恋のキューピッド部

くらげ

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番外編

八木普の恋

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八木あまね16歳  男
看護コースに所属している高校1年生
好きな物 可愛いもの
学校では少しだけ問題児

それが俺だ 
問題児というのも少し制服をいじっているだけなんだけどな

「八木!お前また袖の長い服を着て!
しかもネクタイもつけてないじゃないか!
スカートも何回も折りよって」

げっ、生徒指導の山岡だ
捕まると長い説教が始まるんだよな
逃げよう

「こっちの方が可愛んだからいいでしょ
じゃあな!」
「おい!」

山岡から走って逃げていると
何かにぶつかった

「わ!なに?」
「どうしたの?あー君。また山岡先生と
追いかけっこ?懲りないねぇ二人とも」

ぶつかったのは
俺の幼馴染で同級生の間宮幸樹だった

「あー君って呼ぶなって
何回も言ってるだろ!間宮!」
「えぇ~いいじゃん。
昔からの呼び名なんだから」
「そのまま続ける年頃でもないだろ」
「そう?いつまでも呼び続けたいけどね。僕は。あー君も昔みたいにこーきって呼んでよ。間宮なんて他人行儀な感じでやだな~」
「別にいいだろ!幼稚園児じゃあるまいし呼び方なんて!」

そう言い合っていると

「間宮~、垣原先生が呼んでたぞ~」
「あぁ、今行く。じゃあ、あー君またね」
「おぅ」

は準備室に向かってった
...俺自然に話せてたかな
顔がものすごく熱い

「やっぱ、好きだな~」

俺、八木普は間宮幸樹の事が恋愛的な意味で好きだ
いつから好きだったかは覚えないが気づいたら好きになってた
叶えようとは思ってない。ただ、隣にいてくれたらいいなって思ってるだけだ
後はあいつの結婚式のスピーチを俺にやらせてくれないかなって思ってるぐらいだ

「そうだ...それぐらいの想いでいいんだ」

俺は少し痛む胸を抑えた
 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  — 

いつからだっただろうか
傍に入れるだけでいいと思っていたはずがどんどん欲張りになってそれだけじゃ足りなくなったのは

「幸樹くん!」
「どしたの?ななちゃん」
「呼んでみただけ~」
「なぁに、それ」

恋人のような姿に黒くドロドロとした感情がうずまく

「あの二人、お似合いだよね」
「うんうん、ゆるふわカップルってかんじ」

俺はずっと2人を見ていた

「ん?なんだこれ」

俺の机に手紙が入っていた
それには"昼休み、校舎裏で待っています”と書いてあった
昼休みになって俺は校舎裏に向かった
そこには別クラスの男子がいた

「あの、この手紙を机に入れたのは君かな?」
「はい。あの好きです!俺と付き合ってくれませんか!」
「ごめんなさい。俺、好きな人がいるからお付き合いは出来ません」
「え?なんで?俺の方が八木くんの好きな人よりもスペック高いだろうし幸せにするよ」

告白を断ったら、そいつは逆上して俺の腕を掴んで迫ってきた

「勝手に決めつけんなよ!そういう奴がいちばん嫌いなんだよ!」

俺は掴まれた手を振り払い走り去った
その場から離れたい一心で走った俺は気づかなかった
俺を睨みつけるそいつと校舎から俺らを見ていた人物に
 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  

放課後
幸樹と俺は帰る準備をしていた

「あ、ごめん。ちょっと委員会の事があるから待っててもらえる?」
「帰るけど」
「え!ちょっとだから、5分もかからないから待って!」
「分かったよ」
「ほんのちょっとだからね。じゃあ行ってくる」
「へーへー」

幸樹は教室から出ていった
入れ代わりにとある人物が入ってきた

「こんにちは、八木くん...だよね?幸樹くんの幼なじみの」
「そうですけど...なんですか」
「ちょっとお話があってね」
「はぁ...」

"ななちゃん”は俺に近づき、そっと囁いた

「私、幸樹くんの事が好きなの...それは貴方も一緒でしょ」
「っ!」
「ほんっと、キモイよね」
「....」
「幸樹くんが知ったらどうなるだろうね」
「それは...」
「バラされたくなかったら、分かるよね」
「....」

俺は混乱した
幸樹に知られてしまえばどんな反応をされるか分からない
引かれるだけなら、まだいい
軽蔑の目で見られ気持ち悪いと言われるのだけは嫌だった

「あー君、お待たせ~あれ?ななちゃん、どうしてここに?」
「幸樹くん♡ちょうど通りかかったから、八木くんとお話してたの」

タイミングというのは悪いもので幸樹が戻ってきた
ここで幸樹にバレてしまうのは絶対に嫌だ
そうなれば、俺のとる行動は一つだけだ

「俺、先帰るわ」
「え、なら一緒に帰ろうよ」
「いや、お前はその子送ってけよ。女の子ひとりで帰らせちゃダメだろ」
「それは、あー君も一緒じゃん。」
「俺は男だから別に大丈夫だ」
「でも...」
「いーじゃん。八木くんがそう言ってるのに引き止めるのは良くないよ」
「.....」

俺はくっついてる2人から離れるためにひとりで帰った

 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  — 

俺はひとりで帰路についていた

「はぁ...どうしたらいいんだ」
「八木くん」

名前を呼ばれたと思ったら物陰に連れ込まれた
恐る恐る連れ込んだ奴の顔を見ると昼休みに告白してきた奴だった

「お前は...」
「八木くんが悪いんだよ。俺の告白を断ったりするから。思わせぶりばっかりしちゃう悪い子にはお仕置が必要だろう?」
「やめろ!このクソ野郎!」

気持ち悪い、気持ち悪い!
必死に振り払おうにも体格差がすごく、振り払うのは無理だった

「誰か、助け、こーき...」
「何やってんだ!」
「ぐっ...」

もう諦めるしかない
そう思った瞬間、目の前のやつが崩れ落ちた

「普!大丈夫?」
「こーき...」

幸樹がいた
俺を助けてくれた
やっぱり好きだと思った

「こーき、こーき」
「もう大丈夫だよ。安心して」

安心して幸樹にくっつこうと思った
けど、思い出した言葉にその行動は止まった

『ほんっと、キモいよね』

「普?」

そうだ、この状態は気持ち悪いんだ
俺のこの気持ちも変なんだ
そう思うと逃げたくなって俺は走り出した

「普!」

 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  

翌朝、俺は深いため息が止まらなかった

「どうしたの?普」
「あ、浅沼...」
「話聞くぐらいならできるけど」

浅沼は唯一、俺の恋心を知っていて肯定してくれた人間だ
よく俺の話を聞いてくれる

「実は...」

俺は昨日の事を話した
浅沼は黙って話を聞いてくれた

「そっか」
「俺、もうどうすりゃいいのか分かんないよ」
「もういっその事告白は...ダメだよね」
「あいつに嫌われるくらいなら死ぬ」
「嫌われることはないと思うな..」
「ん?」
「なんでもないよ」

どうしたらいいか分からない
ただそれだけが俺の頭の中をぐるぐると回る
今は避けているがこのままだったらきっと嫌われる
いや、もう嫌われているかもしれない

「いっその事、死ぬか...」
「やめようね。いのちだいじに」
「どうも出来ねぇんだから、死んで転生したい。んで、あいつの子供になるんだ」
「そんな、漫画みたいな事起こんないだろ」
「起こんないじゃなくて起こすんだよ」
「何?その確固たる発言は...あ、死ぬのは後にして、お願いしに行かない?」
「神頼み?」
「ううん、キューピッドにね」
「キューピッド?」
 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  — 
旧校舎 音楽室前

『友人がね、恋のキューピッド部っていう部活をしてるんだ』
『恋のキューピッド部?なんだそれ、胡散臭い』
『まぁね、でも恋を叶えてくれるって評判だし、行ってみるだけ行ってみたら?旧校舎の音楽室が部室だから誰かに見られるってことは無いだろうし』
『あぁ』

そんな会話をして俺は今、音楽室前にいる
深呼吸をして俺は音楽室の扉を開けた

「あのー、此処って恋のキューピッド部で合ってますか?」
「あぁ、合ってるよ」
「「ようこそ、恋のキューピッド部へ」」
「は?」

そこには、男子生徒が2人いた
そして声を揃えて言った言葉に俺は困惑した
胡散臭すぎて来たのを後悔したほどだ

「君も恋を叶えに来たんだよね」
「まぁ、はい。えと、」
「まぁ立ち話もなんだ。どうぞこちらに」

ひとりが俺をエスコートして席に座らせ自身も席に座った

「まず、自己紹介からしようか。僕は此処の同好会の部長を務めている中川環だ。それとあっちは副部長を務める青木さくらだ。よろしく」
「よろしくお願いします。俺は八木普です」
「浅沼くんから話は聞いているよ。幼なじみで同性の間宮幸樹くんと結ばれたいんだよね」
「はい、あの、どんな風に叶えてくれるんですか」
「それはこのキューピッドの矢でね!」

中川環という人は魔法少女が持っていそうな銃を俺にみせた

「それを幸樹に使うんですか....」
「まぁね、これに弾丸を入れて撃ち込むと...」

俺はたまらず席から立ち上がり中川の胸ぐらを掴んだ

「幸樹に危害を加えてみろ。俺がお前を殺す」
「まあまあ、落ち着きたまえ。別に危害は加えるわけじゃないよ」
「ソレを見せられて納得出来るわけがねぇだろ」
「じゃあ、別の方法を考えよう」

そう言って中川は淡々と話を進めた

「僕は、そこら辺は専門外だからね。青木に任せるよ」
「青木だ。よろしく頼む」

中川と青木は入れ替わりで座った
正直、信用はできないし何を考えているのか
分からなくて怖いが冗談ではなさそうなので
話をすることにした

「どんなことをするか決めるにあたってお前の得意分野を教えて欲しい」
「得意分野?...料理とかか?」
「なんでそう思ったの?」
「....幸樹が褒めてくれたひとつだからだ」
「甘酸っぱいねぇ」
「黙れ」

中川は横から質問してきたかと思うと茶化してきて言い返すとやれやれと首をすくめた

「じゃあ、手料理を渡すのが有効的だな」
「手料理って弁当とかって事か?」
「あぁ、そうだな」
「...食ってくれっかな」

俺がそう言うと2人は首を傾げた

「間宮とやらは手料理を受け付けないのか?」
「いや、あいつ彼女いるっぽいしどうなんだろうなって」
「略奪愛って事かい?」
「別に、略奪しようなんて思ってない」
「じゃあなんで此処に?浅沼くんから勧められたからだけではないだろう?」
「ただ、想いを伝えたいだけだ。出来れば、交友関係を壊さない状態で」
「そんなことなら、キューピッドの矢を使った方がいいと思うぞ」
「なんで?」

キューピッドの矢は人を惚れさすものなんじゃないのかと俺は聞き返した

「環の矢はそういった種類のモノもあるんだ」
「そうだよ。それを使えば思いを伝えることはできるよ」
「でも...幸樹に撃つのは」
「分かったよ。とりあえず弁当を渡してごらん」
「渡せるか分かんねぇって聞いてなかったのかよ」
「話に聞く限り、彼はお人好しっぽいから余ったからって言えば食べてくれそうだけどね間宮くんは」
「そうかな」
「やってみる価値はあるんじゃないかな。お弁当で好感度をあげて告白しても大丈夫な状態にするというのは矢を使わなくてもできることさ」
「やってみるか」
「頑張れ」

 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  
普の家
俺はキッチンで弁当を作っている
俺だけしか知らないはずのキャラ弁を作れば好感度とやらも少しはあがるんじゃないかと思って

「...弁当で告白とか前に映画で見たな。確かこんな感じだったような」

そんなこんなで出来上がったのはストレートな告白文がのっている弁当だった

「無し無し!これは明日の俺の弁当にして新しく作り直す!」

そうして俺は幸樹にあげる弁当を作った

 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  — 
家の前
俺は幸樹に弁当を渡した

「ん!」
「わぁ、お弁当?久しぶりだな。あー君の手料理」
「別にお前のために作った訳じゃねぇし父さんが要らないの忘れて作っちゃっただけだから」
「なんだったとしてもありがたくいただくよ」
「そーかよ」

何とか幸樹に弁当を渡すことができた
嬉しくて頬を弛めてしまうのを我慢し
顔が赤くなっているのを見られないように
俺は早足で学校に向かった

「待ってよ。あー君」
「とっとと、来いよ。間宮」

 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  
昼休み
俺は幸樹の反応を見るのが怖くて屋上前の踊り場で弁当を食べることにした
自分の告白文を食べるのは小っ恥ずかしいが
作ってしまったのは仕方ないと弁当箱を開けようとした瞬間
誰かが俺の胸ぐらをつかみ頬を叩いてきた

「あんた、何様のつもり?」

叩いてきたのは"ななちゃん”だった

「何様ってなんだよ」
「とぼけんなよ。幸樹くんに変な弁当食わせようとして」
「はぁ?」
「何が好きです だよ。キモイんだよ」
「何が何だか分かんねぇんだけど」
「幸樹くんに渡した弁当の中身の話だよ」
「俺、そんなんじゃなくてキャラ弁を渡したはずなんだけど」
「だったら、自分の弁当の中身見てみなよ」

そう言われ、俺は自分の弁当箱を開けた
そこには幸樹にあげるはずだったキャラ弁が入っていた

「マジか...」
「分かったら幸樹くんにふざけてやったって言いなよ」
「...言わない」
「はぁ?」
「俺の本心であるし否定はしたくない」
「じゃあ、学校中にバラしてやるよ」
「良いよ。何言われても良い」

ミスで本人にバレてしまったんだ
他の奴らにバレても痛くも痒くもない
そういう精神だからこそ
俺は堂々とスカートを履いているんだ

「...あんたはよくても幸樹くんはどう思うだろうね」
「....」
「友達と思ってた野郎から告白されてそれを学校中に知られているなんて」
「それは」
「きっと「きっと嬉しくて飛び上がっちゃうだろうね」」

言葉をさえぎって聞こえた声は今はいて欲しくない人物のものだった

「間宮....」
「幸樹くん!八木くんがいじめてくるの!なな、怖かった」

"ななちゃん”は幸樹に擦り寄ろうとしたが幸樹はそれを許さなかった

「幸樹くん?」
「ななちゃん、邪魔」
「え?」
「やっと普が僕に告白してきてくれたのに変なことしないでよ」
「え?幸樹くんの恋人は私だよ?」
「誰もそんなの了承してないけど?」
「だって、誰よりも私のこと優先してくれたじゃん」
「普を手に入れるためにしてただけだよ。君の本名なんて知らないし、それに結構我慢したんだからね、その悪臭に」
「っ!酷い!みんなに言ってやる」
「いいよ、言っても。でも君と僕のどっちを信じるだろうね」
「最っ低!」

"ななちゃん"は走り去っていった
此処に残ったのはいつもと同じ笑みを浮かべる
幸樹と頭がパニックになった俺だけだった

「普」
「....何?」
「僕からも言わせてくれる?」
「何を?」
「何って告白だよ」
「.....」
「黙っているって事はいいってことだよね。僕ね、普の事が好きなんだ。だから...」
「それ以上言うな!」

俺は幸樹の口を手でふさいだ

「なんで?」
「俺と付き合ったところでメリットなんてないからだよ。男同士だから結婚は出来ないし子供を持つことも出来ない。それに」
「それに?」
「それに周りから酷い扱いを受けるかもしんないだぞ」
「だから?まさかそれだけの理由で告白を止めたの?」
「それだけって」
「それだけだよ」

幸樹は俺の手を取り微笑んだ
俺は状況も考えずに胸をときめかせた

「僕、昔からいつも言ってると思うけど周りじゃなくて、普がどう思っているか知りたいんだよ。僕との交際は嫌?」

幸樹は昔からそういうやつだった
男のくせにスカートを穿いていた俺を
肯定してくれてそばにいてくれた
俺はそんな幸樹に惚れてしまったんだ

「こーき…」
「うん、なぁにあー君」
「おれ、俺、こーきのことが好き
恋愛として好き」
「うん、だから僕とどうなりたいの?」
「こーきと恋人になりたい!」
「うん、いーよ。恋人になろ?
その代わり、普は僕のものだよ
そしてぼくは普の物になるんだよ」
「うん、うれしい…」
「普」
「なに」
「ぼくも普のことすきだよ」

そう言って幸樹は俺を抱きしめた

 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  
放課後
俺は旧校舎の音楽室にいた
キューピッド部に礼を言うためだった
まさか、その後キューピッド部の部員にならされて大変な目に合うなんて
その時の俺は思ってもいなかったんだ

八木普の恋 END






























































 —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  —  — 
まさか、普があんな大胆な行動に出るとは
思わなかったな
おもわずびっくりしちゃったよ
でも、普が僕の物になってくれて良かった
あそこでOKもらえなかったらを使うとこだったからね
僕も普を傷つけるのは不本意だしね
.....にしてもあの女とあの野郎はどうしてやろうか
僕の大事な普に手を出したんだ
どんな手を使っても潰す






普、愛してるよ
一生、離してやれないけど幸せにするからね


END....?
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