」

「……………目閉じて、見られてるとキスしにくいから」

俺の言葉に素直に目を閉じる天人





「………………」

天人の顔を観察しながら、キスするタイミングが掴めない時雨

「まだですか?」

「煩い、喋んないで」

天人に急かされつつ、時雨は覚悟を決め目をつぶった。

そして、天人の唇めがけて自分の唇を押し当てる。

 温かい熱のある湿った感触を感じ唇を離した。

唇を離し瞑っていた目を開けると




「…それだけですか?時雨」

 熱を帯びた天人の眼が俺を射抜くようにして注がれている。

その瞳を見ていると何だか不思議な気分になる。

「……」

「時雨、私が正しい大人の口づけを貴方に教えてあげますね」




 天人は、俺の頬に手を当てて撫でる。
その動きが酷く気持ちよく感じて、目を再び閉じてしまう

「…………その顔は、扇情的過ぎますね」
小さな呟きとともに俺の唇に熱を落とす。

「ぅんッ…」

「ほら、唇を開けて。…私を時雨の中に受け入れて」

天人が俺の唇を弄ぶように舐め甘噛してくる。

「…ふぁッ」

気持ちよくて天人の言う通りに口を開ける。


「…んッ、………あッ…んぁッ…」

口の中に、天人の舌が入ってくると同時に、俺の声とも思えないような、なんとも甘い声が静寂な部屋に響く。

(…気持ちい)

 天人の舌が俺の舌を優しく撫でるようになぞらえていく。歯茎をなぞり、舌を絡め一つ一つの天人の舌の動きに俺はほんろうされる。

俺は何も考えられなくなった頭で、初めて天人にしてもらった官能的なキスを思い出し、それを真似するかのように天人の舌を軽く吸った。

 ジュルルッとはしたない音を立てた気がしたが、気持ちいい事以外考えられなくなった頭では、正常的な判断など出来やしなかったのだ。

「ッ!」

(…なんでっ?……………やめちゃうの?)

動きを止めた舌に首を傾げそうになったが、その思考も次の瞬間には吹き飛ぶことになる。

 俺が後ろに倒れないようにか、キスをした時から背中を支えていた腕が強く天人に引き寄せられる。
 俺の頬を掴んで上を向かせていた天人の骨ばった手が、へその辺りに移動していく。

へそへ辿るときも手が体を撫でるように、たどっていった。
 その手の動きすら気持ちよくてビクッと震えてしまったのは気づかれていただろう。

へその辺りに着くと、天人の手は俺の着ていたシャツの隙間から地肌へと入れられていく…。
 天人の手の質感が直接地肌に感じ取れ、その手の冷たさすらもキスで敏感になっていた俺の体には毒に思えた。


その滑り込んできた手は、胸へと登ってくる。


そして、俺の凹んでいた乳首に少し冷たい天人の手をかすらせた。

「…んぁッ!」

俺は天人の口の中で小さく喘いだ。
口の中の舌の動きも再開させる天人

目をつぶっていることで舌と乳首により集中して感じる快楽を拾ってしまう。

 天人は、俺の乳首をこねて立たせて軽く抓る。今まで、付き合い経験もなく、ましてや、こんな羞恥心なことしたことがなかった俺には過ぎた快楽だった。





「………あぁ、時間切れですね。残念です、時雨。続きはまたいつか…」


あれから15分が過ぎていた。
天人は俺を優しく畳に寝かせると、俺を置いていつの間にかいなくなっていた。


俺は、いろいろなことに体力を使いすぎて床で脱力仕切っていた。

「…ち○こ痛い」
天人の数しれない手管に翻弄されたおかげで、俺はずっと男の局部を反応させていた。

俺はゆっくりと起き上がり、トイレへと向かったのだった。




_____庭に降っていた雨も止んでいた_____
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